(遠い昔の高校生のときから、数式をひねくったりするのはできなかったので、以下は数学の用語からしたら正確ではないでしょう。私なりの理解、表現です。)
0,1,1,2,3,5,8,13,21,34,55・・・
これはフィボナッチ数列といわれるもので、「数列の中にあるある数字は、その前の二つの数字を足したもの」となっています。0と1を足して1、1と1を足して2、1と2を足して3、2と3を足して5・・・という具合です。
そしてこの数列の特徴の一つとして、「隣接する二つの数字で、あとの数字を前の数字で割った比は黄金比に収束する」ということです。上の数列で、例えば、8をその前の5で割ると1:1.6となりますが、これを無限大の所で計算すると、近似値で1:1.618033・・・と黄金比になるということでしょう。
黄金比といえば、縦と横の長さの比が黄金比の長方形がよく言われます。名刺、はがき、国旗、テレビ画面・・・と例をあげればきりがありませんが、人は四角形であれば、例えば真四角よりは黄金比に近い長方形のほうを好む、ということなのでしょう。
そして、黄金比は黄金角を作ります。円周を黄金比で二つに分けた場合、狭い方の角度が黄金角になります。近似値で137.5077・・・度です。以前書いた「ホオノキの葉はまだ黄金角を見つけていない?」で触れていますが、例えば、植物が茎の周りにこの角度で葉を出し続けると仮定すると、永遠に上下に重ならないという角度になります。
これはアカマツの松ぼっくりを枝に着いていた方向から見たものです。
鱗状のものが螺旋状に付いています。その螺旋をよく見ると、中心から左回りに5本、右回りに8本、そして左回りに13本が見えます。
フィボナッチ数列の5、8、13に当てはまります。このことはインターネットで知っていたのですが、実際に数えてみたらそのとおりになっていたので感動しました。そして別の目的も持ってアカマツ、クロマツの松ぼっくり72個を見てみたら、すべてこの数のらせんを見ることができました。
そこで、他の植物でも螺旋があれば、その数はフィボナッチ数列になっているのではないか、と思い至りました。調べてみました。
これはコブシの花が咲いた後、果実を作る前に地上に落ちてしまったものです。
赤、青、黄色の線を引いた部分は、雄しべが螺旋状についていた痕です。ぐるっと一周して螺旋の数を数えると、赤が8本、青が13本、黄色が21本ありました。フィボナッチ数列になっています。ちなみに、おしべの痕の上部には雌しべの痕(ここに種子が並ぶはず)がありますが、ここにも螺旋が1方向に見えたので、数えてみました。13本でやはりフィボナッチ数列になっていました。
これはロマネスコです。カリフラワーの仲間でしょう。今年、栃木国体があり(このことを知っている人は少ないかもしれませんね)、応援に行ったとき泊まったホテルの朝食で撮りました。1方向に13本の螺旋が見えます。写真の上部に別の花の株?があり、そこには少なくても2方向の螺旋が見えますが、数は数えられませんでした。
パイナップルです。うちではたまに一個丸ごと買う時があり、それです。表面の花の痕、タネができるところでしょうか、模様が螺旋になっています。赤は8本、青は14本です。14本?13本の間違いではないの?と、数えなおしても14本。植物のことですからこういうこともあるのでしょう。
ヒマワリの花びらが散りかけ、タネが見えているところです。中心から右回り、左回りにそれぞれ螺旋が見えますが、ところどころその列が乱れているところがあります。それでも、少々いい加減ですが数を数えてみると、赤(右回り)約34本、緑(左回り)51本から57本くらい、となっています。フィボナッチ数列からすると34本と55本になるはずですが、まあ近いと言えるのでしょう。
以上のこれらだけを見ると、いずれも花、種を作る植物の生殖器官で螺旋があり、それは一定の決まりがある、一定の決まりとは、少なくともその一つは不思議な性質を持つフィボナッチ数列にのっとるということ、だろうと思います。これは、生殖器官を作るときの細胞分裂の仕方に何らかの決まりがあるのだろうと思います。相当に難しい生理現象なのだろうけれど、知りたいものです。
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