私は植物の葉、実、根などは、毒でない限り大概食べることができると思っています。
人間は野生に生息している植物のうち、採集や栽培に効率的なもの、品種改良できるもの、味の良いものなどを選択的に食べてきたのだと思います。
その選択から漏れているだけであって、実際に食べれるものはいくらでもあると思います。一例をあげれば、スズメノカタビラなどの雑草のごく小さな実、これを集めて人間が食べようとしてもほぼ不可能だと思いますが、小さな鳥のスズメなどは好んで食べています。
野生にあるものを品種改良しているものの例としては、ツルマメから作った大豆があると本に書いてあります。
以下は、ツルマメの蔓と葉。実です。実はごく小さいですが、いかにも食べられそうです。
私は造園のアルバイトをしているので、個人の庭の手入れをしますが、そこには藤棚があることがあります。その庭の雪囲いをするときは、ちょうど藤棚にたくさんのフジの豆の鞘がぶら下がっています。
フジの豆の鞘はかなり大きいので、栽培されている大豆と比べたら採取の効率は相当に悪いですが、ある程度の量は集めることができるでしょう。ということで、昨年の12月ですが食べてみました。
インターネットでフジの豆を食べることを検索してみると、皆さん豆をフライパンで炒って食べている方ばかりでした。ですが、私はフジの豆は多分大豆と同じような豆だろうと想像して、ひたし豆にすることにしました。
ひたし豆は、私もたまに作ります。青大豆(あおだいず)を15分くらい水で煮て(硬さは何回か食べてみて時間を調整する)、水で冷ましてから浅漬けの素と昆布だしを合わせた水に一晩冷蔵庫の中でひたして出来上がりです。
スーパーにも売っていますが、あまり一般的でないのか、以前仲間といった冬山のテントの中で出したところ、「冬に枝豆あるんですか」と言われました。まあ、雰囲気は枝豆に近いとも言えます。
ということで、以下フジの豆です。
一か月以上も新聞紙の上に放っておいたので相当乾燥しています。自然界ではパンっといって鞘がねじれてはじけてタネを飛ばすのでしょう。音は私も聞いたことがあります。
新聞紙の上では自然にはじけることはありませんでした。ただ、鞘を割ろうとプライヤを当て力をチョッと入れただけで、パンといって割れ、鞘が飛びました。
堅さを確かめながら煮たら、20分以上かかりました。また、豆の茶色い皮の色が出て、煮汁が濃い茶色になりました。
これを、浅漬けの素と昆布だしと合わせた汁に一晩ひたしたものです。
味、食感は青大豆とほぼ同じでした。おいしくいただけました。
また食べるかと言ったら、青大豆の方が手間が少なく、一粒も大きいので、もうないでしょう。
余談ですが、初めにツルマメの写真を載せましたが、同じようなヤブマメの写真があったので載せます。
ヤブマメは、地上に普通の花を咲かせた豆と閉鎖花による豆、更に地中にも閉鎖花による豆と、3種類の豆を付けることで知られています。
何年も前でしたが、ヤブマメのツルを引っ張たら根もズルズルと出てきて、根にできた閉鎖花由来の豆を見ることができました。豆は1個入っていました。
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