goo blog サービス終了のお知らせ 

シドニーの風

シドニー駐在サラリーマンの生活日記です。
心に映るよしなしごとをそこはかとなく書き綴ります…祖国への思いを風に載せて。

シドニーの学校選び

2008-07-23 19:05:36 | シドニー生活
 子供たちに、ようやく移民局から許可が下りて、今日から学校に通い始めました。
 シドニーでも、アメリカやマレーシアと同じで、学校の新年度は夏休み明けに始まります。そうは言ってもシドニーは南半球で、北半球と夏・冬逆転するので、8月末ではなく1月末に始まります。先週末で二週間のスクール・ホリデーが終わり、今週月曜日から地元の公立学校の第三学期がスタートしたのでした(こちらは1学年4学期制です)。
 我が家の(日本で言うところの)中学2年生と小学3年生の子供たちの学校の選択肢にはいくつかあるのですが、マレーシアではインターナショナル・スクールに通っていたこともあって、今さら日本人学校もないだろうと、地元の公立学校への進学を選択しました。
 シドニーにもインターナショナル・スクールがいくつかありますが、マレーシア・ペナンのインターナショナル・スクールに通った経験からすると、通う生徒は駐在員の子弟が多くて腰掛けなら、教える側の先生も腰掛けの人が多く、2~3年居れば良い方で、一年で他国に移ってしまう方もいて、学校の方針がよほどしっかり徹底されていないと、教育が属人的になりがちで安定しません。つまり良い先生に当たればハッピーですが、そうでない場合は一年間不幸になりかねないのです。そういう意味では、私立の学校の方が、高い学費を払ってでも預けようと親に思わせるために、一般に教育方針がしっかりしていて教育熱心であるのは論を俟ちませんが、シドニーの私学は、その学費が高過ぎて(年1万5000~2万ドル)、二人の子供を通わせるのは、普通のサラリーマンには厳しいものがありました。その点、公立学校は、私たちのようなヨソ者であっても、学費は相対的に(日本人学校と比べても)安いのです(年5000ドル)。
 そこで至った結論は、住環境の良い(その分、家賃が高い)地域の公立学校(学費は安くてもレベルは高いだろうと期待させる)に通わせるか、あるいは多少住まいが遠く(その分安く)なっても私立のしっかりした学校に通わせるか・・・という二者択一でした。前者を選んだわけですが、それが正しかったのかどうか、結論が出るのはまだ先の話です。果たしてどうなることやら・・・

不動産賃借契約

2008-07-18 07:22:42 | シドニー生活
 こちらでマンションの賃借契約を結ぶ段になって感心したのは、国として基本契約の雛形が決められている点でした。勿論、追加条件を別に付則としてつけることがある上、二つ目の契約書として物件状況確認書といって、入居時の状態や備品等の説明が記載される個別の取り決めもありますので、その限りにおいては注意が必要です。このあたりの事情はニュージーランドでも同じです。
 一般にシドニーでは、家賃は週いくら・・・という形で語られるのが、我々日本人には新鮮です。そんな呑気なことは言っていられなくて、感覚を掴むまでは、13週(四半期)を掛けた上で3ヶ月で割る(あるいは略式で4.3倍する)というような暗算をしなければ、正確な月額が分かりません。我々のように企業から派遣され、会社からの家賃補助を頼りに生活する駐在員にとって、こうした比較は重要です。
 入居時にかかる費用は、敷金と家賃の前払いです。敷金(Rental Bond)は、通常4週分の家賃相当額を、家主または不動産業者が公正取引庁(Office of Fair Trading)に供託することになるというのも、我々日本人には新鮮です。私にも、公正取引庁から、いくら供託したという確認のレターが届きました。賃借期間が終了すれば、敷金の払い戻しを受けるために、公正取引庁に敷金返還請求を提出する必要があるのだそうです。一方、家賃の前払いの方は、週当たりの家賃がA$300以下の場合には二週間分、それを越える場合には一ヶ月分の家賃を前払いする必要があります。
 こうした仕組みは、過去にいろいろ問題があった反省に立っているものと思われますが、概して、透明性が高く、フェアで、好感が持てます。

シドニーの家探し

2008-07-17 07:29:07 | シドニー生活
 一般にシドニーでは、土曜日のSydney Morning Herald紙(インターネットでもDomainという便利なサイトがありますが、どうもインターネット情報は古いと評判が芳しくありません)の不動産情報をもとにインスペクション(売買の場合にはオークション)の日時を確認するところから始まると言われています。インスペクションというのは、一種のオープン・ハウスで、その物件を管理する不動産屋が希望者に現場を公開し、気に入った人からその場で申し込みを受け付ける仕組みです。この場合、自らの足で稼がなければならないので、地理に不案内な場合には苦労します。
 そこで不動産屋が登場します。希望条件に合う候補物件を抽出してもらい、現場に案内してもらうわけです(日本のように車であちこち連れて回ってくれるのではなく、現地で待合せ・・・なんてことが多いですが)。家主と交渉の上で、一般のインスペクションとは別に個別に現場を訪問するアポを取ってくれることもあります。不動産情報と言えばいずこも同じで、良い物件ほど、闇から闇へ、すなわち公開前に口コミで伝わって決まってしまう場合が多く、如何により良い情報を持っていそうな不動産屋を掴み、網を張っておくかが勝負になります。
 従い、不動産屋のタイプを見抜く必要があります。自ら管理する物件が多い不動産屋の場合には、公開前の上質の物件情報に触れるチャンスが多くなりますし、仮に直接管理する物件が少ない場合でも、相互にネットワークを張りめぐらせ、他社が管理する物件で上質のものを掘り出してくれる不動産屋もいます。ひどい場合には、公開情報の中からピックアップするだけの不動産屋もいます。私はズボラして、日系の不動産屋三社にしか当たりませんでしたが、一般に大手の方が情報量が多く、上質の物件情報に触れる確率が高いと言えそうです。
 ここで注意すべきは、不動産屋は家主の代理人であって、決して我々テナントの味方ではないという点です。その代わり、不動産屋に手数料を支払うのは家主であり、我々テナントではありません。この仕組みはアメリカやマレーシアでも同じでしたので、日本の仕組みだけが特別なのかも知れません。

シドニーの住宅事情

2008-07-16 08:03:21 | シドニー生活
 新しいマンションに住み始めて一週間、私たちの家具を載せた船はまだ海の上で、すっからかんのマンションにスーツケース3ヶで到着したままの合宿のような生活を送っています。会社の規程によると、出発前一週間及び到着後二ヶ月はホテル暮らしが許され、その間、住まいを探すわけですが、私の場合、事前に長期出張して家探しを始めていたこと、子供の学校が始まるので、早く普通の生活に入りたかったこと、そのため先に住まいを決めていたのでした。
 家探しを早くから始めたのには理由があります。季節は冬に入り、人の移動も、従い物件も少なくなるであろうと懸念されたこともその一つですが、そもそも物件自体が少ないことが最大の理由です。最近のシドニーは不動産価格が高騰し過ぎて、賃貸物件もつられて高騰し、物件はあっても高すぎるか安くてぼろいか、希望レベルには程遠く、不動産屋のおばちゃんによると20年来の異常事態なのでそうです。ここ1~2年の間に10~20%上がるのはザラで、明らかにバブル状態。10年前に駐在していた人と話していたところ、この10年で家賃は倍以上になっている勘定です。
 それにしてもシドニーは、先進国の中でも物価が安く住み易い・・・はずだったのに、資源大国・農業大国として昨今目覚しく強いオーストラリア・ドルに支えられ、我々日本人にはすっかり住みにくくなってしまいました。生活は始まったばかりですが、先が思いやられます。

シドニー物語ことはじめ

2008-07-15 08:00:17 | シドニー生活
 家族ともどもシドニーに到着して一週間が過ぎました。
 海外で生活するのは、アメリカで5年、日本に戻った6年をはさんで、マレーシアで3年、そのまま横滑りでオーストラリアは三ヶ国目になります。太平洋をぐるりと周回して、南の果てシドニーまでやって来た格好ですが、そこはしがないサラリーマン稼業、あっちと言われればあっちを向き、こっちと言われればこっちに吠える、忠犬ハチ公のような律儀さで、流れ者の人生は、付き合わされる家族にはたまったものではありませんが、本人は異国の生活をあれこれ観察しながら至ってエンジョイしています。
 仕事は仕事として、こうした機会を与えられたことに感謝しつつ、これから始まるシドニーの生活とその風景を、日本やアメリカやマレーシアと比べながら、徒然なるままに切り取り、思うがままにデッサンして行きたいと思います。その基底にあるのは、祖国・日本への思いです。