GT300マザーシャシー誕生! 86のプロトを公開
2014.08.29
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スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションは29日、スーパーGT第6戦の予選日を前日に控えた鈴鹿サーキットで記者会見を開き、GT300クラスに参戦するエントラント向けのGT300マザーシャシー構想の企画を発表。トヨタ86をベースとしたプロトタイプを公開した。
近年、スーパーGTでは自動車メーカー主導で開発された安価なカスタマー向けレーシングカー、FIA-GT3規定の車両が多く導入されており、多くのチームが活用しているが、一方でかつてスーパーGTで一般的だったJAF-GT300規定車両の台数が減少していた。FIA-GT3車両は車両自体はリーズナブルだが改良が許されていない車両で、チームの仕事としては完成した車両を走らせるだけに近い状態となっていた。
そんな中、GTAとしては日本のモータースポーツ業界が長年培ってきた技術力を活かし、かつ発展させ『日本のものづくり』を育てていくために、安価な専用モノコックにチームが独自に開発することができるGT300マザーシャシー構想を立ち上げ、童夢の林みのる元社長が構想していた『ISAKUプロジェクト』に使用予定だったモノコックを活用し、プロトタイプ作りが進められていた。
(オートスポーツweb)
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GTA、FIA-F4の概要発表。童夢F110シャシー公開
2014.08.29
©AUTOSPORTweb
スーパーGTをプロモートするGTアソシエイション(GTA)は29日、2015年からGTAがプロモートするFIA-F4の開催概要を発表するとともに、使用されるワンメイクシャシーである童夢F110を公開した。
FIAフォーミュラ4は、現在日本で開催されているF4とは異なるもので、FIA国際自動車連盟がF3を目指す15歳からの若手ドライバーのための下位カテゴリーとして導入されるもの。F3並みの安全基準をもったカーボンモノコックシャシー、140〜160馬力のエンジンを搭載しながらも、厳しいコストキャップが敷かれている。
また、FIAの計画では各国のASN(日本で言えばJAF)がシリーズを運営するか、ASNとプロモーターがシリーズを運営する形で世界各国でF4レースを開催する方向となっており、GTAはすでにプロモーターとして名乗りを上げ、今後GTA、そして今回シャシーを製作したJMIA日本自動車レース工業会とともに、日本の次代を担う若手ドライバーの育成、そして日本のものづくりを推進していく。
29日に行われた発表では、イエローのボディに彩られた童夢F110が公開された。すでにイタリアではFIA-F4規定のレースが開催されており、タトゥース製のマシンが走行しているが、童夢F110はそれに比べても非常に流麗な印象。本来、厳しいコストキャップを実現するために他コンストラクターでは風洞実験等はそれほど行われていないというが、将来的に国際的な競争力を保つべく、童夢の“風流舎”で風洞にかけられ、高いパフォーマンスを示すという。また、風洞実験に関してはトヨタからの援助もあったという。
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うーんどうなんでしょう。2つの案件が鈴鹿1000km開催のタイミングで発表された。どちらも技術的には申し分ない。そして、どちらも童夢がバックにあるみたいです。それらが世界的な規格化の中で存在を主張し、グローバルスタンダードになるか?ということなんでしょう。仮に日本国内で定着化したとする。しかし、世界的には他の外国のメーカーがシェアを取ったなら。それは、日本がグローバル化に遅れをとり、ガラパゴス化することになってしまう。一方で来年ジェイソン・バトンがF1からSuper-GTに移ってくるという噂もある。それ程海外からも評価されている。全体をまとめ、ビジネスモデルを構築し、他国と交渉して日本の存在を高めていけるリーダーの登場が待たれるということでしょうか。嘗てのHONDAの中村良夫さんの顔が浮かんできますが。
過去に書いた事------> ココ
2009年初頭に発表された3台のF20
最近、由良拓也さんがF20にミラのエンジンを載せた「フォーMira-1」。(由良さんのサイトより転載させて頂きました)
これを見て思うのは達者だなあということです。これだけ優れた仕上げのクルマをササッと作れるのだから。後はビジネスモデルの問題だと思ってしまうのです。
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そして海外では・・・・・
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イギリスのFIA-F4はタトゥースを使用。15年に導入
2014.09.03
©Takashi Ogasawara
2015年に向け、世界的にF3に繋がるジュニアフォーミュラとしてローコストで高い安全性をもつFIA-F4の導入が進んでいるが、イギリスではBRDC F4として、タトゥース製のシャシーに2リッターのフォード・デュラテックエンジンを搭載したマシンで争われることになった。
これは、シリーズ代表を務める元F1ドライバーのジョナサン・パーマーが明かしたもので、BRDC F4は、これまでフォーミュラ・ルノー2.0等を製作してきたイタリアのタトゥースと複数年契約を結び、FIA-F4規定のカーボンモノコックシャシーを導入。現在BRDC F4で使用されているスペースフレームのマシンに置き換えられ、来季のオータム・チャンピオンシップから2019年まで使用される。
タトゥース製のFIA-F4規定シャシーはすでに今シーズンからイタリアF4シリーズで導入されており、ドイツのADACも国内で開催されているフォルメル・マスターズで導入予定。イタリアではアバルト製エンジンを搭載するが、イギリスではフォード・デュラテックエンジンを搭載する。
イギリスでは26台のシャシーを購入し、チームには35000ポンド(約600万円)で販売予定。従来のマシンを所有している場合は、15000ポンド割引になるという。また、BRDC F4では15歳からの参戦を受け入れ、来年9月の開幕前に3ヶ月のテストプログラムが組まれる。
「タトゥース製のマシンはいいクルマだし、フォーミュラ・ルノーで培われた経験と評価が活かされている。来季の春の開幕から導入することもできたが、これを秋に遅らせることでチームが円滑に移行することができる」とパーマーは語っている。
厳しいコストキャップが敷かれているFIA-F4規定に沿ったタトゥース製のシャシーは、今回の決定によりイギリス、イタリア、ドイツで使用されることになる。一方日本では、8月29日にスーパーGTをプロモートするGTアソシエイションの運営により、JMIA日本自動車レース工業会が製作した童夢F110シャシーが使用され、これにトムス製の2リッターエンジン、TZR42 Yが組み合わされる。
(Auto Sport Webより参照させて頂きました)
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又、うーんと唸ってしまう。こうやって先手を取ってシェアを先取りされてしまうと・・。最後には、そのシャシーが世界中で標準シャシーになってしまうことも考えられる。考えてみると何故、童夢はF3000、Fニッポンでシャシーを多数供給しなかったのだろう。そこでシェアを取れば、更に他のカテゴリーに販売を広げられたかもしれない。
日本で市販レーシングエンジンの販売に先鞭を付けた無限も同様でしょう。これにはHONDA本体との関係もあるのかもしれませんが。
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SGT×DTMは17年に完全規則統合決定。都内で会見
2014.09.30 (AUTOSPORTS Web)
30日、東京・恵比寿のウェスティンホテル東京で、スーパーGT×DTMドイツツーリングカー選手権×北米IMSAの代表が、今後の三者の方向性について協議する『ステアリング・コミッティ』が開催され、2017年に、完全に両者の規則が統合されることが明らかにされた。
このステアリング・コミッティは、統一した車両規定を採用するスーパーGT、DTM、今後新シリーズ立ち上げを目指す北米IMSAの三者の代表、そして各参戦メーカーの代表者が集まり、今後の方向性等を話し合う会議。第1回は昨年8月にDTMノリスリンクで開催され、第2回は今年1月に、ユナイテッド・スポーツカー開幕戦の舞台となったデイトナで開催された。
日本で初めての開催となった第3回ステアリング・コミッティには、スーパーGT側からGTアソシエイションの坂東正明代表、JAF日本自動車連盟の樋山良毅氏、トヨタの代表としてトヨタ・モーターセールスマーケティングの高橋敬三氏、ニッサン・モータースポーツ・インターナショナルの宮谷正一社長が出席。ホンダの代表者は所用のため会議には出席したものの、その後の記者会見は欠席となった。
一方、DTM側からはITR代表のハンス-ベルナー・アウフレヒト代表をはじめ、ドイツの自動車連盟にあたるDMSBのクリスチャン・シャフト氏、アウディスポーツのヴォルフガング・ウルリッヒ代表、BMWモータースポーツのイェンス・マルカルト代表、メルセデスのモータースポーツ代表を務めるトト・ウォルフという蒼々たるメンバーが揃った。ただ、IMSA側から今回の出席はなかった。
会議に続いて行われた記者会見では、その日に決議された項目が明らかにされた。最も大きなものとしては、スーパーGT500車両、そしてDTMの車両について、完全な規則統合が合意に至ったということだ。これまで、DTM側では自由なエンジン開発に難色が示されていたと言われていたが、今回のステアリング・コミッティで両者が合意。DTM側で17年に2リッター直4ターボを採用すること、現在両者で採用されている共通パーツ等の見直しが行われることになった。
また、この3シリーズで採用される規定については、これまで『統一規定』といった呼ばれ方をしていたが、新たに『クラス1』という名称がつけられた。今後は17年に向けてクラス1規定の下で詰めが進められ、今後スーパーGTとDTMでの世界一決定戦といったイベントの開催が模索されていくことになる。
「この統一規則の名称が決まり、『クラス1』というグランドツーリングカーの頂点を目指す名称にします。また、相互シリーズの交流、統一の世界一決定戦の開催に向け近づきました。この規則の中で、今後も魅力あるシリーズを作っていきたい」と語ったのは、GTA坂東代表。
また、同席したITRのアウフレヒト代表も、「今回の会議の成果についてはとても満足している。この協力関係が次のフェーズに移る準備ができた。今の段階では異なるエンジンを使っているので、同じレースに出場することはできない。しかしその状況は、バンドウさんから説明があったとおり、2017年に変わる」と規則の進展を喜んだ。
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統一規則ということですが、実際には「クラス1」という統一カテゴリーを設けたということみたいです。Super-GT、DTMのトップカテゴリーを解消するということではないのでしょうね。クラス1を世界標準規格(F-4の様に?)に育てる。そして、次にトップカテゴリーを考えるということでしょうか。その位のペースで進めた方が良いという気持ちなのでしょうね。只、DTM側で2リッター直4ターボを採用する方向なのは良かった。世界の乗用車エンジンは、4気筒、3気筒。更には2気筒、単気筒(!)にまでなっていくのでは。
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86マザーシャシープロトタイプ シェイクダウン
童夢の元代表の林みのる氏の個人のホームページに載ってますよ。
私個人的には、
本当かうそか、
はたまた当事者では無いので100%信じる訳ではありませんが、
色々と業界内での政治的な事があったのは間違い無いのでしょうね。
1998 ML PROTOTYPE
HONDAと無限からの依頼で開発したオーバル可能なレーシングカーです。もてぎのオーバルの活用方法に悩んでいたHONDAがMLを開発して、FNにオーバルを組み入れる事を条件にシャーシを提供しようという計画でしたが、マシンの輸入が出来なくなることを案じたFNの会長から断られた可哀そうなマシンです。
などとありました。まあ当事者同志の深い関係は分かりません。日本のレース業界の中で、外国製シャシー導入の考えと国産シャシー使用の考えがあることは確かみたいですね。それは、国内レース産業のコンセンサスの問題なので、それ以上どうこう言う話しではないのでしょうね。只、技術力はあるのだから、国内とは別に世界で販売して欲しい所ですが。
童夢で開発してローラが販売という形でヨーロッパ地域にF3シャシーを販売していたようですが、
ダラーラの使用率が高く、
ローラとの関係もギクシャクしてたようで、
ヨーロッパでの販売はフェードアウトしたみたいですね。
やはり地理てきに現地でのスタッフやサービス等の経費がかかるようですね。
ちなみに、童夢元代表の林氏のレース関連への提言たるものがあったので貼っておきます。
http://www.dome.co.jp/information/images/formula_nippon_110920.pdf
http://www.dome.co.jp/information/images/fcj110920.pdf
http://www.dome.co.jp/column/dt_87.html