鈴木良さんの教師修業の道

高校・国語教師の鈴木良治のブログです。日々、分析批評と討論の授業を探究しています。

2016年1月の読書メーター

2016-02-21 09:52:35 | Weblog
2016年1月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:1979ページ
ナイス数:52ナイス

荒海ノ津 ─ 居眠り磐音江戸双紙 22 (双葉文庫)荒海ノ津 ─ 居眠り磐音江戸双紙 22 (双葉文庫)感想
最後の福岡と江戸の二元中継?がいい。磐音のいない江戸でも物語が進行しているということが分かり、立体的だ。品川柳次郎、幸吉、それぞれのキャラが際立って見える。
【心に残った言葉】家格や禄高を張り合う麹町の武家地より、どんなに気楽でしょう。(336頁)
読了日:1月30日 著者:佐伯泰英
読んだつもりで終わらせない 名著の読書術読んだつもりで終わらせない 名著の読書術感想
『罪と罰』など何度もトライして上の半分くらいで挫折している。これを機にPre-read、Reading、Re:readという本の読み方を楽しんでみたい。『こころ』など何度読んだかしれないがまた読みたいという気になった。
【心に残った言葉】名著は「二度目から」がおもしろい…たった一度で読んだつもりになっていては、非常にもったいない!(31頁)
読了日:1月29日 著者:樋口裕一
読む力・聴く力 (岩波現代文庫)読む力・聴く力 (岩波現代文庫)感想
読む、聴くをめぐってこれほど奥深い議論ができることに驚く。情報の洪水にいかに呑み込まれずに必要なものを取り入れ、かつ全体を俯瞰できるかが重要だ。
【心に残った言葉】ケルトの文明はすごく高いのに文字を持たなかった。…なぜかというと、文字ができるということは便利な代わりに心の働きを限定するところがあるのです。(157頁)
読了日:1月21日 著者:河合隼雄,立花隆,谷川俊太郎
語彙力こそが教養である (角川新書)語彙力こそが教養である (角川新書)感想
自分のことばを豊かにするレッスンが豊富にあり、どれも実践したいと思った。語彙というものを日本語に限らず、外国語にも求めていくと、もっと幅が広がり、おもしろいと思った。
【心に残った言葉】知的好奇心を維持することは、忙しい毎日のなかで難しいことです。なにより必要なのが、バイタリティ。…鎮火しそうになってしまうパッションに、毎日たきぎをくべ、酸素を送り込む力です。(239頁)
読了日:1月19日 著者:齋藤孝
戦国武将と連歌師 (平凡社新書)戦国武将と連歌師 (平凡社新書)感想
諸国間の有益な情報を扱う連歌師はスパイのような役割も果たしていたのではないかと興味深い。
【心に残った言葉】連歌などの文芸を理屈ではなく、ある種の思想として嗜む者は、人あしらいが上手な印象がある。また戦国大名にも通じる、幾多の「成しうるための修羅」「生き残るための修羅」を経験して成り上がった者だけがまとうことのできる迫力、威圧感が宗祇にあり、(116頁)
読了日:1月17日 著者:綿抜豊昭
鯖雲ノ城 ─ 居眠り磐音江戸双紙 21 (双葉文庫)鯖雲ノ城 ─ 居眠り磐音江戸双紙 21 (双葉文庫)感想
磐音が行くところ、必ず風雲が起こるが、これは父正睦と綿密に計画された大捕物だ。それを秋茜が優しく見守っているというのが象徴的だ。
【心に残った言葉】おこんは、三匹の秋茜が戦いの場から墓所へと舞い戻っていくのを言葉もなく見ていた。(326頁)
読了日:1月7日 著者:佐伯泰英
サラバ! 下サラバ! 下感想
「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ」という姉の発言が、歩の視点を揺さぶるものとして面白い。ラストのヤコブとの再会は、何となく予想できてしまった。【心に残った言葉】小説を書きたい、と思ったのは、カイロから戻る飛行機の中だった。正確に言うと、僕は「化け物を書きたい」と思った。消えた、掴めないと思っても、常にそこにある化け物。きっと忘れてしまったことばかりで、だから白いのだが、でも絶対にある、あの化け物を。(348頁)
読了日:1月3日 著者:西加奈子

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