諏訪山岳会公式ブログ

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8月例会山行 大同心正面 雲稜ルート

2016年08月14日 | 八ヶ岳 バリエーション・アルパイン
8月例会山行 八ヶ岳キャンプ
八ヶ岳 大同心正面 雲稜ルート 他

ルート :小同心右岩峰周辺/大同心 雲稜ルート
日時  :2016年8月6/7日
メンバー:Mar、U山、O石、I間、F見、岩ひばり

梅雨もやっと明け、天候の落ち着いた8月最初の週末に八ヶ岳キャンプと称し、小同心右岩峰と大同心 雲稜ルートに行って来ました。雲稜ルートは、全6ピッチ、八ヶ岳では他にないフリー化され、支点もきちんと打ち直されたルートです。とは言え、八ヶ岳独特のもろい岩で、フリーとアルパインの両方を味わえる夏の八ヶ岳登攀ルートでした。



<雲稜ルート 取り付き>
8月6日(土)

U山はこの前日からの入山。この日入山のMar、岩ひばり、O石の3名と赤岳鉱泉で合流後、大同心稜を経て10時前に小同心右岩峰基部に着。


<大同心稜を登る>

この日の予定は、登ったという話をほとんど聞いたことがない小同心右岩峰の正面ルート(?)を登ろうというもの。ちょうど1年前の偵察で、このルートはかなり年季がはいっていることが分かっていたので、金物類をかなり多めに用意して、いざ取り付いてみたところ、ルート上に散在する苔に覆われたように見えるセクションが岩というよりは固い泥の塊といった感じであることが分かり、このまま登っても危険なだけと判断して早々に登攀中止を決定。
しかし、下って一杯やり始めるにはまだ早すぎるので、せっかくだからと冬ルートとして目をつけていたラインの様子を見に行き、ある程度見通しがついたところで本日は終了。



下りがてら大同心基部付近に明日の登攀具をデポし3時前には赤岳鉱泉のテラスにて生ビールで乾杯。
右岩峰は残念だったが、無理をしてまで登るまでもないかなというのが正直な印象。明日の本番に備えて良い体慣らしになった。

8月7日(日)

7時前にI間、F見が赤岳鉱泉に合流。
晴天の中、前日に大同心基部下にロープやガチャをデポしたおかげで、さくさくと大同心基部に到着。今回は、1組目:U山+F見 2組目:岩ひばり+O石 3組目:Mar+I間の3パーティでトライ。このルート初見のU山さんが、全6P トップ オブ トップを務めてくれた。
 
1P:30m 5.8 (U山・岩ひばり・Mar トップ)
踏み跡を付きあたりまでたどると、右壁にリングとペツルのボルトがあり、取り付きは明瞭だ。最初は少し左目にラインを取り、右上にハングを乗っこす。ホールドは、ガバなので、空荷ならフリーのムーブで気持ち良く登る事ができる。支点は、古いリングやハーケンもあるが、どのピッチも要所にペツルのボルトがあり、それを追って行けば、自然と終了点に導かれる。

<1組目 登攀開始>


<2組目 登攀開始>


<ビレイ点直下>

2P:25m 5.8 (U山・岩ひばり・Marトップ)
登山体系では、大きく左にラインを取っているが、少しかぶったフェイスを左上した後、ほぼ直上で登って行く。支点もあるが、カムが決まるところもあるので、一つ一つホールドを確かめながらペツルのボルトで終了。
 
3P:30m Ⅲ (U山・O石・Marトップ)
この辺りが、登山体系とは違うのか、U山さんは、登山体系の3・4Pを続けたほぼ直上から右上するラインを取る。土に乗っているだけの岩や割れた岩に挟まれた岩は、不安定で動くものが多く、落石しないようホールドを選びながら冷や冷やで登る。テラスが2段あり、上のテラスの方が広く安定していて、やはりペツルボルトで終了。

<3P目ビレイ点直下>

4P:25m 5.7 (U山・岩ひばり・Marトップ)
右上のピクナルを見て、草付きの凹角を右上する。ホールドもスタンスの岩も不安定、ふわふわとただ乗っている岩を落とさないよう登って行く。支点は、迷うくらいにあるが、見上げるとペツルのボルトがあり、ラインは、自然とドームの基部に向って行く。右上にロープのかかった終了点があるが、この足元のおおきな岩が明らかに浮いている。無理せずここは、足元のスタンスを避け、A0で抜けて、トラバース入口のペツルのボルトで終了。

<4P目 核心部をぬけた辺り>

5P:25m Ⅲ(F見・O石・Marトップ)
ドームの基部を右へトラバース。終了点は見えないが、途中、リングやハーケンの支点が幾つもあり、下さえ見なければ、恐怖心なく回り込んで基部の終了点に着く。

<中岳の事故負傷者を乗せた県警ヘリ>

6P:25m 5.9(U山、岩ひばり・Marトップ)
雲稜ルートメインのフリーライン。Marさんの‘ここは空身で、フリーで登った方が楽しい!の意見に同意。ラインは、左のフェイスから取り付き、かぶり気味に右上、ほぼ垂直にカンテを登り、最後の岩を乗っこすと終了点のペツルが見える。中間支点は、やはりペツルや古いリング、ハーケンなど、どこに取るか迷うくらいある。冬は、人工登攀になるからだろう。ホールドも今までより安定していて、やっぱり空身で良かった。途中、後ろを振り返ると、青空に赤岳から阿弥陀の山稜が一望、眼下は緑の絨毯だ。大同心の頂上は、終了点から10m位上がったところになる。

<6P目 取り付き 下のヌンチャクは5P目のもの>


<見た目は八ヶ岳の岩そのものだが・・・>








<頂上にて記念撮影>

下降:大同心の稜線を徒歩で下り、5m懸垂下降、50m懸垂下降の2回で、大同心基部に着く。回り込んで取り付きに到着し、ミッション完了!!
今回は、頂上から稜線を下ったが、前回は、直接ドームを懸垂下降、テラスから再度、50m懸垂下降し基部に戻った。

<大同心稜に向けて下る>

<大同心付近は高山植物が豊富>

<最初の懸垂支点>

<懸垂待ち>

<タイム>
6:50赤岳鉱泉発-8:00大同心基部スタート-12:30大同心頂上ゴール-14:30赤岳鉱泉着 *1組目 約3.5時間で、基部から頂上まで抜けた。
 
<装備>
1組:50mダブルロープ2本(または50mシングルロープ1本)、ヌンチャク5~7本、アルパインヌンチャク3~5本、スリング60~120㎝4~6本、カム(キャメ0.75~3.0)1式

以上


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