セントシュタイン三丁目

DQ9の二次創作(主にイザ女主小説)の、全くの個人的趣味なブログです。攻略の役には立ちません。悪しからずご了承ください。

終焉の竜と勇者とロール姫43

2019年06月18日 23時59分13秒 | クエスト184以降
収拾は必ず着けますちまちま追加クエストもどき。前回のあらすじ、伝説の勇者の鎧は、ミミたちに持ち出されることを選んだ・・・

 装備しない鎧を持って旅をするというのは、便利な「ふくろ」に馴れたミミたちにとっては少々手間ではあった。鎧は、何故かイザヤールに運ばれることを選んだ。
「私のことを気に入ってくれていたみたいなのに、どうして?」
 ミミが尋ねると、鎧はどうやら色男風とおぼしき声音で答えた。
「か弱い女の子に、重い荷物を持って旅なんてさせられないよ。キミのように華奢な綺麗な肩ならなおさらね」
「その点では私も同意件だ」
 鎧など軽々といった様子のイザヤールも言って、楽しげに笑った。
「もう、イザヤール様まで・・・。私がか弱くなんかないって一番ご存知のくせに」
 ミミは不満そうにほんの少し頬をふくらませたが、そこでちょっと忘れかけていたロール姫の声が懐の宝石から聞こえてきた。
『ごめんあそばせ、お父様と話があって、しばらく席を外しておりましたの。・・・ミミ様、先ほどから、イザヤール様の他にどなたとお話しされていらっしゃるの?』
「あ、ロール姫、実は・・・」
 ミミが伝説の勇者の鎧を「連れていく」ことになった顛末を話すと、姫は驚いたり喜んだりした。
『まあ!あなた方が勇者様の鎧を手に入れてくださったなんて!きっと勇者様にとっても大きな力になりますわ!』
 ロール姫の声を聞いて、鎧はでれでれした。
「これがウワサのお姫様の声?すっごいカワイイじゃんか!お城に行くの楽しみ~」
 幸か不幸か、鎧の声はロール姫には聞こえないようだった。と、そのとき、遥か向こうに長い壁のようなものが続いているのが見えてきた。城塞都市に近付いてきたのである。〈続く〉
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