短いですがイザ女主お花見話。ゆるりとイチャついております(笑)
月明かりに照らされた桜花が、仄白く闇夜に浮かぶ。そしてその花を咲かせる根本にも、桜花のように淡く白いものが座っていた。それは、滑らかに輝く白絹の衣装をまとうミミだった。ガウンのようだが長い袂と流れるような裾の、風変わりなデザインのこの衣装には、舞い散る桜の花びらだけが染め抜かれている。
ミミの傍らには、暗色のビロードのマントに身を包んだイザヤールが座っていて、目を細めて彼女を眺めていた。唇にはやわらかな笑みが浮かび、瞳は優しさとかすかに艶かしい熱を帯びている。山奥であるウォルロの春の夜はまだいくらか肌寒かったが、彼は自分の防寒の為にマントを着てきたのではなかった。
彼のそんな視線が嬉しくも気恥ずかしくて、照れ隠しにミミは顔を頭上の花の群に上向け、呟いた。
「やっぱり、ウォルロの桜も綺麗」
「そうだな」
今年は、例年にも増してたくさんの花見に付き合った。サンディたちと行った妖精界の桜に宿屋スタッフたちと行ったエラフィタの桜、セントシュタインの桜はもちろん、果てはユリシス女王が庭園に取り寄せた桜を国民共々楽しむという趣向にまで招かれた。すっかり恒例となったセントシュタイン城兵士たちとの花見では、酔っぱらった新人兵士が暴れてちょっとした騒ぎになったが、どの花見も楽しく陽気だった。だが、賑やかな花見はやはりゆっくりと花を愛でることは難しい。
だからという訳でもないが、こうして二人きりでウォルロの桜も見に来てしまった。欲張り過ぎかなと少し気が咎めるミミだったが、イザヤールが選んでくれた衣装を彼の為だけに着ることができて嬉しかった。
(でも・・・こんなに見つめてもらえると・・・嬉しいけれど、ちょっと恥ずかしい・・・)
それこそ頬を桜色に染めて、ミミは顔をうつむけ長い睫毛を伏せた。
「イザヤール様、桜は見ないの・・・?」
おずおずと尋ねると、イザヤールはほんの僅かに意地悪な笑みを浮かべて答えた。
「見ているぞ。とても綺麗な桜を」
彼の視線は、ミミのまとう衣装の桜模様に留められている。そしてその目線は、桜色の唇と頬に上ってくる。
「せっかくお花見に来たんだから、ほんとの桜を見て・・・」
桜色を通り越して薔薇色になった頬を押さえて、ミミはささやかな抵抗の言葉を呟いた。
「わかったわかった」
イザヤールは笑って、はらはらと舞い落ちる花びらを見つめた。それから彼は、手元の瓶の中身を一口飲んでから、ミミに渡した。夕食も済んだ後だったので、花見のお供は上質ではあるがこの酒ひと瓶だけ。だが、それがいいと二人は思った。グラスも無しに行儀悪く瓶から直で回し飲みすることに、少し艶かしい背徳感を覚えるのも、恋人たちならではかもしれない。
しばらく二人は、無言のまま花を眺め、瓶の受け渡しをした。やがて夜半になり月が傾いてきて、イザヤールの視線は再び彼の愛しい花に戻っていた。
「寒くはないか」
僅かに名残惜しそうな声で彼は尋ねた。敷物の上に落ちた花びらを眺めてうつむく為に露になるミミの綺麗な項を、白絹に包まれた艶かしい肢体を、膝下で割れる裾から覗くすらりとした脛を、いつまででも眺めていたかったが、寒い思いはさせたくなかった。
「少し・・・」
ミミは小さな嘘をついた。本当は寒くはない。でも・・・こう言うと。
イザヤールはビロードのマントをそっと脱いで、ミミにふわりとかけてくれた。彼のぬくもりが、優しく体を包む。とてもあたたかくて、幸せな気分になる。
「もっと・・・あたたかく、して・・・」
マントにくるまったまま寄り添ってくる彼女にイザヤールは微笑み、自分の膝の上に座らせて、優しく抱きしめた。もちろん、彼女の小さな嘘はわかっている。やがてビロードのマントはずり落ちて。花吹雪が二人に降り注いだ。〈了〉
月明かりに照らされた桜花が、仄白く闇夜に浮かぶ。そしてその花を咲かせる根本にも、桜花のように淡く白いものが座っていた。それは、滑らかに輝く白絹の衣装をまとうミミだった。ガウンのようだが長い袂と流れるような裾の、風変わりなデザインのこの衣装には、舞い散る桜の花びらだけが染め抜かれている。
ミミの傍らには、暗色のビロードのマントに身を包んだイザヤールが座っていて、目を細めて彼女を眺めていた。唇にはやわらかな笑みが浮かび、瞳は優しさとかすかに艶かしい熱を帯びている。山奥であるウォルロの春の夜はまだいくらか肌寒かったが、彼は自分の防寒の為にマントを着てきたのではなかった。
彼のそんな視線が嬉しくも気恥ずかしくて、照れ隠しにミミは顔を頭上の花の群に上向け、呟いた。
「やっぱり、ウォルロの桜も綺麗」
「そうだな」
今年は、例年にも増してたくさんの花見に付き合った。サンディたちと行った妖精界の桜に宿屋スタッフたちと行ったエラフィタの桜、セントシュタインの桜はもちろん、果てはユリシス女王が庭園に取り寄せた桜を国民共々楽しむという趣向にまで招かれた。すっかり恒例となったセントシュタイン城兵士たちとの花見では、酔っぱらった新人兵士が暴れてちょっとした騒ぎになったが、どの花見も楽しく陽気だった。だが、賑やかな花見はやはりゆっくりと花を愛でることは難しい。
だからという訳でもないが、こうして二人きりでウォルロの桜も見に来てしまった。欲張り過ぎかなと少し気が咎めるミミだったが、イザヤールが選んでくれた衣装を彼の為だけに着ることができて嬉しかった。
(でも・・・こんなに見つめてもらえると・・・嬉しいけれど、ちょっと恥ずかしい・・・)
それこそ頬を桜色に染めて、ミミは顔をうつむけ長い睫毛を伏せた。
「イザヤール様、桜は見ないの・・・?」
おずおずと尋ねると、イザヤールはほんの僅かに意地悪な笑みを浮かべて答えた。
「見ているぞ。とても綺麗な桜を」
彼の視線は、ミミのまとう衣装の桜模様に留められている。そしてその目線は、桜色の唇と頬に上ってくる。
「せっかくお花見に来たんだから、ほんとの桜を見て・・・」
桜色を通り越して薔薇色になった頬を押さえて、ミミはささやかな抵抗の言葉を呟いた。
「わかったわかった」
イザヤールは笑って、はらはらと舞い落ちる花びらを見つめた。それから彼は、手元の瓶の中身を一口飲んでから、ミミに渡した。夕食も済んだ後だったので、花見のお供は上質ではあるがこの酒ひと瓶だけ。だが、それがいいと二人は思った。グラスも無しに行儀悪く瓶から直で回し飲みすることに、少し艶かしい背徳感を覚えるのも、恋人たちならではかもしれない。
しばらく二人は、無言のまま花を眺め、瓶の受け渡しをした。やがて夜半になり月が傾いてきて、イザヤールの視線は再び彼の愛しい花に戻っていた。
「寒くはないか」
僅かに名残惜しそうな声で彼は尋ねた。敷物の上に落ちた花びらを眺めてうつむく為に露になるミミの綺麗な項を、白絹に包まれた艶かしい肢体を、膝下で割れる裾から覗くすらりとした脛を、いつまででも眺めていたかったが、寒い思いはさせたくなかった。
「少し・・・」
ミミは小さな嘘をついた。本当は寒くはない。でも・・・こう言うと。
イザヤールはビロードのマントをそっと脱いで、ミミにふわりとかけてくれた。彼のぬくもりが、優しく体を包む。とてもあたたかくて、幸せな気分になる。
「もっと・・・あたたかく、して・・・」
マントにくるまったまま寄り添ってくる彼女にイザヤールは微笑み、自分の膝の上に座らせて、優しく抱きしめた。もちろん、彼女の小さな嘘はわかっている。やがてビロードのマントはずり落ちて。花吹雪が二人に降り注いだ。〈了〉
ほら、今年受験生の…。アリア達のパーティー話をちょこちょこ書いていたAriaです。
相変わらずのいちゃいちゃですねぇ…。
こちらAriaがいる地域では、桜はまだ咲いてないです。いいなぁ、そっち…。
そうそう、ちょっと気になるコトが。
Wi-Fiコネクションのサービス、5月で終わりという噂があるのですが…。
どうしよ、私まだ追加クエストもらってないです(汗
本当なんでしょうか…?
ではでは、次回も期待します♪
こんばんは☆もちろんしっかり覚えておりますですよ♪ようこそまたお立ち寄りくださいました☆相変わらずの芸風の当サイトです(笑)
Aria様のお住まいの方では桜はこれからでいらっしゃるのですね、ではこれから楽しみが待っていらしていいですね♪南関東は早くも桜が散り始めておりまして寂しいです。毎年桜祭りが花が終わった頃に開催になるという残念な津久井の地元(涙)
えええ、ついに終わってしまうのかもですかWi-Fiのサービス?!それはピンチ!確かマク○ナルドなどWi-Fiダウンロードのある店で配信は入手できると思います☆
あと追加クエストは、最悪天使のとびらのマルチプレイでも入手可ですので、DQ9お持ちのお友達に巡り会えることを祈ってます!おうえん!