今週も力尽きにより土曜日更新泣の追加クエストもどき。読みづらくて申し訳ないですが、ランプの魔神ならぬランプのマシン系が登場し喋りまくります。このランプは、女神の果実よりは願い事叶え度がマシなのか、それとも・・・?そして足るを知っているリア充って、願い事があんまり無いだろうなと思う今日この頃。当サイトイザ女主は大切な人たちと日々楽しく暮らしていることで充分なようです。
今日も海水浴場のパトロールをしていたミミは、砂の中に何かが埋もれているのを見つけた。
「なあに、ミミ、もしかしてお宝?」
日サロに行かずして日焼けしようとくっついてきたサンディが尋ねた。
「う〜ん、宝箱ではないみたい。固い物だけれど」
海岸に落ちている危険物やゴミを片付けるのもパトロールの仕事の一環である。金属片や壊れた木材などで子供が怪我をしてはたいへんと、ミミは砂をどけてそれが何かを確認することにした。
掘り出してみると、それは長いこと浜に埋まっていたのか海を漂っていたのか、元の色がわからないくらい黒ずみ砂まみれだったが、どうやら金属でできたランプのようだった。グビアナ風の、蓋付きのポットに油を入れておいて、注ぎ口的な部分に火を灯すあのタイプである。模様の代わりに、不思議な記号のような文字が蓋の縁にぐるりと刻まれていて、古代文字も読めるミミでも、何が書いてあるのかよくわからなかった。
「なんかボロっちいわね〜」
「誰かがキャンプに使って忘れたのかな?」
とりあえず忘れ物などを管理する詰め所に届けようと、ミミはそのランプらしき物を拾い上げた。いわゆる通常イメージされるような大きさなのだが、大きさの割に妙にずしりと重い。その辺の武器より重そうで、ミミは戸惑った。持てなくはないが、本当に重いのだ。
砂でも詰まっているのかなと、ミミは蓋を開けてみようとしたが、潮風で錆び付いてしまったのか、蓋は開かない。振ってみても、穴から砂が落ちる様子も無い。どうせなら、磨いたり修理したりしてみようかなと彼女は考えた。磨いて表面の文字が更に解れば、持ち主の手掛かりに繋がるかもしれないとも思ったのだ。
「え〜わざわざ持って帰ってキレイにするって?ホントにアンタも物好きよね〜」
サンディは呆れたが、とにかくミミは詰め所のセントシュタイン城兵にそのような特徴のランプらしき物を拾ったことを報告し、持ち主らしき人が現れたらリッカの宿屋で預かっていると伝えてくれるように頼んで、海水浴場を後にした。
リッカの宿屋に戻ると、ルイーダの酒場の番をしていたイザヤールが、笑顔で出迎えた。
「おかえり、ミミ。暑かっただろう、すぐにミントクーラーでも作るからな」
「ただいま、イザヤール様♪ありがとう♪」
「あのね〜イザヤールさん、アタシも居るんですケド〜。アタシにはマンゴージュースちょーだい!」
「わかったわかった」
ミミは嬉しくなってにこにこしながらカウンター前に腰かけた。そのとき、ミミが大切そうに抱えている物に気付いたイザヤールは、シェイカーに氷を入れながら尋ねた。
「おや、それは?」
ミミは海岸でこれを拾ったこと、手掛かりの為に汚れを落としたり修理してみるつもりなことを話した。その間にイザヤールは冷たい飲み物を用意してくれて、ルイーダが帰ってきたら自分も手伝いに合流すると約束した。
砂や錆が落ちそうなので、土間のある作業部屋の一角を借りてミミはまずランプを磨いてみた。金属磨き用の布で優しく拭くと、黒ずみはみるみる落ちて、美しい銀色の光沢が現れた。なんだかメタルボディを構成する金属に似ている。
と、そのときだった。ランプからもくもくと煙が吹き出し、ランプの魔神が現れた!・・・のではなく、何故かランプが派手な音を立てて変形を始めた!まるでキラーマシンやメタルハンターが立てるような音だ。ミミとサンディが呆気にとられている間に、ランプは小さなマシン系モンスターのような姿になってしまった!異世界に居ると言われるキラーマジンガというマシン系の魔物に似ている。ただし、子供のおもちゃのように小さかったが。そして、その謎の小さなマシンは、ミミに向かって喋り始めた。
「アナタガ、ゴ主人様デスネ。ドウゾ願イ事ヲオ申シ付ケクダサイ」
「え?ええ?」
ミミは長い睫毛をぱちくりさせて戸惑った。ランプの中から魔神が出てくるお話は聞いたことがあったが、ランプがマシンになるという展開は、想像しうる範囲を遥かに越えていたのだ。
「ワタシハアナタ様ノシモベデス。ドウゾ願イ事ヲ」
「あ、あの、私・・・あなたを雇った覚えはさっぱり無いんだけど・・・」
「らんぷヲ磨イテクダサッタデショウ。ワタシハ、らんぷノ手入レヲシタ方ノ願イ事ヲ叶エルヨウぷろぐらみんぐサレテイルノデス」
プログラミングということは、誰かが作ったってことかな?と考えながら、ミミは答えた。
「でも、私、特にお願い事無いし・・・」
「ソンナコトヲオッシャラズニー!ワタシハ、変形シタ後ニ、願イ事ヲ叶エラレナイト、自爆スルしすてむナンデスー!」
「え・・・ええー!」
「ものすごく迷惑なシステムなんですケド!」成り行きについていけず呆然としていたサンディが、ようやくツッコミを入れた。「なんでもいいからミミ、願い事しちゃいなよ!」
「え・・・ええ〜、うん・・・」
ミミはクエスト「ランプのマシン」を引き受けた!
願い事願い事、と焦ったミミは、プチパニックになって思わず口走ってしまった。
「どうしよう・・・。イザヤール様、早く来て・・・」
「ハイ、承リマシタ、ソノ願イ叶エマス!」
「え・・・ちょっと待っ・・・」
しかしミミが止める前にマシンは床に生き物を召喚する魔法陣を描き、イザヤールを呼び出してしまった。
「うおっ?!なんだ、どうなっているんだ?!」
カウンターに居た筈なのにと呆然とするイザヤール。
「コレデ、トリアエズ自爆もーどハ解除サレマシタ。シカシ、アト二回願イ事ヲ叶エナイト、ニ十四時間後再ビ自爆もーどガ発動イタシマス」
「合計三回の願い事を叶える必要があるのね・・・」
「やっぱり超はた迷惑なシステムなんですケド!」
「・・・いったい何の話だ?何がどうなっているんだ?」
「あ、イザヤール様、あのね・・・」
ミミに事情を説明されて、イザヤールはようやく合点がいった。
「そういうことだったのか。しかし、誰が何の為にこんな危険な代物を・・・」
すると、マシンはちょこんとミミの肩に乗って話し始めた。
「ゴ迷惑ハゴ容赦クダサイ。ワタシヲ作ッタノハ、数百年前ニ生キタトアル学者デス。シカシ彼ハ、アル帝国ニ協力シテ、殺戮ましんノ開発ノ手助ケヲシテシマイマシタ・・・。ソレヲ悔イタ彼ハ、帝国カラ逃ゲ出シタ後、罪滅ボシノ為、人ノ幸セヲ手助ケスルましんノ開発ヲシ、ワタシヲ作ッタトイウワケデス」
それなら自爆機能なんて付けなければいいのに、と一同思ったが、ミミはそれよりある帝国の方が気になった。それはガナン帝国のことなのだろうか。
「マアソンナコトヨリ、ゴ主人様、次ノ願イ事ヲ」
「願い事を三つ叶えるとあなたはどうなるの?」
「マタらんぷノ形ニ戻ッテ何処カヘわーぷシ、次ノ主ヲ待チマス」
「そうなんだ、じゃあずっとしまっておくということもできないのね・・・。ねえ、じゃあ、二つ目の願いは、『あなたの自爆機能が解除されますように』っていうのはどう?」
「ナンテオ優シイ!・・・シカシ残念ナガラ、自分ノ為ニハ使エナイヨウニぷろぐらみんぐサレテイルノデス・・・」
「そもそもさ〜、アンタはどんな願いなら叶えられるワケ?」ジト目でマシンを見ながらサンディは言った。「綺麗になりたいとかリッチになりたいとかいう願いを、機械のアンタがどうやって叶えんのヨ?」
「美貌ニ関シテハ、ワタシニ内蔵サレテイルれーざートアラユル種類ノオプション機能を使ッテドンナ不細工モ絶世ノ美貌ニ・・・」
「整形かー!」
「ソシテ富ハごるすら狩リニ行ケバ、スグニ誰デモ富豪ニスルコトガ・・・」
「やっぱりゴルスラ頼みなワケ!?」
「じゃあ世界平和とかを願ったら?」
ミミが聞いてみると、マシンは機械のくせにどこか悲壮感漂う音声で答えた。
「魔王ヲ倒ストカデシタラ、オ引キ受ケシマス。勝テルカハワカリマセンガ」
おそらく勝てそうになかったら自爆するのだろう。なんとも悲痛である。
「あなたの自爆モードを解除する方法は無いの?」
ミミは悲しげに尋ねた。
「無クハ無イノデスガ・・・。ふぁいなるうえぽんトイウましん系もんすたーガゴクマレニ落トスコトガアル基盤ヲ使エバ、或ハ・・・」
「そうなの?じゃあ私、ファイナルウエポンと戦ってくるわ」ミミは言って、装備袋を持ってきて、装備をロトセットの本気仕様に変えた。
「よし、ついでだ、私も行こう」イザヤールも、おしゃれなベストその他からしんわのよろいその他にチェンジした。
「イザヤールさん、店番はいいの?」とサンディ。
「あ。・・・まあリッカも居るし、ラヴィエルがどうにかするだろう」
その頃ルイーダの酒場のカウンターでは、店番がいきなり消えて、しかも名簿帳の必要なページが勝手に開かれているという状態になっていて(ラヴィエルがめくってやっているのだが)、ホラー現象と騒ぎになっていたという。
「大丈夫かなあ・・・。でもありがとう、イザヤール様☆じゃあ二つ目のお願いね、ファイナルウエポンの居る場所まで連れていって」
「カシコマリマシタ」
マシンはミミたちを連れてワープした!すると、ファイナルウエポンが何体も歩き回っているフロアにいきなりたどり着いた。
ファイナルウエポンはミミとイザヤールを見ると襲いかかってきたが、ギガスラッシュやらギガブレイクやらの猛攻を繰り返しくらっては、感電して逃げていった。そんなことを続けているうちに、一体のファイナルウエポンが何かを落とした!ミミはマシンの基盤を手に入れた!
一同はダンジョンからまたリッカの宿屋の作業部屋に戻り、マシンは基盤を調べた。結果は良好なようで、弾んだ音声を出した。
「オオ、コレデ自爆もーど解除デキソウデス!アリガトウゴザイマス!」
マシンは自分でボディのパネルを開け、基盤をはめ込み、腕から工具パーツを出してあっという間に固定させた。
「コレデ爆発スルコトハナクナリマシタガ、ゴ主人様、三ツ目ノ願イ事ヲドウゾ」
「う〜ん、最後の一つだから、ちょっとゆっくり考えたいな」
「ミミ、どうせなら超キュートなドレスとか、アクセとか、行列スイーツとか頼んじゃえば?」
「そうね、サンディが欲しいものを頼んでもいいよ」
「マジで?!やった〜!じゃあ今のと同じデザインのアタシの服一式作って!」
「それなら私でも作れるから却下するの」
「え〜。ま、そりゃそーか。じゃあイザヤールさんの願い事を叶えたげたら?」
「私も特に無いな、今充分以上に幸せすぎる。・・・そうだ、兄をおちょくる妹の性格は直せるか?」
「脳改造ヲホドコセバオ安イゴ用デス」じゃきん、と腕のパーツをメスに変えるマシン。
「いや、やっぱりいい・・・」
結局ミミは、みんなに差し入れするスイーツを三つ目の願いに選び、するとマシンは、評判のスイーツ店に普通に買いに行った。「買いに行くんかい!」思わずツッコミに走るサンディ。そしてマシンは、ミミの願い事を三つ叶えたので、どこかにワープしていった。
行列のできるスイーツ店の差し入れにリッカたちははしゃいで、イザヤールが留守にした件はうやむやになった。ミミは後ほどリッカたちに、引き受けたクエストの為にこうなったと事情をきちんと説明したが。
「そんなマシンが居たの?うちのスタッフになってもらえたら、小さなお子さんのお客様が喜びそう♪」
「さすがリッカ・・・願い事、それにすればよかったかな?」
ミミはふと、「もう会えない人に会いたい」と願ったらどうなったろう、とも考えたが、星空にいきなりワープさせられたかもしれないな、と思い、小さく笑った。そして、願いの叶えかたは微妙だけど、楽しかったから、あのマシンにまた会えるといいな、とも思った。〈了〉
今日も海水浴場のパトロールをしていたミミは、砂の中に何かが埋もれているのを見つけた。
「なあに、ミミ、もしかしてお宝?」
日サロに行かずして日焼けしようとくっついてきたサンディが尋ねた。
「う〜ん、宝箱ではないみたい。固い物だけれど」
海岸に落ちている危険物やゴミを片付けるのもパトロールの仕事の一環である。金属片や壊れた木材などで子供が怪我をしてはたいへんと、ミミは砂をどけてそれが何かを確認することにした。
掘り出してみると、それは長いこと浜に埋まっていたのか海を漂っていたのか、元の色がわからないくらい黒ずみ砂まみれだったが、どうやら金属でできたランプのようだった。グビアナ風の、蓋付きのポットに油を入れておいて、注ぎ口的な部分に火を灯すあのタイプである。模様の代わりに、不思議な記号のような文字が蓋の縁にぐるりと刻まれていて、古代文字も読めるミミでも、何が書いてあるのかよくわからなかった。
「なんかボロっちいわね〜」
「誰かがキャンプに使って忘れたのかな?」
とりあえず忘れ物などを管理する詰め所に届けようと、ミミはそのランプらしき物を拾い上げた。いわゆる通常イメージされるような大きさなのだが、大きさの割に妙にずしりと重い。その辺の武器より重そうで、ミミは戸惑った。持てなくはないが、本当に重いのだ。
砂でも詰まっているのかなと、ミミは蓋を開けてみようとしたが、潮風で錆び付いてしまったのか、蓋は開かない。振ってみても、穴から砂が落ちる様子も無い。どうせなら、磨いたり修理したりしてみようかなと彼女は考えた。磨いて表面の文字が更に解れば、持ち主の手掛かりに繋がるかもしれないとも思ったのだ。
「え〜わざわざ持って帰ってキレイにするって?ホントにアンタも物好きよね〜」
サンディは呆れたが、とにかくミミは詰め所のセントシュタイン城兵にそのような特徴のランプらしき物を拾ったことを報告し、持ち主らしき人が現れたらリッカの宿屋で預かっていると伝えてくれるように頼んで、海水浴場を後にした。
リッカの宿屋に戻ると、ルイーダの酒場の番をしていたイザヤールが、笑顔で出迎えた。
「おかえり、ミミ。暑かっただろう、すぐにミントクーラーでも作るからな」
「ただいま、イザヤール様♪ありがとう♪」
「あのね〜イザヤールさん、アタシも居るんですケド〜。アタシにはマンゴージュースちょーだい!」
「わかったわかった」
ミミは嬉しくなってにこにこしながらカウンター前に腰かけた。そのとき、ミミが大切そうに抱えている物に気付いたイザヤールは、シェイカーに氷を入れながら尋ねた。
「おや、それは?」
ミミは海岸でこれを拾ったこと、手掛かりの為に汚れを落としたり修理してみるつもりなことを話した。その間にイザヤールは冷たい飲み物を用意してくれて、ルイーダが帰ってきたら自分も手伝いに合流すると約束した。
砂や錆が落ちそうなので、土間のある作業部屋の一角を借りてミミはまずランプを磨いてみた。金属磨き用の布で優しく拭くと、黒ずみはみるみる落ちて、美しい銀色の光沢が現れた。なんだかメタルボディを構成する金属に似ている。
と、そのときだった。ランプからもくもくと煙が吹き出し、ランプの魔神が現れた!・・・のではなく、何故かランプが派手な音を立てて変形を始めた!まるでキラーマシンやメタルハンターが立てるような音だ。ミミとサンディが呆気にとられている間に、ランプは小さなマシン系モンスターのような姿になってしまった!異世界に居ると言われるキラーマジンガというマシン系の魔物に似ている。ただし、子供のおもちゃのように小さかったが。そして、その謎の小さなマシンは、ミミに向かって喋り始めた。
「アナタガ、ゴ主人様デスネ。ドウゾ願イ事ヲオ申シ付ケクダサイ」
「え?ええ?」
ミミは長い睫毛をぱちくりさせて戸惑った。ランプの中から魔神が出てくるお話は聞いたことがあったが、ランプがマシンになるという展開は、想像しうる範囲を遥かに越えていたのだ。
「ワタシハアナタ様ノシモベデス。ドウゾ願イ事ヲ」
「あ、あの、私・・・あなたを雇った覚えはさっぱり無いんだけど・・・」
「らんぷヲ磨イテクダサッタデショウ。ワタシハ、らんぷノ手入レヲシタ方ノ願イ事ヲ叶エルヨウぷろぐらみんぐサレテイルノデス」
プログラミングということは、誰かが作ったってことかな?と考えながら、ミミは答えた。
「でも、私、特にお願い事無いし・・・」
「ソンナコトヲオッシャラズニー!ワタシハ、変形シタ後ニ、願イ事ヲ叶エラレナイト、自爆スルしすてむナンデスー!」
「え・・・ええー!」
「ものすごく迷惑なシステムなんですケド!」成り行きについていけず呆然としていたサンディが、ようやくツッコミを入れた。「なんでもいいからミミ、願い事しちゃいなよ!」
「え・・・ええ〜、うん・・・」
ミミはクエスト「ランプのマシン」を引き受けた!
願い事願い事、と焦ったミミは、プチパニックになって思わず口走ってしまった。
「どうしよう・・・。イザヤール様、早く来て・・・」
「ハイ、承リマシタ、ソノ願イ叶エマス!」
「え・・・ちょっと待っ・・・」
しかしミミが止める前にマシンは床に生き物を召喚する魔法陣を描き、イザヤールを呼び出してしまった。
「うおっ?!なんだ、どうなっているんだ?!」
カウンターに居た筈なのにと呆然とするイザヤール。
「コレデ、トリアエズ自爆もーどハ解除サレマシタ。シカシ、アト二回願イ事ヲ叶エナイト、ニ十四時間後再ビ自爆もーどガ発動イタシマス」
「合計三回の願い事を叶える必要があるのね・・・」
「やっぱり超はた迷惑なシステムなんですケド!」
「・・・いったい何の話だ?何がどうなっているんだ?」
「あ、イザヤール様、あのね・・・」
ミミに事情を説明されて、イザヤールはようやく合点がいった。
「そういうことだったのか。しかし、誰が何の為にこんな危険な代物を・・・」
すると、マシンはちょこんとミミの肩に乗って話し始めた。
「ゴ迷惑ハゴ容赦クダサイ。ワタシヲ作ッタノハ、数百年前ニ生キタトアル学者デス。シカシ彼ハ、アル帝国ニ協力シテ、殺戮ましんノ開発ノ手助ケヲシテシマイマシタ・・・。ソレヲ悔イタ彼ハ、帝国カラ逃ゲ出シタ後、罪滅ボシノ為、人ノ幸セヲ手助ケスルましんノ開発ヲシ、ワタシヲ作ッタトイウワケデス」
それなら自爆機能なんて付けなければいいのに、と一同思ったが、ミミはそれよりある帝国の方が気になった。それはガナン帝国のことなのだろうか。
「マアソンナコトヨリ、ゴ主人様、次ノ願イ事ヲ」
「願い事を三つ叶えるとあなたはどうなるの?」
「マタらんぷノ形ニ戻ッテ何処カヘわーぷシ、次ノ主ヲ待チマス」
「そうなんだ、じゃあずっとしまっておくということもできないのね・・・。ねえ、じゃあ、二つ目の願いは、『あなたの自爆機能が解除されますように』っていうのはどう?」
「ナンテオ優シイ!・・・シカシ残念ナガラ、自分ノ為ニハ使エナイヨウニぷろぐらみんぐサレテイルノデス・・・」
「そもそもさ〜、アンタはどんな願いなら叶えられるワケ?」ジト目でマシンを見ながらサンディは言った。「綺麗になりたいとかリッチになりたいとかいう願いを、機械のアンタがどうやって叶えんのヨ?」
「美貌ニ関シテハ、ワタシニ内蔵サレテイルれーざートアラユル種類ノオプション機能を使ッテドンナ不細工モ絶世ノ美貌ニ・・・」
「整形かー!」
「ソシテ富ハごるすら狩リニ行ケバ、スグニ誰デモ富豪ニスルコトガ・・・」
「やっぱりゴルスラ頼みなワケ!?」
「じゃあ世界平和とかを願ったら?」
ミミが聞いてみると、マシンは機械のくせにどこか悲壮感漂う音声で答えた。
「魔王ヲ倒ストカデシタラ、オ引キ受ケシマス。勝テルカハワカリマセンガ」
おそらく勝てそうになかったら自爆するのだろう。なんとも悲痛である。
「あなたの自爆モードを解除する方法は無いの?」
ミミは悲しげに尋ねた。
「無クハ無イノデスガ・・・。ふぁいなるうえぽんトイウましん系もんすたーガゴクマレニ落トスコトガアル基盤ヲ使エバ、或ハ・・・」
「そうなの?じゃあ私、ファイナルウエポンと戦ってくるわ」ミミは言って、装備袋を持ってきて、装備をロトセットの本気仕様に変えた。
「よし、ついでだ、私も行こう」イザヤールも、おしゃれなベストその他からしんわのよろいその他にチェンジした。
「イザヤールさん、店番はいいの?」とサンディ。
「あ。・・・まあリッカも居るし、ラヴィエルがどうにかするだろう」
その頃ルイーダの酒場のカウンターでは、店番がいきなり消えて、しかも名簿帳の必要なページが勝手に開かれているという状態になっていて(ラヴィエルがめくってやっているのだが)、ホラー現象と騒ぎになっていたという。
「大丈夫かなあ・・・。でもありがとう、イザヤール様☆じゃあ二つ目のお願いね、ファイナルウエポンの居る場所まで連れていって」
「カシコマリマシタ」
マシンはミミたちを連れてワープした!すると、ファイナルウエポンが何体も歩き回っているフロアにいきなりたどり着いた。
ファイナルウエポンはミミとイザヤールを見ると襲いかかってきたが、ギガスラッシュやらギガブレイクやらの猛攻を繰り返しくらっては、感電して逃げていった。そんなことを続けているうちに、一体のファイナルウエポンが何かを落とした!ミミはマシンの基盤を手に入れた!
一同はダンジョンからまたリッカの宿屋の作業部屋に戻り、マシンは基盤を調べた。結果は良好なようで、弾んだ音声を出した。
「オオ、コレデ自爆もーど解除デキソウデス!アリガトウゴザイマス!」
マシンは自分でボディのパネルを開け、基盤をはめ込み、腕から工具パーツを出してあっという間に固定させた。
「コレデ爆発スルコトハナクナリマシタガ、ゴ主人様、三ツ目ノ願イ事ヲドウゾ」
「う〜ん、最後の一つだから、ちょっとゆっくり考えたいな」
「ミミ、どうせなら超キュートなドレスとか、アクセとか、行列スイーツとか頼んじゃえば?」
「そうね、サンディが欲しいものを頼んでもいいよ」
「マジで?!やった〜!じゃあ今のと同じデザインのアタシの服一式作って!」
「それなら私でも作れるから却下するの」
「え〜。ま、そりゃそーか。じゃあイザヤールさんの願い事を叶えたげたら?」
「私も特に無いな、今充分以上に幸せすぎる。・・・そうだ、兄をおちょくる妹の性格は直せるか?」
「脳改造ヲホドコセバオ安イゴ用デス」じゃきん、と腕のパーツをメスに変えるマシン。
「いや、やっぱりいい・・・」
結局ミミは、みんなに差し入れするスイーツを三つ目の願いに選び、するとマシンは、評判のスイーツ店に普通に買いに行った。「買いに行くんかい!」思わずツッコミに走るサンディ。そしてマシンは、ミミの願い事を三つ叶えたので、どこかにワープしていった。
行列のできるスイーツ店の差し入れにリッカたちははしゃいで、イザヤールが留守にした件はうやむやになった。ミミは後ほどリッカたちに、引き受けたクエストの為にこうなったと事情をきちんと説明したが。
「そんなマシンが居たの?うちのスタッフになってもらえたら、小さなお子さんのお客様が喜びそう♪」
「さすがリッカ・・・願い事、それにすればよかったかな?」
ミミはふと、「もう会えない人に会いたい」と願ったらどうなったろう、とも考えたが、星空にいきなりワープさせられたかもしれないな、と思い、小さく笑った。そして、願いの叶えかたは微妙だけど、楽しかったから、あのマシンにまた会えるといいな、とも思った。〈了〉
ってお菓子買いに行くのか!
そして改造手術は天使に通用するのか?
リリン達がランプを拾ったら?
リリン「ランプのマシーンねぇ?宿の前の広場に大きなプールでも出して貰おうかしら」
ランプ「カシコマリマシタ御主人サマ」
カンカンカン!ギュイィィン!ザパーッ
リリ「なかなか素敵じゃない。」
ククール「リリンを俺のものにしてくれ」
ランプ「横取リスレバイイノデス。
クク「横取りだな?…よし!」
シェルル「よし!じゃな〜い!イザやんに付き纏われない様にして!」
ランプ「…ソレハ無理デゴサイマス」
シェ「なんでだよ!?
その後、適当な願いを二つ叶えてもらい、ランプは何処かへ去っていった…そして数日後
リッカ「早くプール掃除しなさい!
イザやん「なんでプールがあるんだ〜(泣
いらっしゃいませこんにちは☆
欲が無いというか自力で大概の物は獲得可能故かもです。片想いの頃なら恋愛成就を願おうとしてやっぱり他力本願は良くないと悩みそうですが。
サンディは間違いなくクローゼットに同じような服が並んでいるタイプだと思っています。10でも似たような服だったんですね・・・。「はあ?ドレープ具合が違えば全然違うんですケド!」
菓子店の行列にきちんと並ぶ小さなキラーマジンガ風マシン・・・普通に流す城下町の人々(笑)
そして有効以前に脳改造する前にラヴィエルさんに壊されると思います。
プールはステキですが、横取りアドバイスをするとは酷い(笑)そして高性能マシンでも無理だったつきまとい行為防止・・・何故なんでしょうww
リッカ、勝手にプールを作ったことは怒らないんですね、むしろ集客アップ?!天使の泉もいいけど夏はやっぱり屋外プールだよね!ってことですね☆