セントシュタイン三丁目

DQ9の二次創作(主にイザ女主小説)の、全くの個人的趣味なブログです。攻略の役には立ちません。悪しからずご了承ください。

終焉の竜と勇者とロール姫60

2019年08月09日 23時58分17秒 | クエスト184以降
ようやっとちょっと書けましたちまちま連載追加クエストもどき。これでも少しずつ伏線回収とかやっている・・・筈・・・。前回のあらすじ、ゴーレムは無事に直り、城塞の町に平和が訪れた・・・

 ロール姫に頼まれた菓子が出来上がるのを待つ間、ミミとイザヤールは町の南にある沼地に行ってみることにした。町長の家で見た古文書の記述で、そこに伝説の勇者にまつわる何かがあるらしいとわかったからである。
 沼地は地図によると、位置的には町のまっすぐ南だが、高い山脈で遮られているので、この町に来た時に通った二つ前の橋まで戻り、ぐるりと回り込まなければならない。北側を通る別のルートもあるにはあるが、そちらは更に回り道なので論外だった。
「でも、王家の者の声が導くって、どういうことでしょう?」ミミが首を傾げた。「ロール姫、何かご存知ではありませんか?」
『そうですわね・・・我が城の古文書にも何かヒントがあるかもしれません。さっそく探させてみますわ。その間にお二人は、町でゆっくりされていらしては如何?』
「それもいいんですけれど、まだ日も高いことですし、とりあえず沼地の手前まで行ってみます」ミミは答えた。
『わかりました。お二人とも、お気を付けて』
 ミミはロール姫の声を聞くことができる宝石をしまうと、イザヤールと共に町の外に出た。
 ゴーレムは、二人が通ってももはや襲いかかることもなく、むしろ片言の言葉で話しかけてきた。
「オマエタチ・・・オレタスケテクレタ。アリガト、アリガトウ・・・」
「あなたが無事に直ってよかった。ちょっとお出かけしてくるから、帰ってきたらまた町の中に入れてくれる?」
「モチロン。オマエタチ、イイヤツ。オレ、オマエタチ、スキ」
 そしてゴーレムは、近くにあった花を一輪、その巨大な指で驚くほど繊細に摘んで、ミミに差し出した。
「綺麗なお花。ありがとう」
 ミミはにっこり微笑んで花を受け取り、髪に挿した。イザヤールは苦笑しながらも楽しげに言った。
「やれやれ、またライバルの出現か。だが、ミミ、よく似合っているぞ」
「ライバル?だってゴーレムさん、イザヤール様のことも好きって言ってたよ?」
 ミミの天然な返答にイザヤールは愉快そうに笑い、そして二人は、ゴーレムに見送られながら、南の沼地を目指し歩き始めた。〈続く〉
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