天使界時代の習慣を指摘されて思いがけずあたふたするイザ女主。常識って各ご家庭や人によって違うから気を付けようね〜というお話です、たぶん(笑)
今日はリッカたちと冒険してきたミミは、リッカの宿屋に帰ってくると、イザヤールが番をしてくれているカウンターに駆け寄り、輝くような笑顔で言った。
「イザヤール様、ただいま戻りました」
「おかえり、ミミ」
イザヤールも辺りを暖かくするような優しい笑みを浮かべて出迎え、カウンター越しに手を伸ばして、ミミの淡い薔薇色の頬に指先で触れて優しくなでた。抱き合うなどのあからさまな感じは無いが、優しい情愛が籠っていることがよくわかるしぐさである。ミミも、濃い紫の瞳を更に輝かせて、劣らぬ情愛の籠った眼差しで愛しい者を見つめた。
引き継ぎ等が終わってようやく落ち着いたところで、二人の様子をニヤニヤ眺めていたサンディが尋ねた。
「ねーねーイザヤールさん、いつ頃から、そんな風にミミのほっぺたなでなでするよーになったワケ?やっぱつきあいだしてから?」
「うん?」イザヤールはきょとんとした。「これは、ミミが弟子だった頃からやっていたが?」
「うん、褒めてくれるときとかになでなでしてくれるとき、頭だったり髪だったりほっぺただったりしたけど?」ミミも一緒にきょとんとして言った。
「え、マジでー!ウケるー!」
サンディが笑いだしたので、イザヤールはますます怪訝そうな顔をし、ミミはおろおろし始めた。
「何か問題でも?」
「え・・・なんか変?」
「だってさー、そんな風に優し〜くほっぺたなでなでしてて、お互い好きって気付かないって、マジありえないっつーか☆」
「そ、そうなのか?!」イザヤールはうろたえた。「いや、オムイ様や人間の年寄りたちが、幼い見習い天使や孫たちにやっているしぐさだから、てっきり、褒めたり親愛を伝えるのにいいかと思っていた・・・」
「え、ええっ・・・」ミミも更にあたふたした。「私も、てっきり頭なでなでと同じ意味だって思ってたから・・・」
「じゃあイザヤールさん、ミミ以外の見習い天使たちにもやってたワケ?」
「いや。ミミ以外は、頭もなでたりしたことは無いな。・・・ミミ、もしかして、いやだったりしたか?」
「そんなことなかったです・・・!」ミミはぽうと頬を染めた。「ただ、頭をなでられるよりもっとドキドキしちゃって・・・私、おかしいのかもって悩んでたりしてたの・・・」
「そ・・・そうか・・・」イザヤールも照れくさそうな切なそうな顔になった。「私も、おまえに触れる度に、喜びと痛みを覚えて・・・ただ純粋に褒めるべき時に背徳的な想いを抱く己の弱さに、腹が立ったりしていた・・・」
「つーか気付くデショ、フツー!ミミは全然嫌がってなかったんだし、イザヤールさんは他の子には全然やってなかったんだし!」
サンディが呆れて更に笑いながら言った。
「だって、イザヤール様、お師匠様として特別に褒めてくれているんだと思ってたから・・・」
「私も、ミミはいい子だから師匠の賞賛を素直に受け入れているのだと思っていたからな・・・」
「ホントにお互いニブすぎ〜!アンタら、たぶんその様子を誰かに見られてたら、絶対バレてたと思うわ〜」
「あ・・・アウトだったの?」
「ギリギリアウトか?」
「ギリギリどころじゃないって!」
それを聞いてミミは蒼ざめたり赤くなったりし、イザヤールは、人前では頭をなでるところまでしか見せていなかった幸運をしみじみ思い知ったのだった。〈了〉
今日はリッカたちと冒険してきたミミは、リッカの宿屋に帰ってくると、イザヤールが番をしてくれているカウンターに駆け寄り、輝くような笑顔で言った。
「イザヤール様、ただいま戻りました」
「おかえり、ミミ」
イザヤールも辺りを暖かくするような優しい笑みを浮かべて出迎え、カウンター越しに手を伸ばして、ミミの淡い薔薇色の頬に指先で触れて優しくなでた。抱き合うなどのあからさまな感じは無いが、優しい情愛が籠っていることがよくわかるしぐさである。ミミも、濃い紫の瞳を更に輝かせて、劣らぬ情愛の籠った眼差しで愛しい者を見つめた。
引き継ぎ等が終わってようやく落ち着いたところで、二人の様子をニヤニヤ眺めていたサンディが尋ねた。
「ねーねーイザヤールさん、いつ頃から、そんな風にミミのほっぺたなでなでするよーになったワケ?やっぱつきあいだしてから?」
「うん?」イザヤールはきょとんとした。「これは、ミミが弟子だった頃からやっていたが?」
「うん、褒めてくれるときとかになでなでしてくれるとき、頭だったり髪だったりほっぺただったりしたけど?」ミミも一緒にきょとんとして言った。
「え、マジでー!ウケるー!」
サンディが笑いだしたので、イザヤールはますます怪訝そうな顔をし、ミミはおろおろし始めた。
「何か問題でも?」
「え・・・なんか変?」
「だってさー、そんな風に優し〜くほっぺたなでなでしてて、お互い好きって気付かないって、マジありえないっつーか☆」
「そ、そうなのか?!」イザヤールはうろたえた。「いや、オムイ様や人間の年寄りたちが、幼い見習い天使や孫たちにやっているしぐさだから、てっきり、褒めたり親愛を伝えるのにいいかと思っていた・・・」
「え、ええっ・・・」ミミも更にあたふたした。「私も、てっきり頭なでなでと同じ意味だって思ってたから・・・」
「じゃあイザヤールさん、ミミ以外の見習い天使たちにもやってたワケ?」
「いや。ミミ以外は、頭もなでたりしたことは無いな。・・・ミミ、もしかして、いやだったりしたか?」
「そんなことなかったです・・・!」ミミはぽうと頬を染めた。「ただ、頭をなでられるよりもっとドキドキしちゃって・・・私、おかしいのかもって悩んでたりしてたの・・・」
「そ・・・そうか・・・」イザヤールも照れくさそうな切なそうな顔になった。「私も、おまえに触れる度に、喜びと痛みを覚えて・・・ただ純粋に褒めるべき時に背徳的な想いを抱く己の弱さに、腹が立ったりしていた・・・」
「つーか気付くデショ、フツー!ミミは全然嫌がってなかったんだし、イザヤールさんは他の子には全然やってなかったんだし!」
サンディが呆れて更に笑いながら言った。
「だって、イザヤール様、お師匠様として特別に褒めてくれているんだと思ってたから・・・」
「私も、ミミはいい子だから師匠の賞賛を素直に受け入れているのだと思っていたからな・・・」
「ホントにお互いニブすぎ〜!アンタら、たぶんその様子を誰かに見られてたら、絶対バレてたと思うわ〜」
「あ・・・アウトだったの?」
「ギリギリアウトか?」
「ギリギリどころじゃないって!」
それを聞いてミミは蒼ざめたり赤くなったりし、イザヤールは、人前では頭をなでるところまでしか見せていなかった幸運をしみじみ思い知ったのだった。〈了〉
でも頭を撫でてる間お互いには気付いてなくても、天使界では何人かは「愛弟子であるのを考慮しても他の見習いには決してしないのは何か特別な感情を持っているのでは?」と感づいていそうですが。(*´∀`)
ラヴィエル「星達の声を聞く限り君達以外は気付いてたらしいぞ」
女主,イザヤール「「え」」
ラヴィエル「あと私が天使界に居たときのも含めて、見習い期間中でも師弟で付き合ってる者はそこそこいたぞ」
イザヤール「『見習い天使が一人前になるまでは師弟関係での恋愛を禁ずる』という掟があったのにか!?」
ラヴィエル「それは上級天使が『理』で見習いに不当なことをするのを防ぐために、『己の立場を利用して無理矢理関係を結ぼうとすることは禁ずる』という意味で決められただけで全面的に禁止していたわけではないんだ」
イザヤール「…何故お前はそんな内情を知ってるんだ?」
ラヴィエル「昔オムイ様がぽろっと喋ったのをたまたま聞いただけだよ。まあそれを知らない者は多数いたから皆表立ってしてないだけで、律儀に守っていたのはお前達だけらしいぞ」
イザヤール「何なんだそれは…。掟を守るのは当たり前で当然のことだろうに…………どうした?」
女主「いえ。改めて思うと私達は似た者同士だったのですね」
イザヤール,ラヴィエル「?」
女主「イザヤール様は理によって縛ってしまわないように私が一人前に成長するまで掟に従って恋情を抑え込み、私はイザヤール様の隣に並ぶのに相応しい立派な守護天使になるまで想いを胸に秘めていました。
私達はお互いに真面目で、融通が聞かず、相手を大事に思うがあまりにすれ違い、人間になったことでようやく素直になりお互いの気持ちを確認できました。
大分遠回りしましたが、そんな似た者同士だから私達は惹かれあったのかもしれませんね」
イザヤール「…そうだな。天使に比べたら短く限りある命になったが、天使のときに恋仲として過ごせなかった分お前と過ごすこの時間をより大切にしたいし、少しでも多くお前との思い出や記憶を胸に刻みたい。だからお前ももっと素直に甘えてくれ。昔に比べれば甘えてきてはいるが正直甘やかし足りない」
女主「えっ。えっと、それは…っ」
雰囲気を察してそっとその場を離れるラヴィエル「似た者同士だから惹かれあい、限りある命になったからこそ少しでも多く思い出や記憶を胸に刻みたい、か…。妹として兄の気持ちは尊重したいが早く彼女を義姉さんと呼びたいし、あまりのんびりするなよ?イザヤール」
いらっしゃいませおはようございます☆頭をなでるのも人前ではめったに無さそうだったので、なんとかなったのかもしれません?
頭なでなで場面をたまたま見かけた他の見習い天使とかも、勘繰る前に「あのコワ〜イイザヤール様が!」とそっちを大事件にしてた可能性がありますw
そちらのラヴィエルさんが次々と明かす衝撃の?事実!バレていても優しく見守られていたんですね、いい話だぁ・・・ニヤニヤ楽しく見守られていた可能性もあるような気もしますがw
そちらのお二人も似た者同士なんですね☆成長する師弟関係って憧れるにせよ反発するにせよ精神的影響が濃く出ますよね☆しかし似た者同士でも、やっぱりイザヤール様には翻弄されてしまう女主さんでしたw可愛いw
気を利かせるラヴィエルさん、いずれわざと義姉さん呼びして女主さんを楽しく困らせそうですね♪今まで通り呼んでください、みたいなリアクションしそうと勝手にイメージしちゃいました☆