明け方更新もムリでしたぐふっ!の追加クエストもどき。「伝説」縛りのモンスター退治というある意味王道なクエスト。当初予定とオチが変わりましたがまあよし。珍しく依頼人にややクール対応女主&イザヤール様が今回の見所?今日は敢えてお気楽風味ネタにしてみました、少しでもお楽しみ頂けますように。
今日はちょっと手強い宝の地図の洞窟を冒険しようと思っていたミミとイザヤール(と冒険の記録にサンディ)は、その洞窟の入り口で、誰かがボロボロになって倒れているのを見つけた。慌てて駆け寄り介抱すると、それは武闘家風の青年で、幸い命に関わる怪我ではなく、どちらかと言えば「全力で逃げてきてよれよれになった」状態だとわかった。
「いったい何があったんですか?」
ミミが水を渡してやりながら尋ねると、青年は水を一息にがぶ飲みして人心地をつけてから答えた。
「拙者は伝説に挑戦しながら旅をしている」彼は誇らしげに胸を反らしながら言った。「だが、残念ながらいつもあと一歩というところで勇気有る撤退を余儀なくさせられている」
「伝説に挑戦?偉大な武闘家の残した武勇伝に挑戦しているとかそういうことなんですか?」
ミミが首を傾げると、青年は今度はミミたちの昼食(リッカ特製)を平らげながら、話を続けた。
「いい線いってはいるが、そうではない。拙者は、『伝説』を冠する魔物を打ち倒すという誓いをして旅をしているのだ」
「伝説を冠する魔物だと?」
今度はイザヤールが首を傾げると、青年は口をもぐもぐさせながら頷いた。
「うむ。そなたらは、伝説のタヌキ忍者『ゴールドタヌ』、黄金のスライムに乗った伝説の剣士『デンガー』、各地の伝説にその名を残す馬『レジェンドホース』、そしてガメゴン族の王『ガメゴンレジェンド』という魔物たちを知っているか?拙者は、この四匹の伝説の魔物を倒すことを誓い、はや三年もの月日をかけて挑んでいるのだが、いつも惜しいところで・・・」
「ええ?!お一人でデンガーやガメゴンレジェンドに挑んでいるんですか?しかも回復手段がアイテムか『めいそう』しかない武闘家職で?!」
ミミは驚き、まるでミミみたいなヤツね〜と口を挟んできたサンディに、私だってそこまでチャレンジャーじゃないもの、とこっそり囁き返した。
「いや・・・その」武闘家風青年はここでどこか決まり悪そうな表情で呟いた。「・・・一応パーティを組んで出かけるのだが、凡人冒険者は拙者のハイレベルな戦いに着いてこられないせいか、いつもケンカ別れになってしまって、一人になってしまうのだ。高尚な拳の道はなかなか理解されぬものだ」
「命懸けのダンジョン行で、いつも仲間と喧嘩して単独行動になってしまうとは、戦闘の実力がどうであれ冒険者失格だ」イザヤールが厳しい表情になって言った。「むろん武闘家としてもな。感情のコントロールもできずに、武の道が極められるわけがない」
イザヤールの表情だけでなく言葉も厳しいことに、青年は腹を立てた。
「何をぬかすか!貴様、拙者が人格者でおとなしくしているのをいいことに、愚弄する気か!正義の鉄拳をくらえ!」
愚弄する気は無く正論を言っただけだとイザヤールが言う間もなく、青年は拳を振り上げて飛びかかってきた!だがイザヤールは素早く身をかわした!そして青年は、近くにあった大木に激突してのびてしまった。
「しまった、避けてやらない方がよかったか」イザヤールが困惑して頭を掻いた。
「あ〜あ。コイツ、ケンカしてっつーより、足手まといだから置いてかれただけじゃね?」サンディが見下ろしながら呟く。「え、ミミ、ベホイミかけてやるの?ホントお人よしなんだから〜」
ミミがベホイミをかけてやると、青年はむくりと起き上がり、ミミとイザヤールを見比べて、はしゃいだ声になって言った。
「ううむ、そなたたち、拙者の鉄拳を鮮やかにかわしたり、回復呪文が使えたりするとは、なかなかやるではないか!どうだ?拙者と一緒に、伝説の魔物退治に行かないか?我々が組めば無敵に違いないぞ!」
無敵かはともかく、また一人でダンジョンに潜られたりしても困るので、ミミとイザヤールは青年の挑戦に付き合うことにした。ミミたちはクエスト「伝説コンプリート!」を引き受けた!
この洞窟はレジェンドホースやガメゴンレジェンドが居る自然タイプの洞窟だったので、ミミたちはさっそくこのまま入ることにした。ガメゴンレジェンドはSランクのモンスターなので、B1FにCランクのモンスターが出るこの洞窟の場合、B13F以降に現れるということだ。なかなか気の長い話ではあるが、今日は元々ボス戦より洞窟探険がメインの目的だったので、さほど問題は無かった。
さっそくいつものようにステルスを使って目的地まで敵をやり過ごそうとしたミミだが、さっそく青年が抗議してきた。
「姿を隠してこそこそ移動するとは、卑怯者のすることではないか?!男なら堂々と・・・」
「私は女性ですし、目的地まで余計な体力を使わないのは卑怯でもなんでもなく立派な作戦です」
ミミは静かだがきっぱりした声で告げた。すると、それなら自分だけでも堂々と進む、と青年が騒ぎだそうとした。敵に見つかってしまうと焦ったミミの目の前で、いきなり彼がくたりと倒れたので、ミミは更に焦った。
すると、倒れた青年の後ろにサンディが醒めた表情で眠り効果のあるアイテム「ゆめみの花」を持って浮いていたので、何が起こったのかすぐにわかった。
「さ・・・サンディ、ちょっとやり過ぎじゃない・・・?」
「だって〜、絶対こうやって眠らせて引きずってく方が早いし〜」
「珍しくサンディに賛成だ。こうしてもらわなかったら、私が当て身をくらわせていたところだ」
「イザヤール様まで・・・。ま、いいか」
いいのかよ!とツッコミを入れる者は誰も居なかったので、イザヤールが青年を荷物のように無造作に担いで一同は出発した。5Fまでは順調に魔物の目をすり抜けて移動したが、ここで天井からいきなりうにょ〜んと降ってきたメタルキングに遭遇してしまった!
「ねえこれって運がいいの?悪いの?」ちょっと悩むミミ。
「アタシに聞くなっつーの!」
そのやり取りの間にイザヤールは青年を下ろしてオノを装備し、まじん斬りを放った!会心の一撃!
メタルキングを倒すと、青年のレベルが一気に上がっていった。が、本人はこの状況にもかかわらずまだ眠りこけていた。
「このレベルでよくもまあデンガーたちに挑もうとしていたな・・・」呆れるイザヤール。
「いえむしろ、今まで無事だった方がすごいの・・・」とミミ。
9Fに着くと、レジェンドホースが現れるので、ミミは「ツッコミ」で青年を起こして目的フロアに着いたことを告げた。
「なんといつの間に?!拙者は無の境地に入っていたのか?!・・・それはともかく、各モンスターへのとどめは拙者がさせるようにしてくれ、頼んだぞ!」
ミミはレジェンドホースの弱点である闇の力をまとうべくダークフォースを全員にかけ、イザヤールは装備をヤリに変えて「けもの突き」を放った。その後青年が「せいけん突き」を放った!だが倒すに至らずレジェンドホースの「あやしいひとみ」で彼は眠らされてしまった!
「またかい!今までずっと眠ってたクセにー!」一度目の眠りの張本人のサンディが叫ぶ。
次のターンでミミがまたツッコミで青年を起こし、イザヤールは「におうだち」をしてレジェンドホースの光のほのおを一身に引き受け、更に次のターンでようやく青年はレジェンドホースに「せいけん突き」でとどめをさした。伝説その1を倒した!
そしてガメゴンレジェンドの居る13Fまでまたステルスを使い、今度は否応なしに青年も静かに歩かせて、無事にガメゴンレジェンドに遭遇した。ガメゴンレジェンドはすばやさはとても低いがHPと守備力は恐ろしく高い。そして攻撃される前に仕留めないと痛い目に遭う。
魔法戦士に転職していたミミはラリホーマを唱えてガメゴンレジェンドを眠らせ、イザヤールと青年は「ためる」でテンションを上げた!次のターンでミミとイザヤールの「はやぶさ斬り」のコンボが決まったところで青年が通常攻撃をしてガメゴンレジェンドを倒した!伝説その2を倒した!
今回は洞窟のボス戦は諦めて、一同はこのダンジョンを出た。あとの伝説モンスター「デンガー」と「ゴールドタヌ」は水タイプの洞窟に居るからだ。
「この地図の洞窟にゴールドタヌやデンガーが居る。この洞窟に行くのだ」
青年がそう言って渡してきた地図の洞窟(船着き場の側だった)に行くと、5Fからデンガー・ゴールドタヌ共に出現しそうな洞窟だった。またステルスでうみうしひめやイエローサタンをやり過ごし、目的のフロアに着くと、さっそくゴールドタヌの群れを見つけた。また人間から何か大切な物を奪ってきたらしく、首飾りらしき物をかざしてゲラゲラ笑っている。
ミミは「バックダンサーよび」をし、イザヤールは棍スキル「なぎはらい」を使ってゴールドタヌをわざと一匹だけ残した。そこへ青年が「岩石おとし」をくらわせ、ゴールドタヌを倒した!伝説その3を倒した!
ゴールドタヌは気絶していたが一匹だけは戦闘不能なものの意識はあり、途切れ途切れ声でミミに言った。
「くそう・・・オレたちの負けだ・・・。これを取り返しに来たんだろ?返してやるよチクショウ!」
「え、違うの・・・。あっ、気絶しちゃダメ、起きて、誰の首飾りか教えてよー!」
結局特やくそうを使ってゴールドタヌを起こし首飾りの持ち主を聞き出してから、いよいよ最後の伝説モンスターデンガーとの戦いに挑むことになった。デンガーは1ターンに2回攻撃してくる。やはり一気に決着を着けないと辛い相手だが、HPも高いのでそうあっさりとはいかない。
ミミは賢者に転職してよく効く闇の呪文ドルマドンを放ち、イザヤールは剣同士でつばぜり合いをしたりさみだれぎりを弾いたり受け止めたりし、デンガーの体力を少しずつ削って、青年にとどめをささせるチャンスを粘り強く待った。
だが、もう倒せるHPにしたというのに、青年はなかなか攻撃に行かない。どうしたのかとみんなで不審に思っていると、なんと彼はカッコよく決めるにはツメか棍かで迷っていたのだった。
「どれでもいいから早く攻撃してくれ!」
におうだちでデンガーのさみだれぎりのダメージを一身に受けながらイザヤールが叫ぶ。ミミは泣くのを堪えてそんなイザヤールにベホイムをかけ、訴えるような目で青年を見つめる。
「仕方ないな、それではツメでとどめを・・・わわわ!」
青年は放置していた自分の棍につまずいた!コケた拍子に装備していたツメがデンガーに当たった!会心の一撃!デンガーを倒した!伝説モンスター退治をコンプリートした!
「やりましたね、伝説コンプリートです!」
ミミが安堵によるものすごく嬉しそうな笑顔で言った。
「いや、こんなカッコ悪い決着はイヤだ、もう一度デンガーと戦い・・・」
青年が最後まで言い終わらないうちにイザヤールがすかさず「おもいでのすず」を使って、全員さっさとダンジョンから出てしまった。
青年はまだしばらくブツブツ言っていたが、結局折れた。
「まあいい、伝説コンプリートもできたことだしな。もうこの地図もいらん、そなたたちが使ってくれ」
ミミは水タイプの高ランク地図をもらった!
「しかし、そなたたちの強さを見て拙者は目が覚めた。もう一度修行を一からやり直し、今度は自力で伝説コンプリートできるようにするぞ!」
そう言って青年は去っていった。
その後ミミとイザヤールはセントシュタインに戻り、首飾りの持ち主に首飾りを返した。ルイーダの酒場に出入りしていた冒険者だったのである。しかも、以前に今回の依頼人と行動を共にしていた魔法使いだった。
「ありがとう!あのポンコツ武闘家のせいでゴールドタヌに首飾り取られちゃってたの!え、アイツはその件に関して何も言ってなかった?!アイツ今どこに居るのよ、一発殴ってくる!」
その後魔法使いにボコボコにされた今回の依頼人は、武闘家を辞めたとか辞めなかったとか。〈了〉
今日はちょっと手強い宝の地図の洞窟を冒険しようと思っていたミミとイザヤール(と冒険の記録にサンディ)は、その洞窟の入り口で、誰かがボロボロになって倒れているのを見つけた。慌てて駆け寄り介抱すると、それは武闘家風の青年で、幸い命に関わる怪我ではなく、どちらかと言えば「全力で逃げてきてよれよれになった」状態だとわかった。
「いったい何があったんですか?」
ミミが水を渡してやりながら尋ねると、青年は水を一息にがぶ飲みして人心地をつけてから答えた。
「拙者は伝説に挑戦しながら旅をしている」彼は誇らしげに胸を反らしながら言った。「だが、残念ながらいつもあと一歩というところで勇気有る撤退を余儀なくさせられている」
「伝説に挑戦?偉大な武闘家の残した武勇伝に挑戦しているとかそういうことなんですか?」
ミミが首を傾げると、青年は今度はミミたちの昼食(リッカ特製)を平らげながら、話を続けた。
「いい線いってはいるが、そうではない。拙者は、『伝説』を冠する魔物を打ち倒すという誓いをして旅をしているのだ」
「伝説を冠する魔物だと?」
今度はイザヤールが首を傾げると、青年は口をもぐもぐさせながら頷いた。
「うむ。そなたらは、伝説のタヌキ忍者『ゴールドタヌ』、黄金のスライムに乗った伝説の剣士『デンガー』、各地の伝説にその名を残す馬『レジェンドホース』、そしてガメゴン族の王『ガメゴンレジェンド』という魔物たちを知っているか?拙者は、この四匹の伝説の魔物を倒すことを誓い、はや三年もの月日をかけて挑んでいるのだが、いつも惜しいところで・・・」
「ええ?!お一人でデンガーやガメゴンレジェンドに挑んでいるんですか?しかも回復手段がアイテムか『めいそう』しかない武闘家職で?!」
ミミは驚き、まるでミミみたいなヤツね〜と口を挟んできたサンディに、私だってそこまでチャレンジャーじゃないもの、とこっそり囁き返した。
「いや・・・その」武闘家風青年はここでどこか決まり悪そうな表情で呟いた。「・・・一応パーティを組んで出かけるのだが、凡人冒険者は拙者のハイレベルな戦いに着いてこられないせいか、いつもケンカ別れになってしまって、一人になってしまうのだ。高尚な拳の道はなかなか理解されぬものだ」
「命懸けのダンジョン行で、いつも仲間と喧嘩して単独行動になってしまうとは、戦闘の実力がどうであれ冒険者失格だ」イザヤールが厳しい表情になって言った。「むろん武闘家としてもな。感情のコントロールもできずに、武の道が極められるわけがない」
イザヤールの表情だけでなく言葉も厳しいことに、青年は腹を立てた。
「何をぬかすか!貴様、拙者が人格者でおとなしくしているのをいいことに、愚弄する気か!正義の鉄拳をくらえ!」
愚弄する気は無く正論を言っただけだとイザヤールが言う間もなく、青年は拳を振り上げて飛びかかってきた!だがイザヤールは素早く身をかわした!そして青年は、近くにあった大木に激突してのびてしまった。
「しまった、避けてやらない方がよかったか」イザヤールが困惑して頭を掻いた。
「あ〜あ。コイツ、ケンカしてっつーより、足手まといだから置いてかれただけじゃね?」サンディが見下ろしながら呟く。「え、ミミ、ベホイミかけてやるの?ホントお人よしなんだから〜」
ミミがベホイミをかけてやると、青年はむくりと起き上がり、ミミとイザヤールを見比べて、はしゃいだ声になって言った。
「ううむ、そなたたち、拙者の鉄拳を鮮やかにかわしたり、回復呪文が使えたりするとは、なかなかやるではないか!どうだ?拙者と一緒に、伝説の魔物退治に行かないか?我々が組めば無敵に違いないぞ!」
無敵かはともかく、また一人でダンジョンに潜られたりしても困るので、ミミとイザヤールは青年の挑戦に付き合うことにした。ミミたちはクエスト「伝説コンプリート!」を引き受けた!
この洞窟はレジェンドホースやガメゴンレジェンドが居る自然タイプの洞窟だったので、ミミたちはさっそくこのまま入ることにした。ガメゴンレジェンドはSランクのモンスターなので、B1FにCランクのモンスターが出るこの洞窟の場合、B13F以降に現れるということだ。なかなか気の長い話ではあるが、今日は元々ボス戦より洞窟探険がメインの目的だったので、さほど問題は無かった。
さっそくいつものようにステルスを使って目的地まで敵をやり過ごそうとしたミミだが、さっそく青年が抗議してきた。
「姿を隠してこそこそ移動するとは、卑怯者のすることではないか?!男なら堂々と・・・」
「私は女性ですし、目的地まで余計な体力を使わないのは卑怯でもなんでもなく立派な作戦です」
ミミは静かだがきっぱりした声で告げた。すると、それなら自分だけでも堂々と進む、と青年が騒ぎだそうとした。敵に見つかってしまうと焦ったミミの目の前で、いきなり彼がくたりと倒れたので、ミミは更に焦った。
すると、倒れた青年の後ろにサンディが醒めた表情で眠り効果のあるアイテム「ゆめみの花」を持って浮いていたので、何が起こったのかすぐにわかった。
「さ・・・サンディ、ちょっとやり過ぎじゃない・・・?」
「だって〜、絶対こうやって眠らせて引きずってく方が早いし〜」
「珍しくサンディに賛成だ。こうしてもらわなかったら、私が当て身をくらわせていたところだ」
「イザヤール様まで・・・。ま、いいか」
いいのかよ!とツッコミを入れる者は誰も居なかったので、イザヤールが青年を荷物のように無造作に担いで一同は出発した。5Fまでは順調に魔物の目をすり抜けて移動したが、ここで天井からいきなりうにょ〜んと降ってきたメタルキングに遭遇してしまった!
「ねえこれって運がいいの?悪いの?」ちょっと悩むミミ。
「アタシに聞くなっつーの!」
そのやり取りの間にイザヤールは青年を下ろしてオノを装備し、まじん斬りを放った!会心の一撃!
メタルキングを倒すと、青年のレベルが一気に上がっていった。が、本人はこの状況にもかかわらずまだ眠りこけていた。
「このレベルでよくもまあデンガーたちに挑もうとしていたな・・・」呆れるイザヤール。
「いえむしろ、今まで無事だった方がすごいの・・・」とミミ。
9Fに着くと、レジェンドホースが現れるので、ミミは「ツッコミ」で青年を起こして目的フロアに着いたことを告げた。
「なんといつの間に?!拙者は無の境地に入っていたのか?!・・・それはともかく、各モンスターへのとどめは拙者がさせるようにしてくれ、頼んだぞ!」
ミミはレジェンドホースの弱点である闇の力をまとうべくダークフォースを全員にかけ、イザヤールは装備をヤリに変えて「けもの突き」を放った。その後青年が「せいけん突き」を放った!だが倒すに至らずレジェンドホースの「あやしいひとみ」で彼は眠らされてしまった!
「またかい!今までずっと眠ってたクセにー!」一度目の眠りの張本人のサンディが叫ぶ。
次のターンでミミがまたツッコミで青年を起こし、イザヤールは「におうだち」をしてレジェンドホースの光のほのおを一身に引き受け、更に次のターンでようやく青年はレジェンドホースに「せいけん突き」でとどめをさした。伝説その1を倒した!
そしてガメゴンレジェンドの居る13Fまでまたステルスを使い、今度は否応なしに青年も静かに歩かせて、無事にガメゴンレジェンドに遭遇した。ガメゴンレジェンドはすばやさはとても低いがHPと守備力は恐ろしく高い。そして攻撃される前に仕留めないと痛い目に遭う。
魔法戦士に転職していたミミはラリホーマを唱えてガメゴンレジェンドを眠らせ、イザヤールと青年は「ためる」でテンションを上げた!次のターンでミミとイザヤールの「はやぶさ斬り」のコンボが決まったところで青年が通常攻撃をしてガメゴンレジェンドを倒した!伝説その2を倒した!
今回は洞窟のボス戦は諦めて、一同はこのダンジョンを出た。あとの伝説モンスター「デンガー」と「ゴールドタヌ」は水タイプの洞窟に居るからだ。
「この地図の洞窟にゴールドタヌやデンガーが居る。この洞窟に行くのだ」
青年がそう言って渡してきた地図の洞窟(船着き場の側だった)に行くと、5Fからデンガー・ゴールドタヌ共に出現しそうな洞窟だった。またステルスでうみうしひめやイエローサタンをやり過ごし、目的のフロアに着くと、さっそくゴールドタヌの群れを見つけた。また人間から何か大切な物を奪ってきたらしく、首飾りらしき物をかざしてゲラゲラ笑っている。
ミミは「バックダンサーよび」をし、イザヤールは棍スキル「なぎはらい」を使ってゴールドタヌをわざと一匹だけ残した。そこへ青年が「岩石おとし」をくらわせ、ゴールドタヌを倒した!伝説その3を倒した!
ゴールドタヌは気絶していたが一匹だけは戦闘不能なものの意識はあり、途切れ途切れ声でミミに言った。
「くそう・・・オレたちの負けだ・・・。これを取り返しに来たんだろ?返してやるよチクショウ!」
「え、違うの・・・。あっ、気絶しちゃダメ、起きて、誰の首飾りか教えてよー!」
結局特やくそうを使ってゴールドタヌを起こし首飾りの持ち主を聞き出してから、いよいよ最後の伝説モンスターデンガーとの戦いに挑むことになった。デンガーは1ターンに2回攻撃してくる。やはり一気に決着を着けないと辛い相手だが、HPも高いのでそうあっさりとはいかない。
ミミは賢者に転職してよく効く闇の呪文ドルマドンを放ち、イザヤールは剣同士でつばぜり合いをしたりさみだれぎりを弾いたり受け止めたりし、デンガーの体力を少しずつ削って、青年にとどめをささせるチャンスを粘り強く待った。
だが、もう倒せるHPにしたというのに、青年はなかなか攻撃に行かない。どうしたのかとみんなで不審に思っていると、なんと彼はカッコよく決めるにはツメか棍かで迷っていたのだった。
「どれでもいいから早く攻撃してくれ!」
におうだちでデンガーのさみだれぎりのダメージを一身に受けながらイザヤールが叫ぶ。ミミは泣くのを堪えてそんなイザヤールにベホイムをかけ、訴えるような目で青年を見つめる。
「仕方ないな、それではツメでとどめを・・・わわわ!」
青年は放置していた自分の棍につまずいた!コケた拍子に装備していたツメがデンガーに当たった!会心の一撃!デンガーを倒した!伝説モンスター退治をコンプリートした!
「やりましたね、伝説コンプリートです!」
ミミが安堵によるものすごく嬉しそうな笑顔で言った。
「いや、こんなカッコ悪い決着はイヤだ、もう一度デンガーと戦い・・・」
青年が最後まで言い終わらないうちにイザヤールがすかさず「おもいでのすず」を使って、全員さっさとダンジョンから出てしまった。
青年はまだしばらくブツブツ言っていたが、結局折れた。
「まあいい、伝説コンプリートもできたことだしな。もうこの地図もいらん、そなたたちが使ってくれ」
ミミは水タイプの高ランク地図をもらった!
「しかし、そなたたちの強さを見て拙者は目が覚めた。もう一度修行を一からやり直し、今度は自力で伝説コンプリートできるようにするぞ!」
そう言って青年は去っていった。
その後ミミとイザヤールはセントシュタインに戻り、首飾りの持ち主に首飾りを返した。ルイーダの酒場に出入りしていた冒険者だったのである。しかも、以前に今回の依頼人と行動を共にしていた魔法使いだった。
「ありがとう!あのポンコツ武闘家のせいでゴールドタヌに首飾り取られちゃってたの!え、アイツはその件に関して何も言ってなかった?!アイツ今どこに居るのよ、一発殴ってくる!」
その後魔法使いにボコボコにされた今回の依頼人は、武闘家を辞めたとか辞めなかったとか。〈了〉
しかし今回の依頼人、頭の中ムキムキですね〜一方でレベルはお世辞にも高いとは言えずメタキン一匹で一気に上がる…ミミちゃんの言うとおり今まで良く無事でしたね
一度は『今度は自分自身の力で伝説達を倒す』と決意したのに魔法使いちゃんにフルボッコされて引退…
彼は力だけ求め過ぎて心を鍛えるのを疎かにしてたんでしょうね…豆腐メンタルですw
うちのリリンも(設定上)武闘家で10でも序盤こそ武闘家だったのですが今では殆ど使わなくなってしまいました…物理アタッカーなのに攻撃力が低くく、最近では武の必殺技の一喝も耐性持ちが増えただテンションをあげるだけ…扇、棍、ツメが他の職が弱いというわけではなく味方の強化や敵の弱体化などで大活躍。挙句の果てにかつては武と並んで不遇だった筈の戦士が攻守優れた職になり雑魚戦ボス戦で声がかかるのに対し武は…『帰れ!』とまで言われる程、強化を望む声はありますが…
リリン「ああいう考え無しのがいるから物理職は脳みそ筋肉とか単細胞なんて言われるのよ」
ククール「物理職は殴れば良いだけって奴いるからな」
リリ「真の力を得るには心技体バランスが大事ですわ。物理職だろうと呪文職だろうと」
クク「大体、人格者が命の恩人に殴りかかるか?しかも避けられているし」
シェルル「しかもレベル足りなすぎ…よく生きてこられたよね、三年間何してたんだろ…?」
リリ「それにとどめの武器ぐらい先に決めときなさいよ。」
クク「ミミちゃん達が同行していたから良かったものの…一瞬の迷いが命取りになるな」
いらっしゃいませこんばんは☆おお、10ではガメゴンレジェンドは倒すと称号がもらえるほどすごいモンスターなんですね!さすがレジェンド!
今回の依頼人、自分で書いておいて少々イラッと来てました(苦笑)今まで無事でいられたのはたぶん何故かめちゃくちゃ運がいいのと逃げ足がはぐメタ並に早かったからと思われます。
武闘家、歴代的には素早くて攻撃力の高いステキ職業で、装備種類の少なさくらいしか欠点無かった筈ですのに(泣)10ではやはり戦士が使いやすいんでしょうか。強化してほしいですよね〜。
そちらのパーティの皆様のお言葉どれもごもっとも、女主さん特にかっこいい☆さすがです!ほんと呪文系にしろ物理攻撃系にしろ心技体のバランスよく向上させるって大事ですよね。技体だけに走るとダークサイドに陥る可能性ありますし。