女郎買い地蔵(武蔵むかし話より)
桶川市の大雲寺の境内には、4基の石彫地蔵がありますが、現在その内の1基の背中に鎖の輪をつけたかすがいが残っています。それにはこんなお話しが残っています。
江戸時代の事です。桶川宿は中山道の宿場として栄えていました。当然の事のように旅人目当ての遊女屋もできました。
女郎達はこの地方でとれる紅花のベニをくちびるに塗って、旅人達に愛嬌を振りまいたという訳です。
そんな女郎達の間に一つの噂話が広がりました。
毎晩のように来る客が、体は石のように冷たく、払う金が次の日には石になっているというのです。あまりに気味の悪い話なので、遊女屋の主人はその客の後をつけてみました。
するとその客は決まって大雲寺の境内に入るとスーッと消えてしまいます。主人は不思議に思ってこの話を住職にしました。
住職は「それはおかしい。この寺にはそんな不心得者などいないはず」と主人と一緒に境内を探してみました。
するとどうでしょう。境内の地蔵の一つの体がベニであちこち赤く染まっているではありませんか。「さては」と住職は思い、背中に鉄の輪を打ち込んで鎖につないでしまいました。
それ以来、この地蔵様は『女郎買い地蔵』と呼ばれているそうです。東京新聞浦和支局編『武蔵むかし話』より)
とんだお地蔵様もいたものですね。
桶川市の大雲寺の境内には、4基の石彫地蔵がありますが、現在その内の1基の背中に鎖の輪をつけたかすがいが残っています。それにはこんなお話しが残っています。
江戸時代の事です。桶川宿は中山道の宿場として栄えていました。当然の事のように旅人目当ての遊女屋もできました。
女郎達はこの地方でとれる紅花のベニをくちびるに塗って、旅人達に愛嬌を振りまいたという訳です。
そんな女郎達の間に一つの噂話が広がりました。
毎晩のように来る客が、体は石のように冷たく、払う金が次の日には石になっているというのです。あまりに気味の悪い話なので、遊女屋の主人はその客の後をつけてみました。
するとその客は決まって大雲寺の境内に入るとスーッと消えてしまいます。主人は不思議に思ってこの話を住職にしました。
住職は「それはおかしい。この寺にはそんな不心得者などいないはず」と主人と一緒に境内を探してみました。
するとどうでしょう。境内の地蔵の一つの体がベニであちこち赤く染まっているではありませんか。「さては」と住職は思い、背中に鉄の輪を打ち込んで鎖につないでしまいました。
それ以来、この地蔵様は『女郎買い地蔵』と呼ばれているそうです。東京新聞浦和支局編『武蔵むかし話』より)
とんだお地蔵様もいたものですね。