殺人的な残業はしなくはなったが、納期調整がどうしても付かなければ、残業はせねばならない。
労働時間が超過しそうであれば、休日を設けて帳尻を合わす。
昔に比べれば、昨今の職場環境は良くなった。
併し、今の若い人達は、其れでもキツイと言って辞めていく。
新卒入社の青年が、初日の昼からトンズラこいて辞めてしまった。
そんな声を吾の身近にも聞く。
此の新入社員が初日の昼からトンズラするのは最近の話ではない。
昔からいた。
新卒社員に限った話ではなく、中途採用の年増のオッサンもいた。
何故だろうか、そうした初日退散と云った話で、女性の話は余り聞かない。
其れの善悪は人其々なので、決め付ける事は出来ぬ。
ただ思うのは、小心者の吾からすれば、初日に連絡もせずに午後からトンズラ出来る其の行動力というか、大胆さに驚く。
そう云う者は毎年必ずいるのである。
同僚社員と其の度に、「しかし、寧ろ彼奴は強者だよなぁ」と揶揄していたものだ。
誰しも向き不向きが在る。
初日退散した奴は、午前中に頭の中で警報が鳴り響いたのだろう。
もう居ても立っても居られなくなり、戦線離脱した。
ただ其れだけの事である。
其奴を扱き下ろす積もりは無いが、其れを繰り返さねばと憂慮する。
他に居場所を見付けて、活躍すれば其れでよい。
転職は誰からも非難される事ではない。
真面目に、1ヶ所の職場で定年勤め上げるのも、其れは其れで素晴らしい事である。
自らに経験と知識、技術が蓄積されていて、他所でも即戦力として戦線に立てるのであれば転職に年齢は無い。
吾は向上心や野心といったものが皆無である。
能力が無く、技術も無い。
若かりし頃、何の勉強もせず、身に付けようとして来なかった事を今になって悔やむ。
其れ故に、歳を重ねてから転職しようと云う気が無い。
ハローワークに行った時、相談員から、
「〇〇さん、実際もう引き当ては見込めないですよ。年齢って結構大事です。経験、資格が在っても、年齢でふるいにかけられるのが現実です。同等のスキルが在って、年齢の低い人と高い人の何方を選ぶかと云えば、若い人が選ばれます。一応ご希望の会社に面接希望者として連絡はしてみますが」
と、身も蓋も無い事をハッキリ云われた事が在る。
当然乍ら、不採用。
面接した担当の者からこんな事を云われた。
「ウチの職場の平均年齢は若いので、〇〇さんくらいの方が入る事で、和が乱れるんですよ。年齢による共通のものの見方が出来ないと雰囲気が悪くなります。〇〇さんが積極的に和に入ろうとされても、社員の方が気を使ってしまって疲弊します。前例として、一度年齢の技術や経験が在る高い方を採用したのですが、価値観が合わずにトラブルが起きまして、それが採用の基準になっています」
当時の記憶を辿っているので、大体こう云う事をハッキリ云われた。
求人票には、性別や年齢は謳え難いので、不問と在るが、最低限の採用の基準は在る。
中途の就職活動は難しい。
昔聞かされたのは、「転職するなら40まで」と云うものだった。
40超えると、選択肢が狭まる。
自生活に、借金や家族が無ければ転職により給金の額が下がっても影響は少ないが、折角在る程度まで基本給が上がり、手取りもそこそこ在るのであれば粘ってみればと思う。
借金や家族が居れば、無闇な転職は危険だ。
生活の水準が下がる可能性が在り、返済や家庭運営に支障をきたす。
吾は、有休が溜まっているので、気が向かぬ時は休んでしたい事をしている。
一応、仕事の流れを見て、タイミングは見計らっている。
はぁ.....。
生きるのは楽じゃない。