おも〜か〜じ(面舵)‼︎

せめて明日の秋の彼岸くらいは穏やかに

秋の彼岸。

祖母は無事に彼方の世界に行っただろうか。

夢にも一切出て来ない。

仏壇の写真立てには、生前の写真の中で一番いい顔をしたものを入れている。

毎朝夕に話し掛けている。

写真立ての祖母は和かに笑っている。

あれから1年が経った。

先日、一周忌の法事も終えた。

法事と云っても、吾のみが寺と墓に参拝した。

人でなしの叔母と其の娘や孫の輩どもは来ていない。

一応は叔母に一周忌の話をしたら、

「カネも無いし、そんな暇は無い。娘達も忙しい。アンタ1人でいいだろ?」

もう、言葉を返す気力も無かった。

こんな連中にでも、生前の祖母は心遣いを示し、金銭の支援もして来た。

吾に内緒で、孫等に小遣いもやっていたというのを最近知った。

其の時、「何であんな連中に.....」

仏壇の写真立ての祖母を詰りそうになったが、此れも祖母の人間性だと思い、嘆息に混ぜて吐き出した。

せめて明日の彼岸くらいは、日常の浮き沈みの激しい心を追いやって、穏やかな気持ちで墓参りをしたい。



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