人生の途上には、親子、兄弟、姉妹、友人、恋人、夫婦に於ける裏切りが在る。
裏切り、裏切られ、傷付き、傷付ける。
たいてい、一度壊れた関係を修復するのは難しい。
許す事は難しい。
被った裏切りを、貴方は許す事が出来るか?
出来ると云う人は、高度な精神の持ち主である。
吾は出来ない。
夫婦の何方かが不貞を働いても、あっさりと元の鞘に収まる夫婦も在る。
吾には理解出来ない。
歌手の高橋真梨子には、不倫をして家族を捨てた母親がいた。
紆余曲折を経て、高橋は母親を許し一緒に住む事になったと云う。
母親を許し、母の人生を許した。
そして、病に伏せた父を哀れんだ。
其の事が此の歌となっている。
此の「フレンズ」の冒頭の歌詞は当初、
「修羅のごとく生きた 青春の抜け殻」
で始まるものだったが、言葉が過激だと云う事で今の
「煌めいていた そして戸惑う青春だった」
に変更となった経緯が在る。
自身の両親の事を歌った「フレンズ」。
オーケストラをバックに流れるメロディーに涙が出る。
そして高橋真梨子の声が、当時の出来事を語る様に歌う。
重い曲ではあるが、染み入る曲で何度聴いても飽きが来ない。
ポジティブで日照りの様な曲で熱中症の様になるよりも、少し部屋を薄暗くして聞くと却って心が休まる。
そんな癒しの曲でもある。
高橋真梨子 フレンズ