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One Step ~ 橋本新企画公式ブログ

181)赤羽の片隅から~無料弁当雑記その3

9/30(木)

無料弁当70個+お菓子、フルーツ白玉24個、都の共通入浴券を21:30から提供し23:00頃に完パケ。最終日ということもあり、お弁当を多めにつくり、フルーツ白玉のオマケつき。最終日ということで、以前にも来店された方から入浴券のご寄付を頂いた。応援に駆けつけてくれた方と共に開始時間を待つ。



だが雨になるのを恐れてか、行列は短い。運良く小雨だったのだが、台風の為に外出を控えた方もいただろう。それでも常連は来てくれた。昨晩「今夜が最後かも」と言っていた高齢者や自転車の方も来ることができた。



一人ひとりに手紙を、希望者にご寄付頂いた入浴券を一枚ずつ渡した。「冬は公園で体洗うのキツイから助かる」と自転車で来るホームレスが言う。喜んでもらえてよかった。独りで通院するのが怖いと話し、その都度励ましてきたおばちゃんは「寂しくなるよ」と涙目。大量に余りそうだったので、途中から数個ずつ多めに持たせたら、なんとか無くなった。



「弁当は終わるけど店はあるから、何かあったら連絡しなよ」と声をかけるオーナー。いつも煎餅が無くなるのが早いので、今夜は多めに用意して待っていた。
毎晩人目を避けるようにして、最後に訪れるホームレスも「今までありがとうございました」と深々と頭を下げた。荷物の多いホームレスは銭湯に行くのは難しいのだが「寝床に荷物を隠して行ってみたら?」と入浴券を渡すと、受け取ってくれた。



常連と初めて会ったときの事、これまでに訪れた人の顔、この活動を通して起こった様々な出来事が脳裏に蘇る。

毎晩18時頃から仕込みを始め、片付けをして帰るのは24時頃。交代要員がいるわけもなく、親子とプラスアルファのお手伝いでつくってきた。長期的な視野を持って生活困窮者支援に取り組むのなら、このやり方はベストでは無い。スタッフが疲弊してしまうのでオススメしない。法人化でもして交代制にするか、毎晩ではなく日にちを決めてやるべきだろう。



何よりも私達はただの飲食店だ。始めた当初は、生活保護の細かな実態など、ほとんど知らなかった。手探りで取り組むなか、テレビやネット記事を見て、多くの方からご寄付を頂いた。私達は協力金を原資としているので、一度も寄付を募ってはいない。それにも関わらず、遠くからお手紙や野菜が届いた。その他、Twitterで情報拡散頂いた皆様や応援してくれた多くの皆様に感謝。皆様の応援のおかげで続けてこられました。ありがとうございました。



利用者からは責められなかったが、せっかく繋がった困窮者を見捨てることになるのではないかという後ろめたさも少しはある。

無料弁当は終了するが人生は続く。いずれ何らかの形で、やれることに取り組む日も来るかもしれない。

その日まで、しばし休みます。お疲れ様でした。

(10/1のTweetより 一部修正)
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