◆新聞を読んで/臼井愛代◆

俳句雑誌「水煙」編集人

○日本経済新聞6月19日朝刊23面、「経済教室/平野雅章」

2008-06-28 14:07:47 | Weblog
この記事は、IT投資のリターンに関する実証研究をしている平野雅章氏が、
人的投資と経営成果との関係や、その組織への影響を分析した結果を元に書かれている。

平野氏は、組織を「意思決定のコミュニケーションのためのルールや仕組み」と定義する。
平野氏の記事のポイントは以下の三つである。

1.組織の能力は構成員の能力とは別物である
2.組織能力が低いと、人的投資が無駄になる
3.経営者のリーダーシップで組織の再構築が必要である

「経済教室」は、文字通り経済に関する事を述べているが、
前出の3つのポイントの、 「組織」を「水煙」に、「構成員」を「運営スタッフ」に、「経営者」を「高橋信之氏」に置き換えると、
そのまま、水煙という組織にも当てはめることができる。
平野氏によれば、「企業の能力=組織メンバーの資質×組織の優秀さ」という面積の関係になっている。
つまり、水煙の能力を上げるためには、運営スタッフの資質と、意思決定のコミュニケーションのためのルールや仕組みの
どちらかを向上させなければいけないのだが、そのどちらにも、向上の余地があると思われる。

まず、運営スタッフの資質に関して言えば、
トップダウンで下りてくる情報が、末端まで行き渡っているかといえば、
それはまだできていないというのが、高橋信之氏の判断である。
それはつまり、運営スタッフ(臼井)が、本来成すべき仕事をまだしていないからである。
平野氏が組織メンバーの資質として挙げている、知力、スキル、体力、意欲、倫理観、リーダーシップをもとに、
高橋信之氏、高橋正子氏という水煙のトップの下に居るスタッフ(臼井)が、
如何にしてトップからの情報を末端にまで行き渡らせるかが、今後の課題である。

次に、水煙という組織の未来の展望を踏まえて、
意思決定のコミュニケーションのためのルールや仕組みが再構築される必要もある。
それを行うにあたって気をつけるべきことのポイントとして、平野氏は、「組織メンバーの情報処理負荷が、
情報処理能力を越えてしまわないように組織設計をしていくこと」を挙げている。
これは、水煙の新体制以降、高橋信之氏が提唱されている、
「少人数でもやっていける仕事に縮小する」という事に重なってくる。

女性の少人数を中心にしてもじゅうぶん動かしていける、小さくても堅固な組織作りが、
これからの水煙のために行われるべきことであろう。

※平野雅章
1949年生
早稲田大学教授
経営情報学会会長(2005年度・2004年度)