ばらんす

パニック障害でもお仕事するぞ~!

味がしない

2004-09-10 | 不安神経症日記
夜は本当に一睡もできなかった。
例のようにソファでごろごろしながら眠くなるのを待ったが、動悸と手足のしびれで全く眠れなかった。
ここまで眠れなかったのは初めてで、さすがにまずいと思った。

朝、夫に「全く眠れ無かったよ」と話すと、
「眠る努力してないんじゃないの?眠れないからって布団から離れないで、そのまま我慢して横になっていれば眠れるよ」と言われた。
努力が足りない?正直泣きたくなった。
だけど言い返す気力もなかった。自分の体調の悪さをどう説明していいのか分からなかったし、
夫には分かってもらえないだろうと思ったから。
今日は月曜日。正直仕事に行きたくない。
が、「さすがに休むとまずいんじゃない?一日くらい寝れなくたって仕事できるよ」という
夫の言葉もあり、仕事に出かけた。

しかし、途中で立っていられなくなり休憩室で休むことになってしまった。
「旦那さんのところに電話して迎えに来てもらいなさい。病院にも行きなさいよ」と上司に言われたが、大げさにもしたくなかったので自宅までは自分で帰ることにした。

帰り際、飲み物を勧められ、どれも飲みたくなかったので水を飲んだ。

はっ、と思った。
水の温度を感じなかったのだ。
舌の先がしびれているような感じで、味も感じられなかった。

自宅に帰りしばし悩んだ。病院に行くと言っても、どの科を受診したらいいのか分からなかったからだ。
総合病院に電話してどこの科をうけたらいいのか相談した。
丁寧に応対してくれて、心臓を重視するならまた循環器を、眠れないのを重視するなら心療内科を受診するのがいいと教えてくれた。
眠りたかったので心療内科を受診したいと言ったら、明後日の水曜日しか診療していないとのことだった。
そこで近くの病院にある精神科を教えてもらい、そちらにいくことにした。

自分で運転していける体調ではなかったので、夫の職場に電話して連れて行ってもらうことにした。
仕事を中断する羽目になって、夫は少しいらだっているようだった。
「こんなことなら最初から仕事をやすめばよかったのに」
朝と正反対の事を言う夫をすこしうらんだ。そんなのは自分で判断すべきことなのは分かっている。分かっているんだけどむっとしてしまった。

病院までの車中、怒っているのか急いでいるのか夫はきつい口調で話し続けた。
私はあまり話したくなかった。
精神科か…ちょっと複雑な気持ちになった。
そんなところに行ってたら、仕事、やめなきゃならないんだろうか…。

受付をすませ、順番を待った。
周りはお年寄りが多く、家族に付き添われている方もいた。
順番が来るまでアンケートに記入するように言われた。
来院の理由などを書いて提出。受付時間ギリギリに出したので一番最後の診察だろうなと思いながら待った。

待っている間も汗が吹き出て気持ち悪く、早く楽になりたいと思いながら耐えた。
待合室に人がいなくなり、とうとう私の名前が呼ばれた。
先生に「ここは精神科ですが、よろしいですか」と聞かれ、「はい」と答えた。
これからぶしつけな質問をするかもしれないが、あまり気になさらずにとも言われた。
やはり、内科や外科とは違うんだ。

まず病状を詳しく説明した。
眠れない、食欲がない、手足のしびれ…とにかく自分の体じゃないような感覚であることを伝えた。
先生は一つ一つの症状について、さらに詳しく聞いてきた。
眠れないと言っても、寝てもすぐ起きてしまうのか、最初から眠れないのかの違いがある。
そういうところを詳しく聞いて判断しているのだろう。

そのあと家族構成などを聞かれ、話した。なんというか…世間話のような診察。
「では、不安に効く薬と眠れるような薬を出しておきますから」
睡眠のリズムが整うまで薬を続けましょう。
仕事を休みたくなかったので午後1時頃でも見てもらえるか質問したところ、事前に電話くれれば対応しますとのこと。
仕事を休まなくてもいい!私は嬉しくなった。

薬は眠る前に飲むもので、この調子の悪さがどこまで改善されるのかワクワクした。
その夜は薬がばっちり効いて、ぐっすり眠ることができた。