２０１３年２月定例議会 一般質問（３月６日）
草の根 井原すがこ
２． 次に米軍基地問題についてお尋ねいたします。
（１） まず、愛宕山の都市計画変更についてですが、
昨年１１月の公聴会における市民の意見と、それに対する山口県と岩国市の考え方が、それぞれのホームページに掲載されています。市民の関心は愛宕山に集中し、米軍住宅化に対する反対や都市計画法上の問題点など多くの指摘がなされましたが、それらに対する県と市の考え方としては、ただ一つ、「都市計画の変更の案の修正は行いません」と簡単に記載されているだけです。あまりにも形式的に過ぎるのではありませんか。
また、今年の１月１５日から２週間にわたって、都市計画変更案が公開（縦覧）されました。これに対しても、愛宕山の周辺住民を中心にして多くの意見書が提出されたと聞いています。提出された意見書の総数とその内容を、具体的にお示しください。また、こうした意見書の内容を踏まえて都市計画変更案を見直すなど誠意ある対応をすべきだと思いますが、今後の都市計画手続きにおける取り扱いも含めて、県の考えをお聞きします。
もう一点、愛宕山開発跡地の都市計画法上の位置づけについてお聞きします。
１１月議会の一般質問と土木建築委員会でも取り上げましたが、どうしてもよく理解できません。
愛宕山の米軍住宅化については、岩国のまちづくりという観点からすれば、子どもたちに顔向けのできない愚かな選択であり、あくまで反対です。しかし、賛否はしばらくおくとして、私が確かめたいのは、純粋に法律問題です。都市計画法の解釈とその適用について明確にしたいのです。
行政には強大な権限が与えられています。それによって市民生活は大きな影響を受けます。従って、行政の権限は、法律に基づき適正に執行されなければなりません。それが、法治国家としての最低限の要件です。もちろん、その前提として、個別の条文は、その立法の趣旨に基づいて合理的に解釈される必要があります。
愛宕山は従来市街化調整区域でした。しかし、大規模住宅開発事業が始まることを前提に市街化区域に編入されました。市街化区域とは、都市計画法第７条第２項により、「おおむね１０年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」とされており、この規定に当てはまるものでした。
ところが、今回、市街化区域の前提となる大規模開発事業が廃止され、替わりに米軍基地が建設されることになりましたが、市街化区域としての位置づけは変わらないとのことです。そこで、確認します。市街化区域にするためには、都市計画法第７条第２項に該当する必要があると思いますが、それで間違いないでしょうか。
第７条第２項の適用があるとすれば、フェンスで仕切られ自由な行き来もできない基地を作ることがここで言う「市街化を図る」ことに該当するとお考えなのでしょうか。また、同条には「優先的かつ計画的に」市街化を図るべき区域とされていますが、米軍が管理し日本の法律が適用されない基地を岩国市なり山口県が「優先的かつ計画的に」にまちづくりをすることができると本当にお考えなのでしょうか。併せてお聞きします。
（２）次に、空母艦載機移駐の３年延期についてです。
１月末、防衛省から、家族住宅などの工事が遅れていることを理由に、空母艦載機の岩国移駐が３年延期されると通告されました。
私は、これを聞いて、直感的に何かおかしいとかなりの違和感をもちました。当初の予定までまだ２年もあるこの時期に、３年という長期の延長期間を明示する必要があるのでしょうか。国の話にはこれまでもごまかしが多く、何か裏があるのではないかと心配です。知事は、この話を聞いて、どのように思われましたか。
私には、一つの懸念があります。それは、こう着状態にある沖縄問題を打開するために、普天間などの負担の一部を岩国に肩代わりさせるという話が持ち出されてくるのではないかということです。岩国なら何とかなると思われているでしょうから。私の杞憂に過ぎないかもしれませんが、仮にそのような話がでてきたら、知事としてはどのように対応されるのでしょうか。
関連して、空母艦載機移駐に対する知事の現時点での対応方針を、再度確認しておきたいと思います。お考えをお聞かせください。
また、ちょうど今日から岩国基地を起点に訓練が始まるオスプレイについて、お伺いいたします。訓練ルートや回数などについてわかる範囲でお答えください。また今後、この種の訓練が常態化することが危惧されますが、県としてどのような見解をお持ちでしょうか。
