球体」という作品を見てきました。


計3回。

パイプカットという言葉が恥ずかしげもなく連呼されるので、初めは私が知っているパイプカットと違うものがあるのかな(・・?)と思っていたら、私の知っているパイプカットでした

アンチナタリズム(反出生主義)が軸にある物語で。
主人公がアンチナタリズムの人たちの精子と卵子(自分の精子も)をガチャに入れた(実際には保存場所の番号)アート作品を発表するところから物語が展開していきます。
そこに優生思想を持った独裁国家が絡んでくる...とてもシュールな物語ではあるのですが、1つ1つの要素を取り上げるとリアルでもある...という
面白い作品でした。
ガチャのアート作品が飾ってある博物館が物語の舞台となっているのですが、その作品が飾ってある舞台の上に開演前に上がれるのも面白かったです。始まる前から観客が作品に参加できる...
それだからか、シンプルな舞台がより一層博物館らしく感じられた気がします。

「雑魚ガチャじゃなくてレアガチャが良かった」というセリフがあるのですが...
激レアのガチャがいいという心理もわかる一方で、生命のレアガチャって何だろうとも思ったりして...
何かと生きづらい世の中を投影した舞台でもあるのですが、新原くんのダンスやシャボン玉の演出がどこかメルヘンでもあり、残酷でありながら希望が見える気がしました。