中学入試・算数の小部屋

中学入試に出される算数の問題は、一般の人にとっても、なかなか良くできた脳トレです。

早稲田実業学校中等部・2014年入試問題・算数2番(2)・解き方

2017年10月14日 | 中学受験算数・解き方
はるか昔、私がまだ受験生だった頃、英作文担当の先生はよく「和文和訳」が英作文のポイントですよと話していました。
つまり、与えられた文を、意味を変えずに、より英作しやすい形に変えなさいということです。
この問題にもまさしく和文和訳が使えます。
意味が分かりやすい形に問題文を変えましょうということです。

①文章を言い換えてみましょう。
1から300までの数の中に、Aの倍数が5個あったということですね。
すると次のような式が考えられます。
300÷5=60
つまり60の倍数は300までに5個あるということです。
ところがこれより小さい数、例えば59の倍数も300÷59=5あまり5ですから、やはり5個あるということになります。
すると、6個になるのはいくつからだろうと考えられますね。
300÷6=50
つまり50の倍数は6個あるということです。
ところがこれより大きい数、例えば51の倍数は300÷51=5あまり45ですから、5個しかないと分かります。
50の倍数は6個あるけれど、51の倍数なら5個しかない。
一方、上は、60までなら5個のままです。
つまり、Aとして考えられるのは、51以上60以下ということになります。
答え ア=51 イ=60

②文章を言い換えてみましょう。
1から300までの数の中で、8の倍数から、8とAとの公倍数を引くと35個になるということですね。
300÷8=37あまり4ですから、8の倍数は37個。
つまり、Aと8との公倍数は300までに2個あるということになります。
公倍数は、最小公倍数の倍数ですから、51から60のそれぞれの数と8との最小公倍数を調べてみましょう。
まず言えるのは、8は2以外の素因数を持ちませんから(2以外の素数では割り切れませんから)奇数と8との最小公倍数は、A×8となります。
51×8=408なので、300より大きいですから、Aは偶数だと分かります。
最小公倍数を求め、その倍数が300までに何個あるのか順番に調べていきましょう。
52と8との最小公倍数=104→300÷104=2→2個なのでOK
54と8との最小公倍数=216→300÷216=1→1個なので条件に合わない。
56と8との最小公倍数=56→300÷56=5→5個なので条件に合わない。
58と8との最小公倍数=232→300÷232=1→1個なので条件に合わない。
60と8との最小公倍数=120→300÷120=2→2個なのでOK
ということで、Aとして考えられるのは52と60です。

答え 52、60