ものつくりおじさんの制作日誌

ものつくり大好きおじさんがいろいろなものを作っていきます。

【革細工】ポケットティッシュケースを作る。

2023年04月03日 | 日記

 ずいぶん前に作ったポケットティッシュケースがメルカリで売れまして、型紙がもうないんですよね(捨てた…)今はCADで型紙をー作っているんですが、前は工作用紙を使っていたのでデータが残ってないんです。というわけで型紙から作っていきましょう。

とりあえず紙にラフスケッチで寸法を書いてみて、CADで図面を作成してます。それを印刷して工作用紙に貼り付けます。

これを切り出して、実際に使えるかどうかを確かめてみます。これは非常に重要で、若干寸法が足りなかったりすると革を無駄にすることになります(何度も経験あり)

案の定、寸法が足りなかったので(左図)寸法を修正して作り直しました。やっぱり確認しないとこういうことがたまにあるんですよ。

今回は無染色のヌメ革を希望ということだったので2㎜厚のものを使います。薄すぎるとすぐにペラペラと端がめくれるので、ある程度の厚みは必要です。前に1㎜で作ったときは質感も安っぽくなり、捲れてきました。

革を切る前にオイルアップをして保湿します。ニーフットオイルを使って、革の内部まで浸透させた後に表面をコーティングするようにミンクオイルを塗りこんでいます。

ミンクオイルを塗ると革表面の水濡れ耐久性が上がります。

革の床面(裏面)にはトコ面処理剤を塗って毛羽立ち防止をします。トコノールという商品を使っていますが、特にこだわりはなくCMCやトコプロ、トコフィニッシュなど類似商品も使ってます。

ガラス板で表面を擦ってトコノールをしっかりと定着させます。摩擦でテカるので、それをトコ面処理の目安にしています。トコ面処理をするのとしないのでは見た目も毛羽立ちも全然違うので必須の作業です。

革をカッターナイフと革包丁で切り出します。基本的にカッターでやりますが、Rの丸みを切り出すときには革包丁のほうが綺麗にできます。

次に革の表面を水で濡らして曲げ癖をつけます。ヌメ革は水で濡らして型を付けて乾かすと、型通りに定着するのでよく使うテクニックです。

切りっぱなしだと角がピンピンなのでヤスリで角を落とします。もちろん細かい部分は紙やすりとヘリ落としを使いますが、充電式リューターがあると便利です。

バネホックを固定具にしますので、バネホック取付位置に穴を開けます。穴を開ける位置を間違えると終わりなので、慎重に穴を合わせて開けます。

留め具を付ける際にはハンマーで叩いてもいいのですが、音も大きく失敗することもあるのでハンドプレスがあると便利です。Amazonで1万5千円くらいで買いましたが、これのおかげで騒音も出さず失敗もせずに革細工できるので買ったほうがいいです。

次に仮組立てをします。白ボンドの一種のサイビノールを使いますが、ぶっちゃけ木工用ボンドと同じものです。ボンドをつけたらクリップで乾くまで固定します。

固定したら微妙な段差ができているのでヤスリで段差を整えて、コバ処理剤で磨きます。そのあと、縫いの作業にはいっていきます。

ステッチンググルーバーで縫い線のガイドをつけてから菱目打ちで縫い穴の跡をつけ、菱ギリで縫い穴を貫通させます。菱ギリでスッと穴を開けると騒音は発生しないので菱ギリをもっていない方は買ったほうがいいです。

縫い糸はポリエステル系の糸を使います。やっぱり麻糸よりも樹脂糸のほうが耐久性に優れています。縫い終わったらトコノールでコバを磨いて完成ですが、自分の場合はロゴマークを刻印します。

買ってよかった道具のひとつ、レーザー彫刻機です。最近のレーザー彫刻機はスマホアプリで操作できるうえに画像データを簡単に刻印できるので楽です。一昔前は加工業者に頼んだり焼き印を注文する必要がありましたが、今ではモバイルバッテリーでも稼働するレーザー彫刻機があって超便利です。ちなみにこれはレーザーペッカーという機種で5万くらいしますが、1万円程度のものでもスマホと連動して刻印できる機種もあります。

どうでしょう、こんな感じで完成しました。ヌメ革なのでエイジングも楽しめるかな、と思います。

個人的には無染色のヌメ革を綺麗にエイジングするのは難しいと思います。どうしても汚れや傷が目立ってくるので、最初の一年くらいはエイジングというより汚らしい感じになるかなぁ…と。経験談ですが。薄く染色してあげたほうが汚れや傷が目立ちにくいのはあります、好みの問題ですね。

 

 



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