ながれやま栞 お話グループ中央 

子どもが好き、絵本が好き、おはなしが好き。そんな仲間たちの活動の様子を、折にふれてお知らせします。

伊藤明美先生講演会

2017-09-08 | 勉強会


今日は講師をお招きしての勉強会がありましたよ。
すごい方にいらして頂きました。
なんと、元浦安市立図書館司書で、朝日新聞「子どもの本棚」の書評委員、
東京書籍中学国語教科書編集委員、ブックスタート絵本選定委員などを歴任され、
全国昔ばなし大学の講師もされている、伊藤明美先生です


最初に、浦安市立図書館の環境についてうかがったのですが、
なんと浦安市には「中学校区にひとつ」図書館ないし分館があるそうです。
しかも図書館業務についている全員が司書資格をお持ちだとか。
その上、赤ちゃんから小学生まで、子どもたちが切れ目なくおはなしに親しめるよう、
読み聞かせやストーリーテリングに力を入れていて、
年齢層別の多様なおはなし会が多数開催されているとのこと。
しかもなんと年間にのべ1000回、職員の方々が小学校へ出張して読みきかせをしているそうです。

図書館では、司書の方々が、おはなし会ではないフロアーワークの時間も大切にされていて、
来館した子どもたちと積極的に関わり、ごく普通に一緒に絵本を読んだり読み聞かせたりされているようで、
よく来館する子どもたちは司書さんのことを「●●さん」と名前で呼んでいる模様。
名前で呼んでもらえる関係になるって、すごいことだと思います。
出会った子どもたちとの交流エピソードを、ここには書ききれないほどうかがったのですが、
子どもたちと「子どもの本」に関わる図書館の方々の距離がいかに近いか、
また職員のみなさんがどれほど細やかに配慮されておられるかが察せられました。
なんでも、子どもの本やおはなし会に関わる職員の方々は、
皆さんが本格的に語りの勉強をしながら日々の業務をこなしていらっしゃるのだとか!
この恵まれた図書館環境は、税収の多いうらやまし……じゃなかった、
浦安市の潤沢な予算のおかげはもちろんでしょうけれど、
職員のみなさんの弛まぬご努力の賜物なのだな~と思いました。

また、子どもたちに読み聞かせやストーリーテリングを行う意義や心構えについてもおうかがいしました。
人間はお母さんのお腹にいるときからすでに「聴覚」があるので、
五感の中でも聴覚の働きはとても大きい役割を果たしているのだそうです。
わたしたちが生きていく上で「言葉」は欠かせないものですが、
子どもたちが言葉を取り入れて自分のものとしていくためには、
家庭だけでなく、色々なところで出会った本やおはなしを通して、
「耳」から入ってきた言葉を蓄えていってもらうことが、とてもとても大切なことなのだとか。
また、聴覚はもちろんですが、子どもたちの五感に働きかけをすることも重要だそうです。
たとえば伊藤先生は、「ちいさなかがくのとも」の「とんぼとんぼあかとんぼ」を読まれるときに、
子どもたち全員の指先に、お手製のとんぼをちょこんと止まらせてあげるそうで、
子どもたちはしんぼう強く待っていて、とんぼが自分の指にとまるととてもほっとして喜んでくれるそうです。
疑似体験とはいえ、とんぼが指先にとまったときの感触、とまってくれるまでの期待と緊張が入り混じった気持ち、
そして、とまったときの喜びなどを味わった直後に絵本を読んでもらったら、
絵本やとんぼに対する印象がどれだけ深まることか!
素敵だなあと感じ入りました。





<続く>
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