今年はネピアグラスでの砂漠化防止のテーマが不採択になってしまった。もし採用されていれば乾燥地での砂漠化防止だけでなく生活にまで直結できた素晴らしいテーマだっただけにとても悔しい。採用や不採用を決める人たちは専門家の方だと思うが、先ゆく未来を考えての研究に支援してくれる人がいないのは残念だ。近年、特に無力感を感じることが多い。せっかくの提案なので攻めてブログに載せたい。
1.プロジェクトの目的
現在、世界人口は76億人を突破し、2050年には95億人を突破するといわれている。世界の穀物の44%は主に半乾燥地にて栽培されているが、今、この半乾燥地においての砂漠化防止及びその利用が、今後の食糧問題においての重要な役割を担うであろうといわれている。
私たちは2013年より内モンゴルアラシャンにて試験栽培されているネピアグラス(Pennisetum sp:菌草)に着目した。アフリカ原産のイネ科のC4植物は日本では九州以南で見られるが、寒帯や亜寒帯での生育例はほとんどない。近年、アラシャンにおいてウランブホ砂漠にて砂漠化防止の固砂の栽培成功により新たな可能性が注目されるようになってきた。
日本では除染やバイオエタノールへの利用も試みられているが、応用範囲はとても広い。飼料としても大きなものは4メートルを超え、1haあたりの収量は一般に300トン、条件の良いところで450トンにも達するほど生育が旺盛で強い。特に注目しているのは耐乾性が高い他に、旺盛な分けつと再生力があり、栄養繁殖の挿し木で簡単に増え、20℃以下では生長が停止するものの砂地の高温になる場所に適しており砂を圧えるための根茎が発達し砂を止めることもできる。菌草といわれる所以は、飼料としての他に収穫したものをキノコ栽培のための菌床にすることができる。農牧民の生活地域では輸送の問題があるが、キノコの場合、乾燥保存ができるため、農牧民の生活収入にも繋がる。発達した根茎を利用し、この根にこれまで研究してきているアラシャンにて分離培養した土壌改良能力の高いシアノバクテリア(AL-S)を接種することで土壌改良や窒素供給にも繋がりさらに生育を伸ばす。その発酵クズも飼料になり、これらの栽培が普及できれば、砂漠や荒廃地においての砂漠化防止及び飼料栽培に有効な手段となり、ひいては他国への応用も可能となる。
2.具体的な活動
・アラシャンのセンターとトングリ砂漠・大通格里の2箇所に合計1haに栽培地を整備。
・2箇所の栽培地(阿拉善センター・大通格里)に灌漑パイプ設置
・トングリ砂漠内の栽培地(大通格里)に簡易井戸の設置
・アラシャンセンター内に接種のためのシアノバクテリア培養
・収穫したネピアグラスからサイレージ作り
・菌床作り
多年生のネピアグラスは地下茎の膨大な根が土壌を改善し流砂を固定し砂漠化を防止すると共に、その茎葉を飼料として利用ができるため、これまで内モンゴルセンターで検証して来た農牧民参加型のモデルの一つになり、多年生のネピアグラスは持続的な飼料として利用できるため、懸念の一つである市場を開拓する必要がなく、積極的な農牧民の参加が見込まれる。
このモデルは寒帯、亜寒帯の内陸砂漠だけでなく亜熱帯や熱帯砂漠や半乾燥地での飼料生産への可能性があり、合わせてキノコ栽培を普及させることにより現地住民の収入増加にも繋がる。今回は現地の普及も考え、できるだけ安いコストでできるように行う。懸念の一つは、現地には質の良い灌漑パイプがないために砂が詰まるなどの課題があるが、この部分の価格は合わないものの、日本製の灌漑パイプを一部試験的に設置することで比較したい。またシアノバクテリアを利用した土壌改良や窒素供給の実践はセンター以外では、これまでどこも行っていないため、生育比較をしたい。飼育栽培だけでなくキノコ栽培、収量増加に成功すれば途上国への画期的な技術に繋がると考えている。
使 途 |
<事業全体> |
|
|
1. 資機材費 |
|
||
1)苗畑整備費 |
|
||
菌草苗代(2.25t送料込) |
100000 |
|
|
灌漑パイプ代 |
180000 |
|
|
簡易井戸掘り |
150000 |
|
|
井戸切削部品 |
60000 |
|
|
ソーラーポンプ・バッテリー代(砂漠地) |
70000 |
|
|
柵代(砂漠地) |
60000 |
|
|
シアノバクテリア培養 |
100000 |
|
|
菌床栽培棚、接種菌、袋 |
110000 |
|
|
サイレージ作り費用 |
60000 |
|
|
2. 人件費・管理費 |
|
||
内モンゴルプロジェクトスタッフ人件費 |
|
||
60000円×12ヶ月 |
720000 |
|
|
25000円×12ヶ月 |
300000 |
|
|
労賃 |
|
||
10日×3名×3000円 |
90000 |
|
|
|
|||
砂漠地スタッフ管理費 |
|
||
専門家派遣費 9万円×2名 |
180000 |
|
|
現地専門家指導費 10万円×1名 |
100000 |
|
|
管理事務経費 3万円×12ヶ月 |
360000 |
|
|
車燃料・電気代 (2万円×12ヶ月) |
240000 |
|
|
3. 旅費交通費 |
|
||
1)国内交通費 3万円×4往復 |
120000 |
|
|
2)国際交通費 7万円×2往復 |
140000 |
|
|
|
|||
合 計 |
3140000 |
|
専門家経費を含めて300万円あまりかかるが、なんとかしてやりたかったです。