StoptheDesert通信 (砂漠化防止活動の記録)

内モンゴルからウズベキスタンにて砂漠化防止活動を行なっているため、オイスカ内蒙古、アラシャン通信から移行しました。

ウズベキスタンでのおもてなし

2019-03-29 14:10:32 | 環境保護

ウズベキスタンに入るといつも感動するのが親切な「おもてなし」だ。空港からタクシーに乗ると高いので、いつも1200sumの安い11番と92番バスがあるので、それでチョルスバザールまで移動する。立っていると若い女子が「どうぞ」と譲ってくれた。荷物が多かったのでありがたく座らせていただいたのだが、その後もおじいさんやおばあさんが来るたびに皆、席を譲る。子供づれのお母さんが来たらすぐに席をたつ。地下鉄に乗っていても外国人だとわかるとさっと席を譲ってくれる。日本はオリンピックに向けて「おもてなし」の国にしようというが、こうした公共機関で席を外国人に譲るような習慣を今から行えば、「おもてなしのいい国だった」と言われるようになるだろう。それよりも席を譲ることで色々な話ができるきっかけにもなる。いい習慣なので日本でも流行らないかなと考える。


秘密の場所

2019-03-21 03:14:52 | 環境保護

牧民が帰りがけにいい場所に連れていってくれるという。誰も観光客が来たことがない「狼の谷」といわれる秘密の谷に入ると、「かつてはここに狼がいたんだ」と話してくれた。何億年もの月日が経ったのだろう、砂が化石になっている。表面にあるため、石も脆く割れ頁岩のように固くないが、これがさらに何億年も堆積すれば頁岩のように固くなるのだろう。人間の時間の短さに比べ自然の時間の果てしない長さを感じた。


牧民の生活

2019-03-20 04:04:24 | 環境保護

牧民の村を訪れると、今の私たち日本人に忘れたものを体験できる。300km走ったモンゴル国との国境の奥の村に植林の準備にて入る。モンゴル犬の子犬が迎えてくれる。子犬といっても成犬くらいの大きさだ。成犬はセントバーナードのように大きくなるそうだ。ここでは何もない不便な生活の中で、必要なのは学力よりも生きる力、工夫をする力だ。なので家でも何でも作り、車でもトラックでも何でも治してしまう。中古で捨ててしまうようなバイクも牧民の手に掛かれば治ってしまう。余計なものは何もなく、毎日が単調に思えるが、生活はとても安定している。余計なものがはびこり、忙しい毎日の中、先が見えず不安定に生きる私たちにとって、何が必要か、何が幸せかを考えさせてくれる。


遠隔医療の時代

2019-02-25 13:58:55 | 環境保護

日本では過疎化の問題が起こっているが、中国でも同じく農村地区の医療水準が低く、皆、大都市の病院に殺到している。そんな中、阿拉善中心病院で始められたのが、遠隔治療。北京の名医と組んで阿拉善にいてもネットにより専門家の治療アドバイスを貰い診察をしてもらえる。そう考えると、これからの農村医療は、こうした専門家と組んでネットワーク的な医療により農村でも安心して診察が受けられるという時代がくるかもしれない。そのうちにコンピューターで自宅でも診てもらえる時代がくるかもしれないと予感させられた。


札幌開成中等教育学校にて

2019-01-30 22:42:35 | 環境保護

今日はオイスカ北海道支部の協力により札幌開成中等教育学校にて久しぶりに講演会をしました。ここの学校はSDGs活動に積極的に取り組んでおります。当日は思った以上に環境問題に対しての意識の高い学生が多く驚きました。気候変動の問題は待ったなしであり2025年にはさらにこうした問題が表面化し加速化してくる中で、日本の取り組みが世界から取り残されている状況です。ただ、真剣に聞いてくださる学生を前にして将来への希望が見えて来ました。今後、彼らが主役になる日も近いでしょう。今日お話しした学生の中から一人でも多くの問題解決に取り組む学生が出てこればいいです。


今日は大寒

2019-01-20 11:45:52 | 環境保護

今日は大寒、日中の気温は-9℃で比較的暖かい。スタッフが2人とも発熱して寝込んでしまい、急遽病院に行くと同じような風邪の人が多い。どうも流行性の風邪のようだ。とても乾燥しているので加湿器を入れ暖かくして寝てもらうことにした。昨年はこの時期に水が凍ってしまいストップした。幸い井戸からの水道管は新しい電熱線を通したので何とか無事に給水できている。梭梭(ウズベキスタンではサクサウール)の木たちは休眠に入っていて静かなアラシャンだ。


石炭ボイラー

2019-01-18 22:45:52 | 環境保護

今日、石炭5トン使い終わりさらに3トン買いに行く。石炭屋は町の外れにあり、牧民たちが買いに来ている。今年の価格は700元/トン前後であるが、620元の安い石炭を購入した。近年、町では石炭から天然ガスを使うようになり大気もだいぶ改善されて来ている。しかしながら農家や牧民の家での主要な暖房はまだ梭梭や石炭が主であり、梭梭ならまだしも石炭の質も安いクズ石炭から売れるので、これが主な汚染の原因となっている。このあたりのフィルターが普及すれば大気の改善もされるだろうが、環境意識はまだ変わっていない。大きな発電所などでは対策できても農家への改善が必要である。


本年もよろしくお願いいたします

2019-01-01 08:26:27 | 環境保護

あけましておめでとうございます。年末にコンピュータウイルスにやられてしまいました。幸いデータはバックアップしていました。さて昨年は内モンゴルよりウズベキスタンまでの北緯39度から42度の内陸砂漠にて植林を行いました。たくさんの方のご協力をありがとうございました。昨今の世界は協調の流れから自国主義が蔓延して大変なことになってきています。これらは世界人口が増える中で予想できたことですが、地球は一つしかありません。海洋プラスチックの問題もありましたが、住みよい地球環境のための環境改善(私たちの砂漠化防止を含め)は待ったなしです。今年からはSDGs「持続可能な開発のため2030年までに達成すべき目標」の観点から貧困削減のための環境改善に力を入れていきたいと考えています。植林するためには水がなければ育ちません。井戸を掘ればいいのですが、井戸を掘るのにも許認可がなければ掘れなくなっており、そのために井戸は1箇所しかなく、昨年は灌漑パイプを整備したのですが、砂が詰まったり圧力調整が難しくうまく水が流れなかったりと一つのことでもまだまだ改善が必要です。また漢方薬(ニクジュヨウ)栽培も3年は掛かるのですが、栽培の効率化が必要です。今年は町から60km離れた騰格里(テンゲリ)砂漠に試験地を増設するとともにルピナグラスの栽培を行います。またセンターの整備を行い、乾燥地にて研究ができる体制を整備していきたいと考えています。また現地で採れた漢方薬からこれまでは薬味酒を作りましたが、生産から販売、さらに植林の循環を作るためにも、原料販売体制も確立します。現地の活動の様子を今年からブログだけでなくyoutubeなどでも積極的に配信していけるようにします。皆様にとってもよい1年になりますよう、本年もどうぞよろしくお願いいたします。


種子取り

2018-11-30 18:14:09 | 環境保護

何事も蒔かぬ種は生えぬ。種子取りは緑化の1番の基本だ。サクサウールの種子を集める。1日で120kgくらい集まった。ここから種子の処理をして実際には20kgくらいになる。この種子を播いて苗を作る。ただ内モンゴルと違ってウズベキスタンは種子を播くだけで育つところもあるから面白い。カラカルパクスタン自治州では2019年の植林計画のうち(10万ヘクタール)8割は植林だが2割は種子を播くという。秋から冬の緑化が重要、これもウズベキスタンの特徴だ。


素朴で美しい街

2018-11-26 22:40:51 | 環境保護

ウズベキスタンのタシケントについて。今回はしばらく滞在することになったこの街は、いつも来るとなぜかホッとする素朴で美しい街だ。このあたりとフェルガナのあたりの気温だけが厳しいウズベキスタンの中では格別に過ごしやすいからだろう。マイナス10℃のウルムチから来ると暖かく感じる。

ひっそりと佇むモスクに入る敬虔な人たち、バザールに行くと昔ながらの人と人が会話をしながらのゆったりとした雰囲気が漂う。美味しそうな柿が売っていた。「1kgいくら?」「3000スム」「まけてよ」仕方ないなと笑う。「どこから来たの」かつてのシルクロードの重要な交易の街だけあって、今も続く会話のある街は楽しい。インターネットなどの買い物は確かに便利だが、原点を時々振り返ることは必要かなと思ったり。この地球上にまだこうした素朴な街が残っていることは旅人にとっても幸運だ。