StoptheDesert通信 (砂漠化防止活動の記録)

内モンゴルからウズベキスタンにて砂漠化防止活動を行なっているため、オイスカ内蒙古、アラシャン通信から移行しました。

内モンゴル・アラシャンにおけるネピアグラスを利用した砂漠化防止の取り組み(不採択)

2019-04-02 08:41:36 | 環境保護

今年はネピアグラスでの砂漠化防止のテーマが不採択になってしまった。もし採用されていれば乾燥地での砂漠化防止だけでなく生活にまで直結できた素晴らしいテーマだっただけにとても悔しい。採用や不採用を決める人たちは専門家の方だと思うが、先ゆく未来を考えての研究に支援してくれる人がいないのは残念だ。近年、特に無力感を感じることが多い。せっかくの提案なので攻めてブログに載せたい。

1.プロジェクトの目的

現在、世界人口は76億人を突破し、2050年には95億人を突破するといわれている。世界の穀物の44%は主に半乾燥地にて栽培されているが、今、この半乾燥地においての砂漠化防止及びその利用が、今後の食糧問題においての重要な役割を担うであろうといわれている。

 私たちは2013年より内モンゴルアラシャンにて試験栽培されているネピアグラス(Pennisetum sp:菌草)に着目した。アフリカ原産のイネ科のC4植物は日本では九州以南で見られるが、寒帯や亜寒帯での生育例はほとんどない。近年、アラシャンにおいてウランブホ砂漠にて砂漠化防止の固砂の栽培成功により新たな可能性が注目されるようになってきた。

 日本では除染やバイオエタノールへの利用も試みられているが、応用範囲はとても広い。飼料としても大きなものは4メートルを超え、1haあたりの収量は一般に300トン、条件の良いところで450トンにも達するほど生育が旺盛で強い。特に注目しているのは耐乾性が高い他に、旺盛な分けつと再生力があり、栄養繁殖の挿し木で簡単に増え、20℃以下では生長が停止するものの砂地の高温になる場所に適しており砂を圧えるための根茎が発達し砂を止めることもできる。菌草といわれる所以は、飼料としての他に収穫したものをキノコ栽培のための菌床にすることができる。農牧民の生活地域では輸送の問題があるが、キノコの場合、乾燥保存ができるため、農牧民の生活収入にも繋がる。発達した根茎を利用し、この根にこれまで研究してきているアラシャンにて分離培養した土壌改良能力の高いシアノバクテリア(AL-S)を接種することで土壌改良や窒素供給にも繋がりさらに生育を伸ばす。その発酵クズも飼料になり、これらの栽培が普及できれば、砂漠や荒廃地においての砂漠化防止及び飼料栽培に有効な手段となり、ひいては他国への応用も可能となる。

2.具体的な活動

・アラシャンのセンターとトングリ砂漠・大通格里の2箇所に合計1haに栽培地を整備。

・2箇所の栽培地(阿拉善センター・大通格里)に灌漑パイプ設置

・トングリ砂漠内の栽培地(大通格里)に簡易井戸の設置

・アラシャンセンター内に接種のためのシアノバクテリア培養

・収穫したネピアグラスからサイレージ作り

・菌床作り

 多年生のネピアグラスは地下茎の膨大な根が土壌を改善し流砂を固定し砂漠化を防止すると共に、その茎葉を飼料として利用ができるため、これまで内モンゴルセンターで検証して来た農牧民参加型のモデルの一つになり、多年生のネピアグラスは持続的な飼料として利用できるため、懸念の一つである市場を開拓する必要がなく、積極的な農牧民の参加が見込まれる。

 このモデルは寒帯、亜寒帯の内陸砂漠だけでなく亜熱帯や熱帯砂漠や半乾燥地での飼料生産への可能性があり、合わせてキノコ栽培を普及させることにより現地住民の収入増加にも繋がる。今回は現地の普及も考え、できるだけ安いコストでできるように行う。懸念の一つは、現地には質の良い灌漑パイプがないために砂が詰まるなどの課題があるが、この部分の価格は合わないものの、日本製の灌漑パイプを一部試験的に設置することで比較したい。またシアノバクテリアを利用した土壌改良や窒素供給の実践はセンター以外では、これまでどこも行っていないため、生育比較をしたい。飼育栽培だけでなくキノコ栽培、収量増加に成功すれば途上国への画期的な技術に繋がると考えている。

使 途

 

<事業全体>

 

1. 資機材費

 

 

1)苗畑整備費

 

 

菌草苗代(2.25t送料込) 

100000

 

灌漑パイプ代

180000

 

簡易井戸掘り

150000

 

井戸切削部品

60000

 

ソーラーポンプ・バッテリー代(砂漠地)

70000

 

柵代(砂漠地)

60000

 

シアノバクテリア培養

100000

 

菌床栽培棚、接種菌、袋 

110000

 

サイレージ作り費用 

60000

 

2. 人件費・管理費

 

 

内モンゴルプロジェクトスタッフ人件費  

 

60000円×12ヶ月

720000

 

25000円×12ヶ月

300000

 

労賃

   

 

10日×3名×3000円

90000

 

     

 

砂漠地スタッフ管理費          

 

専門家派遣費 9万円×2名

180000

 

現地専門家指導費 10万円×1名

100000

 

管理事務経費 3万円×12ヶ月

360000

 

車燃料・電気代 (2万円×12ヶ月)

240000

 

3. 旅費交通費 

 

 

1)国内交通費 3万円×4往復

120000

 

2)国際交通費 7万円×2往復

140000

 

                                                

  合  計 

3140000

 

専門家経費を含めて300万円あまりかかるが、なんとかしてやりたかったです。

 

 

 

 


ウズベキスタンでのおもてなし

2019-03-29 14:10:32 | 環境保護

ウズベキスタンに入るといつも感動するのが親切な「おもてなし」だ。空港からタクシーに乗ると高いので、いつも1200sumの安い11番と92番バスがあるので、それでチョルスバザールまで移動する。立っていると若い女子が「どうぞ」と譲ってくれた。荷物が多かったのでありがたく座らせていただいたのだが、その後もおじいさんやおばあさんが来るたびに皆、席を譲る。子供づれのお母さんが来たらすぐに席をたつ。地下鉄に乗っていても外国人だとわかるとさっと席を譲ってくれる。日本はオリンピックに向けて「おもてなし」の国にしようというが、こうした公共機関で席を外国人に譲るような習慣を今から行えば、「おもてなしのいい国だった」と言われるようになるだろう。それよりも席を譲ることで色々な話ができるきっかけにもなる。いい習慣なので日本でも流行らないかなと考える。


秘密の場所

2019-03-21 03:14:52 | 環境保護

牧民が帰りがけにいい場所に連れていってくれるという。誰も観光客が来たことがない「狼の谷」といわれる秘密の谷に入ると、「かつてはここに狼がいたんだ」と話してくれた。何億年もの月日が経ったのだろう、砂が化石になっている。表面にあるため、石も脆く割れ頁岩のように固くないが、これがさらに何億年も堆積すれば頁岩のように固くなるのだろう。人間の時間の短さに比べ自然の時間の果てしない長さを感じた。


牧民の生活

2019-03-20 04:04:24 | 環境保護

牧民の村を訪れると、今の私たち日本人に忘れたものを体験できる。300km走ったモンゴル国との国境の奥の村に植林の準備にて入る。モンゴル犬の子犬が迎えてくれる。子犬といっても成犬くらいの大きさだ。成犬はセントバーナードのように大きくなるそうだ。ここでは何もない不便な生活の中で、必要なのは学力よりも生きる力、工夫をする力だ。なので家でも何でも作り、車でもトラックでも何でも治してしまう。中古で捨ててしまうようなバイクも牧民の手に掛かれば治ってしまう。余計なものは何もなく、毎日が単調に思えるが、生活はとても安定している。余計なものがはびこり、忙しい毎日の中、先が見えず不安定に生きる私たちにとって、何が必要か、何が幸せかを考えさせてくれる。


遠隔医療の時代

2019-02-25 13:58:55 | 環境保護

日本では過疎化の問題が起こっているが、中国でも同じく農村地区の医療水準が低く、皆、大都市の病院に殺到している。そんな中、阿拉善中心病院で始められたのが、遠隔治療。北京の名医と組んで阿拉善にいてもネットにより専門家の治療アドバイスを貰い診察をしてもらえる。そう考えると、これからの農村医療は、こうした専門家と組んでネットワーク的な医療により農村でも安心して診察が受けられるという時代がくるかもしれない。そのうちにコンピューターで自宅でも診てもらえる時代がくるかもしれないと予感させられた。


札幌開成中等教育学校にて

2019-01-30 22:42:35 | 環境保護

今日はオイスカ北海道支部の協力により札幌開成中等教育学校にて久しぶりに講演会をしました。ここの学校はSDGs活動に積極的に取り組んでおります。当日は思った以上に環境問題に対しての意識の高い学生が多く驚きました。気候変動の問題は待ったなしであり2025年にはさらにこうした問題が表面化し加速化してくる中で、日本の取り組みが世界から取り残されている状況です。ただ、真剣に聞いてくださる学生を前にして将来への希望が見えて来ました。今後、彼らが主役になる日も近いでしょう。今日お話しした学生の中から一人でも多くの問題解決に取り組む学生が出てこればいいです。


今日は大寒

2019-01-20 11:45:52 | 環境保護

今日は大寒、日中の気温は-9℃で比較的暖かい。スタッフが2人とも発熱して寝込んでしまい、急遽病院に行くと同じような風邪の人が多い。どうも流行性の風邪のようだ。とても乾燥しているので加湿器を入れ暖かくして寝てもらうことにした。昨年はこの時期に水が凍ってしまいストップした。幸い井戸からの水道管は新しい電熱線を通したので何とか無事に給水できている。梭梭(ウズベキスタンではサクサウール)の木たちは休眠に入っていて静かなアラシャンだ。


石炭ボイラー

2019-01-18 22:45:52 | 環境保護

今日、石炭5トン使い終わりさらに3トン買いに行く。石炭屋は町の外れにあり、牧民たちが買いに来ている。今年の価格は700元/トン前後であるが、620元の安い石炭を購入した。近年、町では石炭から天然ガスを使うようになり大気もだいぶ改善されて来ている。しかしながら農家や牧民の家での主要な暖房はまだ梭梭や石炭が主であり、梭梭ならまだしも石炭の質も安いクズ石炭から売れるので、これが主な汚染の原因となっている。このあたりのフィルターが普及すれば大気の改善もされるだろうが、環境意識はまだ変わっていない。大きな発電所などでは対策できても農家への改善が必要である。


本年もよろしくお願いいたします

2019-01-01 08:26:27 | 環境保護

あけましておめでとうございます。年末にコンピュータウイルスにやられてしまいました。幸いデータはバックアップしていました。さて昨年は内モンゴルよりウズベキスタンまでの北緯39度から42度の内陸砂漠にて植林を行いました。たくさんの方のご協力をありがとうございました。昨今の世界は協調の流れから自国主義が蔓延して大変なことになってきています。これらは世界人口が増える中で予想できたことですが、地球は一つしかありません。海洋プラスチックの問題もありましたが、住みよい地球環境のための環境改善(私たちの砂漠化防止を含め)は待ったなしです。今年からはSDGs「持続可能な開発のため2030年までに達成すべき目標」の観点から貧困削減のための環境改善に力を入れていきたいと考えています。植林するためには水がなければ育ちません。井戸を掘ればいいのですが、井戸を掘るのにも許認可がなければ掘れなくなっており、そのために井戸は1箇所しかなく、昨年は灌漑パイプを整備したのですが、砂が詰まったり圧力調整が難しくうまく水が流れなかったりと一つのことでもまだまだ改善が必要です。また漢方薬(ニクジュヨウ)栽培も3年は掛かるのですが、栽培の効率化が必要です。今年は町から60km離れた騰格里(テンゲリ)砂漠に試験地を増設するとともにルピナグラスの栽培を行います。またセンターの整備を行い、乾燥地にて研究ができる体制を整備していきたいと考えています。また現地で採れた漢方薬からこれまでは薬味酒を作りましたが、生産から販売、さらに植林の循環を作るためにも、原料販売体制も確立します。現地の活動の様子を今年からブログだけでなくyoutubeなどでも積極的に配信していけるようにします。皆様にとってもよい1年になりますよう、本年もどうぞよろしくお願いいたします。


種子取り

2018-11-30 18:14:09 | 環境保護

何事も蒔かぬ種は生えぬ。種子取りは緑化の1番の基本だ。サクサウールの種子を集める。1日で120kgくらい集まった。ここから種子の処理をして実際には20kgくらいになる。この種子を播いて苗を作る。ただ内モンゴルと違ってウズベキスタンは種子を播くだけで育つところもあるから面白い。カラカルパクスタン自治州では2019年の植林計画のうち(10万ヘクタール)8割は植林だが2割は種子を播くという。秋から冬の緑化が重要、これもウズベキスタンの特徴だ。