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「罪と罰」と「白痴」の世界

ドストエフスキーの「罪と罰」と「白痴」を徹底解読するブログです。

萌えキャラ

2005-07-09 22:46:48 | 「罪と罰」について
何だかアニメみたいなタイトルになってしまった。
というのも、「罪と罰」の第二部を読了したのだが、何も書くことがないのだ。
というか、第一部のような分析はする気になれなかった。
第二部はラスコが老婆殺しを犯したあと、捜査が徐々に進む中、
マルメラードフが馬車に轢かれて死に、それをきっかけにソーニャと運命的な出逢いをするのがメイン。
ソーニャの妹のポーレンカが、帰りかけるラスコを追いかけてきて、階段の途中で二人で会話するシーンは、これもまた名場面だ。
おそらくは、全編中でも珠玉のシーンであろう。
しかし、である。
このキャラ立ては、まるでアニメではないか。
家族の生計を立てるために娼婦に堕ちたソーニャ、純真無垢な妹のポ-リャは、
「北斗の拳」のユリアとリンを彷彿とさせる。
それにラオウ、トキ、ケンシロウの三兄弟は、カラマーゾフの兄弟を下敷きにしていることは明白だ。
何を言いたいかというと、ラスコとソーニャのキャラ立ては、あまりにも人間の典型が鮮やかすぎるので、現代の文学では描きにくい。だから、アニメとかのほうが表現しやすいのだという気がしたのである。
天使の魂を持った永遠の女神像として描かれるソーニャは、まさに萌え過ぎである。
何もチャカしているわけではない。
現代において、「罪と罰」で採用されている人物配置で小説を書くことは極めて困難であり、マンガになってしまう可能性のほうが高いと感じた。
第二部を読み終えて一番感じたことは、意外にもそんなことだった。

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