『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の「ザクⅡ」といえば、こちらです。
「オリジン」アニメ版は、全部『C型』系です。
『オリジン』の『C型』には「C5型」や「C6型」、「C6型」に「R6キット」装備した「C6/R6」なんていうバリエーションも設定されています。
『ザクⅡC6/R6』
いずれも「C型」の派生です。
ここで、『ザクⅡC型』について解説(wiki)見てみます。
『ザクⅡC型』
『A型に次いで試作機が完成。
ただちに量産が開始されたザクIIであり、ジオン公国軍の一年戦争開戦時点における主力機となる。
いずれは連邦軍もMSを配備する可能性を想定し、A型に近接戦能力がないことを不安に思ったキシリア・ザビの提言により、右肩のシールドと左肩のスパイクアーマーが固定装備、さらに標準兵装としてヒート・ホークが携行されている。
核攻撃で併用されることを前提としており、コクピット周辺の三重複合装甲裏側に放射線遮蔽液が注入され、自重は72トンに達した。
しかし、後に南極条約によって核兵器の使用が禁止されるとデッドウエイトとなると判断され、耐核装備を外した量産型(F型)に移行する。』
(ファーストガンダム設定が主だが、オリジンでもほぼ同義)
『C5型』
『C型を宇宙と地上の両方で運用できるように改修したタイプ。
コックピット・ハッチが右胸から左胸に変更され、形状も異なる。
ハッチ上部に小型のレーザー銃、胸部左右の下部に小型スラスターが増設されている。』
『C6型』
C-5型の改修機で、C型とF型の間に少数生産されている。
右胸に3連装バルカン砲(R6キットとは別)が1基増設されている。
『R6キット』
『ザクⅡC型系MSに装着できるオプション装備。
胸部(肩口)左右の30ミリバルカン砲と、左前腕部の20ミリ機銃ポッドの2つからなり、両方あるいは一方を装備した機体は型式番号末尾に『・・・/R6』表記となる。』
一方、『ファーストガンダム』のザクを見てみます。
『ザクⅡ(ファーストガンダム版)』
私的には、『これぞ!ザク!』って気分です。
しかし、同じ「ザクⅡ」でも「オリジン版(カトキ先生デザイン)」と「ファースト版(大河原先生デザイン)」では、頭身からスタイルから違い過ぎます。
何処がどう違うかを比べようにも、デザイナーが違うので比べられません。
なんで、『オリジン版』『ファースト版(カトキ氏デザイン)』『ファースト版(大河原氏デザイン)』と、3つを並べてみます。
左『オリジン版』、中央『ファースト版(カトキ氏デザイン)』、右『ファースト版(大河原氏デザイン)』です。
流石に同じカトキ氏のデザインだと、比較しやすいですね。
まず、目を引くのが、左肩スパイクアーマーの大きさ。
これは、他の、『オリジン版』『ファースト版(カトキ氏デザイン)』でも見られる差(ザクⅠ等)なので、『スタイルの違い』として割愛します。
それを除けば『細かなモールドの違い』となります。
それと、左『オリジン版』と右『ファースト版(大河原氏デザイン)』では同系色ですが、確実に「色の違い」があります。
モールドは(後述しますが)一部『頭部』『胸(俗にいうチ○ビモールド)』と見逃せない差異がありますし、色設定は明らかに違います。
別物である以上、別の種類の機体と考えるべきでしょう。
ガンダムMS設定の法則「あるある」ですね。
(かつての「ザクⅡF2」が、「ザクⅡF」の解釈違いでデザインした経緯だったのに、別機体として設定したように。)
設定について、まず明確なのが、『オリジン版ザクⅡ』。
最初にも書きましたが、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』公式HPにおいて、アニメ『オリジン版ザクⅡ』は、全て『C型(系)』と設定されています。
逆説的に、『ファーストガンダム版ザクⅡ』については、以下の事が言えます。
①『ファーストガンダム版ザクⅡ』は「オリジン版ザクⅡ」とは「別機体」。
②アニメ版に限っては、「オリジン版(アニメ)」と「ファーストガンダム(アニメ)」は別の時期を描いています。
「オリジン版(アニメ)」は、「ファースト版」の冒頭「ガンダム、大地に立つ」直前までを描いており、「この後、ファーストガンダムに繋がる」ような演出で幕を落とします。
「ザクⅡ」も「オリジン版」より未来である「ファースト版」の方が、より新型であると推測できます。
③上記②から、『ファーストガンダム版ザクⅡ』は「オリジン版ザクⅡ」の後継機と判断できます。
『オリジン版ザクⅡ』=『C型』の後継機とすれば、『ファーストガンダム版ザクⅡ』=『F型』となります。
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<おことわり>
『オリジン』はアニメ以降も物語は「コミック版」で継続しますし、その設定もあります。
しかし、「ガンダム世界はアニメ版の設定が優先する」という大原則が、あります。
そのため「アニメ版オリジン」以降の物語は、『アニメ版ファーストガンダム』が優先するので、その後の物語である『コミック版オリジン』設定は(ファーストガンダム版設定に抵触する部分は)無視します。
また、『オリジン版』は「パラレル」という概念がありますが、「パラレル」ではない事を前提に記事にしています。
『オリジン版アニメ化プロジェクト』が終了(安彦氏とカトキ氏が「オリジン劇場版パンフレット」で明言)した今、『ファーストガンダム』と物語が被らない(「ガンダム大地に立つ」以前が「オリジン」、以降が「ファースト」)となれば、他の外伝・サイドストーリー(「08小隊」等)と立ち居地は一緒。
(物語の理不尽な「上塗り否定」が無い)
それであれば、『オリジン』『ファーストガンダム』の共生を「背景設定」をすり合わせて考えいていく・・・という見方です。
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『C型』と『F型』の相違点をまとめると、
①『色設定』基本色「緑」の濃(C型)淡(F型)
②『文字設定』耐核装備の有(C型)無(F型)
③『装甲デザイン』上の『モールド』
この3つが主な相違点でしょう。
ただし①②と違って、③『装甲デザイン上のモールド』については、公式・商業レベルの「F型」デザインで最も精密なモールドのデザインと比較しないと公平になりません。
そこで、商業ベースで最もモールドの多いデザインの『ガンプラ(RG)のF型』と『オリジンC型』を比較してみます。
左『オリジン版(C型)』、中央『ファースト版(カトキ氏デザイン)(F型)』、右『ガンプラ RG(F型)』です。
①脚モールド・脚部スラスタ
『オリジン版(C型)』と『ファースト版(カトキ氏デザイン)(F型)』比較して最も目立っていた『脚・全般』のモールドは、『オリジン版(C型)』と『ガンプラ RG(F型)』では大差ないですね。
強いて言えば「下腿」にある「姿勢制御スラスタ」の有(F型)無(C型)ですね。
しかし、『ファースト版(カトキ氏デザイン)(F型)』には無いので判断の難しいところです。
『ガンプラ MG』では、『脚部スラスタ』の有無は、『F型』にあって『J型』無い、「背部バーニア」と並んで「F型のシンボル」的な部位ですし。
でも『ファーストガンダム』アニメ映像には、脚部スラスタ描写は無いんですよね。
個人的には、有無「両方」を尊重して、
『C型からF型に移行した際、多数のパイロットの要望で「脚部スラスタ」が増設された機体が多く存在した。但し量産コストが嵩む為、全てのF型に装備されているものではなかった。』
とか、どうでしょう。
②「頭部デザイン意匠」
『オリジン版(C型)頭部』中央には、2本のモールド(装甲板のつなぎ目)があります。
左『オリジン版(C型)頭部』、中央『カトキ氏デザイン・ファーストガンダム版(F型)頭部』、右『ガンブラRG(F型)頭部』です。
『オリジン版(C型)頭部』中央に2本あるモールド(装甲板のつなぎ目)は、『カトキ氏デザイン・ファーストガンダム版(F型)頭部』や『ガンブラRG(F型)頭部』にはありません。
これは、明らかな相違であり、頭部2本モールド(装甲板のつなぎ目)が無い事が『F型』の特徴と言ってもよいと思います。
・C型「装甲板の分割・細分化」=『実体弾の被弾時の衝撃を吸収』する設計
↓
・F型『頭部(センサー)』のような重要な箇所等を限定して、「装甲板の一体・簡略化」=『装甲の剛性が強化』する設計
へと装甲板への設計コンセプトを変えた。
そして、
『装甲一体化』=「装甲パネル減少」から「組立簡素化=生産スピード向上」も図った。
・・・といったところでしょう。
ちなみに、『第08小隊』の『ザクⅡJ型・JC型』と呼ばれる「陸戦型ザクⅡ」には、「C型」と同じ「頭部2本モールド」が存在します。
『08小隊版・陸戦型ザクⅡ・頭部』
これは、アジア方面にある「湿地帯」「砂塵」等の過酷な環境で活動する『陸戦型ザクⅡ』の場合、『装甲パネル簡素化による組立・生産スピードの強化』より、過酷な環境に対応した『装甲パネル細分化=故障時のメンテナンス重視』を選択したって事なんでしょう。
個人的には「頭部2本モールド」は、「Zガンダム」のハイザックみたいで、好みじゃないんですけど。
『ハイザック・頭部』
③『胸モールド』
『オリジン版(C型)胸部』には「突起モールド」があります。
左『オリジン版(C型)胸部』、中央『カトキ氏デザイン・ファーストガンダム版(F型)胸部』、右『ガンブラRG(F型)胸部』です。
『オリジン版(C型)胸部』にある突起モールドは、『カトキ氏デザイン・ファーストガンダム版(F型)』や『ガンブラRG(F型)頭部』にはありません。
「胸の突起モールド(俗に言う「チ○ビモールド」)」は、「オリジン・ザク系MS」のシンボル。
言い換えれば「ザクⅡ」に限定すれば、「C型のシンボル」と言って差し支えないです。
逆説的に「胸モールドが無い」のが「F型」の特徴となります。
以上をまとめると以下になります。
①ジオン軍は次期主力MSとして「ザクⅡC型 (MS-06C)」を開発。
当期は、「南極条約」締結前の時期に開発された為、「耐核装備」を条件に製造された。
また、「一年戦争」開戦に間に合わせるべく急造した為、故障リスクが懸念された。
その為、特に重要な「頭部・センサー」等は、頭部・装甲板を3分割し「メンテナンス重視」の設計し故障に備えられた。
②「南極条約」締結により、戦争での「核兵器禁止」となった。
ジオン軍は「耐核装備」をオミットした「ザクⅡF型 (MS-06F)」を開発。
長期戦を想定。物量を意識し、「メンテナンス重視」から「生産スピード重視」へ設計方針が変更された。
これにより、「頭部・装甲板」は単一・装甲板となり、「胸・突起モールド」も、大半の機体はオミットされた。
「R6オプション」のようなオプション装備も「生産スピード重視」の為、基本的に装備しないタイプが大半を占めるようになる。
機体塗装も有視界戦闘で味方機体への誤射防止の意も含め、明るめのカラーが採用された。
こんなところでしょうか。
以上で本日は終了です。
次回は「MS-06S」について。
更新は来週22日、土曜日です。
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