肉眼で3等星までしか見えない光害の自宅でも光度14~15等星が写せます。
9月30日、星空になりませんので、今まで光害の自宅で撮影した星の写せる光度について書くことにしました。
星は暗い空で観察・撮影する方が暗い星の観察・撮影に有利です。これは今までの常識でした。
しかし、デジタルカメラやデジタル動画カメラの発明と技術革新で暗い空でなくても相当暗い星まで写せる時代になりました。
私も日頃、光害の自宅で星撮影していて恩恵を肌で感じています。
フィルムカメラの時代には光害の自宅で10等以下の暗い星を写すことは考えてもいませんでした。暗い空へ行かなければ写せないと思っていました。
ところが、デジタルの時代になってからは光害の自宅で10等以下の暗い星が比較的簡単に写せることが判りました。
ですから、私は近年、主に光害の自宅付近で星撮影を実施しています。彗星や星雲の淡い像を撮影する時は暗い山へ出張撮影に出掛けることになります。自宅では淡い像は写せませんから。
点像の星は、私の撮影実績から光害の自宅で15等までは写せます。コマ状のしっかりした彗星は14等までは写せます。望遠鏡は20cmドブソニアン望遠鏡とε-130D望遠鏡です。撮影した写真はコンポジット(複数枚合成)処理したものです。
新星撮影によく使う広角ズームレンズの固定撮影では自宅で10等までは写せます。
但し、月明かり、照明、地平高度等の撮影悪条件をなるべく除外できるようにして撮影しています。ε-130D望遠鏡は光害カットフィルターも使用しています。
都市部の光害の空に住んでいる人は、あきらめずにデジタルカメラやデジタル動画カメラ等を使って工夫すれば、光害の自宅付近で約14~15等の星まで写せると思います。
光害の自宅で以前撮影した写真2コマを添付します。
①15等星が写ったオリオン座トラペジウム
2021年1月20日20時03分~05分
露出0.13秒×100/200フレーム×4コマ
20㎝ドブソニアン望遠鏡 f1200㎜ ASI290MC
IR/UVカットフィルター GAIN350 動画撮影
RegiStax6+ステライメージ9 トリミング自宅 気温2℃
※キャプチャエリア800×600
②14.2±0.5等の岩本彗星(C/2020 A2)
2020年2月3日05時36分53秒~39分39秒 露出10秒×16コマ ε-130D F3.3
LPR-Nフィルター トリミング ISO1600 自宅 気温1℃ 上が北