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「Don't Be Messin' 'Round」 にまつわる話

2012-06-09 | 気になるニュースをピックアップ
マイケル・ジャクソン ニュースブログ 「ジョセフ・ボーゲル:新たにリリースされたマイケル・ジャクソンの曲にまつわる話」 より、引用。

デモ曲 「Don't Be Messin' 'Round」 は、BADセッションでの多くの未発表曲の一つであり、キング・オブ・ポップの曲作りとレコーディングのプロセスを見せてくれるものだ。

古典的アルバム、1987年発表のBADに最後の仕上げを行なうべくロサンゼルスのウェストレーク・スタジオをマイケル・ジャクソンが訪れてから25年が経った。
BADからの第一弾シングル、「I Can't Just Stop Loving You」がソニーから再発売されてウォルマートの店頭に並び、この未発表曲のデモがついにオーディエンスの心を掴むことになる。
B面の、「Don't Be Messin' 'Round」と題された伝染性のあるリズム・トラックは、ジャクソンの創作プロセス、そしてソングライターとしての有能さを垣間見せてくれる。

ジャクソンは新しいプロジェクトに対して可能性のあるたくさんの曲を書き、レコーディングするのが常であった。
この傾向は、彼のキャリアにおいて多作期だったBAD期が特に顕著である。
ある時点まで彼は、BADを質の高い素材をたくさん収録した3枚組アルバムとすることも検討していた。
だからこの秋、ソニー・ミュージックとエステートがBADセッションの未発表曲によるフル・アルバムを発売するのは適切なことなのである。
トラックリストは未だ確定しておらず、9月18日の発売日が近づくまで明らかにされないが、BADセッションからのこれまで聴かれたことのないデモ曲が20曲以上、アルバムへの収録のために検討されている。
検討中の曲には多くの傑作があり、熱心なファンにはすでに知られている曲もある。

コラボレーターとマネージャーのチーム・・・エステートのトップ、ソニー副社長のジョン・ドゥエルプ、プロデューサーのアル・クアリエリ(2004年の素晴らしいボックスセット、マイケル・ジャクソン:アルティメット・コレクションを監督)、そしてレコーディング・エンジニアのマット・フォージャー・・・は、BAD25リリースに可能かどうか見極めるために倉庫を徹底的に調査した。
リリース可能な曲であると判断するために使われた基準はシンプルだ。すなわち、BAD期(1985-1987)にレコーディングされたもの、そして完成曲と感じられるまでに作り込まれているもの、ということである。

今回エステートとソニー/レガシーは、2010年にリリースされ議論を呼んだ初の没後アルバム「MICHAEL」とは対照的に、ジャクソンの作品をそのままに、装飾することはしていない。
収録曲は磨かれることはないが、ジャクソンが残したものにより近く、より本質的だ。
高評価だった2009年のドキュメンタリー「This Is It」と同様、彼の本領であるアーティストとしての本質を示すことがその目標である。
突き詰めればリスナーは、史上最も売れたアルバムを追うべく多くの音楽的アイディアに取り組んでいるマイケル・ジャクソンがいるスタジオを訪れることになる。

「Don't Be Messin」はこのコンセプトを分かりやすく説明するものだ。
同曲では、私たちはジャクソンが指示を与え、各楽器のパートに口頭で指示を出し、言葉のどこにアクセントを置くか、どこにパーカッションを加えるかを綿密に組み立て、歌詞ができていない部分をスキャットやアドリブで埋めるといったところを聞くことができる。
「大事な目的の一つは、それらが曲作りの作業であることを示すことなんです」とマット・フォージャーは語る。彼はサウンド・エンジニアでジャクソンの長年の友人でありコラボレーターである。
「明らかにすること。マイケルの自然な仕事環境、どのように指揮していたのか、ユーモアのセンス、彼が何を見据えていたのか。こういうものを実際に見ることなんです」

だから完成品は故意に完成させておらずそのままの状態である。
「彼が楽しんでいる様子を聞くことができます」とフォージャーは語る。
「彼の魂や感情がそのままそこにあるのです。デモ段階では出来栄えが完璧である必要はないということを彼はわかっていました。だから彼は緩かったのです。アドリブもするし、踊ったり歌ったり指を鳴らしたり手をたたいたりしていたのです。彼が楽しんでいるところを聞くことになります」

ジャクソンが「Don't Be Messin」を書いて最初にエンジニアのブレント・アヴェリルとレコーディングしたのはThrillerセッションのころだ。
当時彼は、「P.Y.T.」や「Billie Jean」のデモなど多くの音楽的アイディアに取り組んでいた。
「Don't Be Messin」はジャクソンが自らのピアノをフィーチャーしている(「皆さんが知っているよりも上手かったですよ」とフォージャーは言っている)。
彼はプロデュースとアレンジもこなし、映画のようなストリングスやブリッジのジョナサン・マクシーのピアノ、デヴィッド・ウィリアムスのファンキーなギター・リックなど、多くの楽器パートも指揮していた。

結局のところ、「Don't Be Messin」は完全には出来上がらず、またThriller用の強力な素材が出来上がりつつあったため、ジャクソンはこの曲を後回しに、次のアルバム用にもう一度やるつもりだった。
「マイケルがアイディアや曲を練り上げていく様子はこんな感じだったのです」とフォージャーは語る。
「彼はこの曲をやりたい時に広げていたのです。準備が整わなかったり、アルバムやプロジェクトの性格にフィットしなかったりした時は倉庫に置いておくのです。時期が来たら、もう一度取り出すんですよ」

この曲の場合は、1986年に再び表に出てきた。BADセッションの時だ。
ジャクソンは、「laboratory(ヘイヴェンハーストの改装された自宅スタジオのニックネーム)」でレコーディング・エンジニアのマット・フォージャーとビル・ボットレルとともにこの曲に最初に取り組んだ。
ジャクソンのリズム・トラックでは典型的なことだが、この曲は初期はとても長かった(8分近く)。「マイケルは曲を長くするのが好きなんです」とフォージャーは言う。
「彼はグルーヴ感を持たせるのが好きです。踊れるからです。そしてそれは大きなことなのです。曲が彼にダンスをさせると感じれば、彼はそのグルーヴを支配しているということを意味しているからです」

しかしながらジャクソンのグルーヴは、多くのダンス音楽が持っている繰り返しというものがしばしば欠けているという点で普通とは違い、変わったビートのパターンや感触、ニュアンスに驚かされる。
「(『Don't Be Messin'』の)ロング・バージョンの中には、とても興味深いものがあります。なぜなら、セクションが違えば違うことが起こっているからです」とフォージャーは語る。
「長いなと感じながら8分間座っているというようなものじゃないんです。『これはクールだね』と感じさせるようなことがその時間の中で起きるのですから。そのリズムを聞けば満足なんです」。

ジャクソンにとって曲をカットすることはしばしば残酷なプロセスであった。特にイントロとアウトロは。
とはいえThrillerやBADの他の曲と同じように、ジャクソンはこの曲を4分から5分の間に編集しようとした。
「Don't Be Messin」のニューミックスはこの長さになる。

ジャクソンは「Don't Be Messin」の作りこみを1986年後半、自宅スタジオとウェストレークで続けていた。
しかしながらクインシー・ジョーンズが加わってシリアスなそぎ落とし作業が開始され、「Don't Be Messin」はカッティング・ルームに取り残されてしまった。
DangerousとHIStoryのセッションでもこの曲に取り組み、サウンドを改良して新しい要素を加えた。
明らかに彼の好きな曲である。しかし結局、安住の場は見つからなかった。

マット・フォージャーがミックスした新バージョンは、1986年のBADセッションでジャクソンが取り組んでいた最終バージョンである。
これが最も純粋で、最も感情的に満足ができるバージョンであるとフォージャーは感じている。
「当時マイケルがこれをどのように指図していたか、まさにそのものなんです。マイケルが言う、『これがあるべき姿』そのものなんですよ」

この1986年のデモは画期的な曲ではない。ボーカルは全力ではなく歌詞も完成しておらず、ジャクソンとクインシー・ジョーンズが実現したであろうものに近い作品ではない。
しかしながら、増え続けるBAD期のアウトテイクのリスト(「Streetwalker」、「Fly Away」、「Cheater」など)に加えられる素晴らしい曲である。
「キャッチーなフックが根底にあり、興味深い刻み方をするリズム感があります」とフォージャーは言う。
伝説のレコーディング・エンジニア、ブルース・スウェディンは2009年のインタビューで、ジャクソンの未発表曲の中でも好きなものの一つであるとしてこの曲に言及している。
「実に美しい。まったく、この曲に匹敵するものなんかないよ」と彼は言っている。

彼の作品の多くがそうであるように、この曲は何か一つのジャンルにしっくりはまるものではなく、ラテンやジャズ、ポップの融合だ。
陽気なボサノヴァのリズムと層を成す織り合わされたフックが容易に頭を打ち、動きたくさせる曲だ。
その一方で、洗練されたシンコペーションと複雑なリズムのアレンジによって何度も聴くに値するものでもある。
(「音楽はタペストリーのようだ」とジャクソンは言ったことがある。「いろいろな層でできていて、内へ外へと織り合わされているんだ。そして重ね合わせの中でそれを見れば、深い理解を得られるんだよ」)

フォージャーにとって、この曲の仕事をすることは、ジャクソンの激動のキャリアの中でのシンプルだった時代の思い出を呼び覚ました。
「あの時代がどんな感じだったかが蘇りました。マイケルは溢れんばかりの幸せな人だった。彼は世界に挑戦し、素晴らしくグレートな音楽を作りたいと思っていたんです」。

フォージャーにとって、この曲を再現することのゴールは何なのだろうか?

「単に本物を作るということですよ。マイケルがエンジョイするもの、誇りに思えるものです。彼の魅力とエネルギーがあります。ありのままに味わい楽しんでもらえれば最高です。この曲に望んでいることは、ありのままのシンプルさを楽しんでもらえること、それだけです」

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