7月26日に「熱中症対策について」の市民講座を行いました。
日 時 平成24年7月26日
16:00~17:00
テーマ「熱中症対策について」
講 師 村田 宣夫 医師
会 場 佐野市民病院5階研修室
熱中症は、気温が高く、かつ、湿度が高い時や風がない時、日差しが強く照り返しが強い時に起こります。
普段健康な人でも油断はできません。適切な処置を怠ると死に至ることもあります。
正しい知識を身につけて適切な処置を行うことが重要ですが、熱中症による不幸な事故を防ぐ対策は、「予防することがすべて」と言っても過言ではありません。
では、熱中症予防には、何が必要なのでしょうか。
熱中症が起こる原因の1つが、塩分の不足です。
人間は暑い時に汗をかいて体温を下げようとします。1ℓの汗の中には約2gの塩分が含まれています。
炎天下で運動したりすると汗の濃度が濃くなり、1ℓに9gもの塩分を含むこともあります。つまり、汗を大量にかくと、その分体内の塩分も失われているということになります。
ここで気をつけなければならないのが、水分補給です。
水分補給は大切ですが、水だけを摂取すると体内の塩分濃度がさらに薄くなり逆効果となり、筋肉の痙攣を起こしやすくなります。
必ず、塩分の入っている水分をとりましょう。また、緑茶などカフェインを含むものや、天然果汁(野菜ジュース類含む)、炭酸飲料も熱中症予防としてはあまり効果がありません。
効果があるのは、スポーツドリンクなど電解質と塩分が入っている飲み物です。
そして、ポイントは「少量をこまめに!」です。
脱水による体重の減少が2%を超えないように気をつけましょう。
服装は、熱をこもらせないように、ゆったりとした服装が良いです。
また、汗を吸収しやすく、乾燥しやすい素材の服装がおすすめです。
風邪気味だったり、熱があったりして、体調が良くない時は熱中症にかかりやすいので、無理はしないことが大切です。
戸外で、熱中症になってしまった時の対応としては、次のことがあげられます。
直射日光を避けて、風通しのよい場所へ移動させる
衣服を緩めて、木陰で休ませる
水分を少しずつ飲ませる
熱が高い、水分が摂れない、意識障害があるといった場合はすぐに救急車を呼びましょう。
応急処置として意識確認、気道・呼吸確認、循環確認に問題がなければ、首、脇、足の付け根を冷やしたり、体表に水を霧状に散布して体温が下がるようにします。
熱中症は屋内でも発生します。25℃以上の熱帯夜では、充分に水分をとり、風通しの良い部屋で休みましょう。
熱中症は、放っておくと軽症の状態から、数時間で重症になってしまうことあります。
意識障害など問題がある場合は、すぐに救急車を呼びましょう。
無理をせず、自分の身体と相談しながら快適な夏を過ごしましょう。