市民講座

市民講座の内容やお知らせ

1月の市民講座のお知らせ

2012年12月25日 | 市民講座告知

 平成25年1月24日(木)
 市民講座を開催します。   


  テーマ 

 【食べる楽しみ・生きる楽しみをさらに発展させましょう
          ~新任のリハビリ科長としてのご挨拶~】


 先日、耳鼻咽喉科の新井医師が嚥下(えんげ)(飲みこみ)リハビリについての講座をされました。

そこでは「意欲をもって食事ができるようお手伝いする」と述べられました。

リハビリ科でも同じで、楽しいお食事と楽しい生活のためには専門家だけではなく、患者様とご家族の助けが必要なのです。

新任科長の私は、笑顔と感謝で進みます。
   

「栃木県民の歌」を、県の広報課提供の資料を使ってご一緒に歌いましょう。

 
 日 時 1月24日(木)16:00~17:00

 会 場 佐野市民病院 A棟5階研修室

 講 師 神山 五郎 (かみやま ごろう)医師
     (当院 リハビリテーション科科長)

 受講料 無料     

 定 員 40名 (先着で定員になりしだい〆切りになります)

 申込期間 1月23日(水)

 申込方法
 佐野市民病院 地域医療連携室に直接
 またはメール(sanoshiminrenkei@sanoshimin-hp.net)
 お電話(0283-62-9024)でお申し込みください。

 
 みなさまのご参加をお待ちしております。

  



市民講座だより 2012年11月

2012年12月03日 | 市民講座
 11月22日         
 「あなたの腎臓大丈夫ですか?
  放置すると怖い慢性腎臓病について」
 の市民講座を開催しました。


 日 時 平成24年11月22日(木)16:00~17:00
 テーマ「あなたの腎臓大丈夫ですか?
      放置すると怖い慢性腎臓病(CKD)について」 
 講 師 長田 太助 医師 
 会 場 佐野市民病院5階研修室  


 腎臓は、おへそよりやや上の背中側に左右1個ずつある臓器で、そら豆のような形をしています。
大きさは握りこぶしほどで重さは100~150g程度の小さな臓器です。

 腎臓内部には、ボウマンのうという袋があり、その中には細い血管が糸玉状になっている糸球体が入っており、ここで血液をこし出し尿細管へ送ります。
このようなボウマンのう・糸球体・尿細管を合わせてネフロンといい、2個の腎臓に約200万個あります。

 ネフロンは、糸球体の壁にある小さい穴で粒の大きな血球や蛋白以外をこし出しボウマンのうで受け、尿細管に入れそこで必要な物を再度取り込み、不要な物は尿として排泄させる働きをしています。


 <腎臓の主なはたらき>

 1.いらないものを尿として体外に出す。
 2.尿の濃さや量を調節し体内の水分を一定に保つ。
 3.電解質のバランスの調節。(ナトリウム・カリウム・カルシウム・クロール・リンなど)
 4.血液を弱アルカリ性に保つ。
 5.造血刺激ホルモンをつくる。
 6.血圧の調節。
 7.ビタミンDの活性化。
 8.不要になったホルモンの分解。


 このように、腎臓は身体を正常な状態に保つ重要な役割を担っています。
慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease)CKDによって腎臓の機能が低下し続けると、血管疾患(心不全・心筋梗塞・脳卒中など)の発症率が高くなることもわかってきました。

 CKDの初期は、自覚症状が出にくいので要注意です。
進行するにつれて現れる症状として、むくみ・貧血・倦怠感・息切れなどがありますが、これらの症状が強く出ている場合はCKDがかなり進んでいる場合が多く、体調の変化に気をつけているだけでは早期発見は難しいといえます。
定期的に健康診断を受け、尿や血圧の検査をすることが早期発見につながります。

 腎臓病患者さんのうち70%以上の方は健康診断がきっかけで病気が見つかっています。
血清クレアチニン値の上昇や、たんぱく尿・血尿陽性などを指摘された方は、早めに詳しい検査を受けるようにしましょう。


 生活習慣病とCKDは深くかかわっています。
特に高血圧は腎臓のろ過機能を低下させるので、圧力をかけて無理にろ過しようとします。
圧力がかかるとさらに高血圧になるという悪循環が続きます。
減塩・減量・バランスの良い食事・運動・禁煙・節酒をこころがけCKDが進行しないように、まずは血圧管理をしましょう。

 腎機能が低下すると起こる症状のひとつに腎性貧血があります。
腎性貧血は、赤血球をつくるはたらきを促進するエリスロポエチンというホルモンの分泌が減ることにより、赤血球が低下し起こります。
鉄欠乏性貧血とは原因が異なりますので、鉄剤だけを補給しても改善しません。

 CKDは推算GFR値により、自覚症状がほとんどないステージ1~生活改善・食事療法・薬物療法を経て、透析療法などの準備に入るステージ5に分類されます。

 残念ながら腎機能は、ある程度低下してしまうともとに戻すことは困難です。
早期発見・早期治療によってできるだけ機能を低下させないことが、とても重要です。

 薬物治療として、腎臓の血圧を調節する(降圧薬・利尿薬)・老廃物を身体から出す(経口吸着炭素製剤)・貧血を改善する(エリスロポエチン製剤)・体液やイオンバランスを調節する(カリウム吸着薬・リン吸着薬)・強い骨をつくる(活性型ビタミンD製剤)などの薬を使い腎臓の機能を補うことで、進行を遅らせたり、腎機能低下により起きる症状を改善することができます。


 大切な腎臓を守るために、病気の進行度合いや症状に応じた適切な治療を行うためにも、定期的に検査を受けましょう。

   

 腎臓のはたらきを詳しく調べるeGFR(推算糸球体ろ過量)検査は、健診・人間ドック時に当院でも実施しております。
お問合せは健康管理センター 0283―62-9021まで。