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本書は『Gender Trouble』の日本語版である。数あるジェンダー学(性差学)関連書の中で最も社会に影響を与えた1冊であり、かつ最も著名なのが本書。著者のジュディス・バトラーは、自身が生んだこの分野での草分け的議論に対して寄せられた批判的反響について説明している。にもかかわらず、フェミニストの古典にまでなった持論について、著者は見直したい気持ちを抑えつけた。
性意識と生物学的な性の不一致に苦しみながらも前向きに生きていたり、生きようとしていたりする人たちがまっとうな生活を送れるために、もしくは送れる可能性を高めるために本書を世に送り出すことにした、とバトラーは言う。
本書は、フランスフェミニズムの範囲の狭さやその基礎となった人類学のあり方を批判するだけでなく、これまでのジェンダー学に関するパロディーを用い、性差の決定に関する遺伝学的研究に文化的偏見が見られることや、性の形成を自然に起因させることに関して、重要な見解を示している。
ジェンダー学の入門書であり、大学のカフェで読むには刺激的な1冊である。(レジーナ・マーラー)
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メタローグ
本書でバトラーは、確固たる「女」という主体の存在に疑問を投げかける。フーコーに倣えば、権力の法システムはまず主体を生産し、のちにそれを表象するものだからである。「法のまえ」に「女」という主体が存在しない、解放されるべき「女」というカテゴリーすらが法の効果にすぎないという指摘は、フェミニズムにとって敗北だろうか。そうではない。問題はむしろ権力の法システムにうつされるからだ。そしてジェンダーを産出するこの法こそが、さらに起源としてのセクシュアリティやセックスをうみだすことがあきらかになるからだ。難解なバトラーの思想や文体が、噛み砕かれた翻訳も素晴らしい。(千田有紀)
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