羽幌線や天北線などの北海道のローカル線が次々廃止になるなか、ここは大赤字だけ
どまず大丈夫だろうと思われていた「深名線」が本当に廃止になった時は、かなりの
ショックだった。なにしろ代わりの道路がないので、冬季の交通が途絶する。
これでは代替バスも走れない。だから当分は、と考えていた私が甘かった。
毎年1回は札幌から乗りに行っていたが、20年ほど前の冬の記憶は今も鮮烈だ。
深川発9時台の始発に乗車し、5駅ほど過ぎたところで地元客はみな下車し、あとに残
ったのは私と、みるからに「鉄ちゃん」の道外から来た中学生だけ。と運転士は乗務
員室のドアを開け、こっちへ来いとの合図。運転席の隣りに座ったのは初めての経験。
「いいんだいいんだ、どうせ誰も乗ってこないから」。いろいろ話をしたが、当時休業
中の政和温泉の再開の可能性に及ぶと、「無理無理、春先にクマが出るから、知ってる
奴は誰もやらないよ」。今は立派な建物に変ったらしいが、本当に幌加内まで約1時間
乗降なし。終点の朱鞠内で改札を出たが、乗り継ぎ列車名寄行きまであと数時間。
さてどうする。駅前に店が1軒もない。積雪は2メートルくらいで、駅から国道に通じ
る道は猛吹雪。それでも200メートル先に農協の売店が唯一開いていた。すぐ食べられ
そうなのは菓子パンのみ。買ってからみると賞味期限まで1週間。こってり防腐剤漬け
。あとは待合室のストーブにあたって時間つぶし。相棒は住み込み?の猫1匹だけ。さ
っきの中学生は外で写真をとりまくりだが、果たしてちゃんと写っているのやら。駅裏
には雪でつぶれた廃屋がちらほら。汲み取りのトイレは凍結してテンコ盛。こういう写
真を残しておけばよかったと思うが、「後の祭りよ」♪
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