名古屋、相続税専門税理士の学習ノート

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配偶者居住権

2020-02-10 11:43:32 | 日記
 4月から「配偶者居住権」の適用が始まります。 以下要点をまとめました。


  被相続人の死亡時に、その所有家屋に無償で住んでいた配偶者が取得できる権利である。
  被相続人と配偶者の同居は、要件ではない。
  遺産分割と遺贈の時に認められる権利であり、贈与は対象外である。
  建物全部について終生にわたり無償で使用できる権利である。従来使っていなかった部屋も使用できる。
  建物所有者は登記義務を負い、新たな建物の所有者にも対抗できる権利である。  
  第三者に譲渡できない。
  建物の改築、増築、第三者に使用収益させる場合は、建物所有者の承認を要する。
  相続時に建物が被相続人と配偶者以外の人との共有の場合、成立しない。
  登記で保護され、終生にわたる権利のため、財産的価値があり相続税の課税財産になる。
  
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配偶者居住権の通達9-13の2

2019-07-30 14:20:29 | 日記
配偶者居住権についての通達が公開されました。  相続税法基本通達9-13の2です。  いままで遺産分割で配偶者居住権を配偶者が取得すると結果的に相続税の節税ができるような話がありましたが、通達を見る限り節税になるとは思われません。  

 通達によると、、、、配偶者居住権を取得した配偶者と建物の所有者の合意解除、または配偶者による配偶者居住権の放棄により配偶者居住権が消滅した場合、対価の支払いがなければ原則として建物所有者が配偶者より配偶者居住権の価格に相当する利益を受けたとして贈与税が課税されます。 土地の所有者についても同じ扱いで贈与税が課税されます。

 死亡以外の理由による配偶者居住権の消滅について贈与税課税を明記したものです。
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特別寄与料について思うこと

2019-07-23 15:16:17 | 日記
 民法改正で7月1日以降の相続について、特別寄与の制度が適用されるようになった。  相続人以外の親族、つまり6親等以内の血族及び3親等以内の姻族が、無償で生前の被相続人の療養看護や財産の維持増加に寄与して、「特別の寄与」とみとめられると相続人に特別寄与料が請求できるようになった。   「特別の寄与」ですから通常の親族間で期待される程度のものでは認められないだろう。  マスコミでは介護を中心に特別寄与料はとりあげられ、「嫁が義父や義母の介護をした日付、時間、介護内容等を細かくメモしておいて、相続が発生した時にその労賃を請求できる権利」として取り上げられている。  介護にかかりっきりで他に何もできないような状態なら特別の寄与と言えるかもしれないが、家事育児と並行した介護であれば通常期待されるレベルの寄与であり「特別の寄与」と言えないような気もする。   長男のもとへ嫁いだ嫁が、長男の死後も同居する義父、義母の世話や介護、家業の手伝いをしているような状態で、なおかつ子供がいないような状態なら、この特別寄与料を請求することに相続人も異議はないであろう。   しかし、相続人の配偶者が安易にこの権利を行使するのは、遺産分割協議を混乱させる危険があるのではないか。
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リバースモーゲージ

2019-03-26 15:31:25 | 日記
 シニア向けのリバースモーゲージ型住宅ローンである「リ・バース60」というローンがあります。  都市銀行から信用金庫まで扱っています。   利用できる人は60歳以上のシニアです。自宅の建て替え、リフォーム、既存住宅ローンの借り換えなどの資金を借りる際に、自宅の土地建物を担保にして資金を借り、借り入れた人が死亡した場合は、担保物件を売却して一括返済する住宅ローンのことです。 担保物件の自宅をを処分しても債務が残る場合には相続人にその債務は引き継がれますが、 銀行によっては「ノンリコース型」も扱っていて、この場合には担保物件を処分してまだ債務が残っていても、相続人は請求を受けません。  借りた人通常は毎月利息のみを返済して、元金は自宅の売却代金で返済するわけです。  
 
 借り入れた人が死亡してから自宅を売却するため相続人の理解が必要です。 また、相続税の特定居住用宅地の特例の適用に当たっては、配偶者が自宅を取得すれば無条件でこの特例が受けれますが、子供が自宅を相続した場合には所有要件や居住要件がありますから、小規模宅地の適用ができなき場合もあると思われます。
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民法改正つづき

2019-02-19 14:58:06 | 日記
 民法改正で、遺留分についての扱いも変わります。

 現在の遺留分減殺請求権は、物権的な効力があるため目的となった財産について遺留分権利者と受遺者の共有関係が成立すると言われています。  そのため受遺者が事業を承継したような場合は、遺留分減殺請求をされた受遺者側は資産を自由に処分することができず、事業の継続に支障が出る場合があるといわれています。
 改正により遺留分減殺請求権は原則的に金銭債権とされ、遺留分侵害額に相当する金銭の請求ができるようになります。 

 また遺留分の算定基礎額についても改正があります。  現在、相続人の特別受益については、どんなに昔の贈与でも年数に関係なくすべて相続財産に加算する必要があります。 改正により、相続財産に加算する特別受益は、相続開始前10年以内の贈与に制限されます。  相続人以外の人への贈与については従来通り相続前1年以内のものを加算します。
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自筆証書遺言の改正

2018-12-12 14:21:03 | 日記
 民法改正で、自筆証書遺言の様式が緩和されます。 と言っても原則は従来どおりに全文を手書きする必要があります。 ただし本文と財産目録を分けて記載する場合について、財産目録については代筆やパソコン、コピーの添付を認めるようになります。  イメージでは本文には、「財産目録1~3は、相続人Aに相続させる。財産目録4~6は相続人Bに相続させる。」のような感じ記載し、財産目録は純粋に財産だけを1~6まで列挙してあるイメージです。

 法務局での自筆証書遺言の保管サービスも始まりますが、遺言の様式が外見的に整っていれば保管するので、保管されたから有効な瑕疵のない遺言書というわけではありません。 この制度をあまり過信すると、とんだ争いを招きます。  
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配偶者居住権

2018-12-08 12:46:10 | 日記
 民法改正で、配偶者居住権という新しい権利ができます。  相続発生時に夫に所有する建物に無償で住んでいた配偶者は、この権利を主張すると、長男や次男がその建物を相続した場合でも、死亡するまでその家屋に無償で住み続けられます。  まだ詳細は不明ですが、自宅の家屋を配偶者居住権と所有権に分けるわけです。  配偶者居住権は権利ですから、遺産分割の対象になります。   この権利ができた経緯は、配偶者が自宅を相続した場合、法定相続分のほとんどが自宅の評価で占められて、預貯金の取り分が少なくなり、老後の生活が脅かされるため、配偶者居住権を創設して、自宅に住み続けられて預貯金も多く取得できるようにしたそうです。   また配偶者居住権は家屋に登記することが義務付けられていますから、第三者に対抗できます。    
 しかし普通の家庭であれば、子供が自宅を相続しても、母親はそこに住み続けます。  配偶者居住権をあえて主張しなくても住み続けられます。   しかし相続人が、後妻と先妻の子の場合には、事情が違います。  先妻の子が自宅を相続した場合、他に居所のない後妻は、配偶者居住権を申し立てれば死ぬまで従来の家屋に住み続けられます。

 配偶者居住権の評価、配偶者居住権の設定された不動産の評価がどうなるのかは未定ですが、大変興味がわきます。 無償使用は評価の世界ではではゼロ評価ですが、配偶者居住権の設定された不動産は価値が下がります。  配偶者居住権の登記された不動産は、事実上売買はできないでしょう。  配偶者の平均余命に応じて評価するみたいですが、複雑になると困ります。
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民法改正

2018-09-11 10:03:28 | 日記
7月13日に民法の改正が交付されました。  法律の施行は公布の日から2年以内です。  高齢化社会を背景にして、高齢者の保護が中心になっています。 相続や遺言についての改正事項を調べてみました。


配偶者居住権の創設
  配偶者短期居住権  相続開始時に被相続人所有の家屋に無償で居住していた場合、遺産分割でその家屋の所有者が決まるまでか、相続
            開始日から6月を経過するいずれか遅い日まで、引き続き無償でその家屋を使用できる。
  
  配偶者長期居住権  相続開始時に被相続人所有の家屋に無償で居住していた場合、終身または一定期間、配偶者にその使用を認める
            権利を新設。遺産分割の選択肢として、配偶者に居住権を取得させることができる。


      現行制度では、配偶者が自宅を取得すると、他の財産を取得できない場合があり、生活に困ることがある。 そのため
      自宅を配偶者居住権と所有権(負担付き)に分けて、自宅については配偶者居住権を取得すると住む場所も他の預貯金等
      の財産も取得できるようになります。

持ち戻し免除の意思表示の推定
  婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用の建物又はその敷地の遺贈や贈与がある場合、持ち戻しの免除の意思表示があったと推定。
  遺産分割において、当該居住用不動産の持ち戻し計算を不要にする。(特別受益として扱わない)


      現行制度では遺産の先渡しとして、特別受益としして扱われる。  この改正で、贈与された不動産は相続財産と無関係とな
      り、配偶者はより多くの財産を取得できる。

相続人以外の者の寄与
  相続人以外の親族が、被相続人の療養看護をした場合、一定要件の下で相続人に対して、金銭の支払いを請求できる。
  
      長男の妻などが、長男以外の他の相続人に金銭の請求ができるようになります。
      遺産分割に参加できるわけではありません。

自筆証書遺言の方式緩和
     全文の自書を要求している現行の自筆証書遺言の方式を緩和。 添付する財産目録については、自書でなくてもよいとする。
     パソコンで作成した財産目録、預金通帳や登記事項証明書をコピーして財産目録として添付することができるようになる。
     但し、目録の各頁には、署名押印がいります。

法務局での自筆証書遺言の保管
     自筆証書遺言の法務局での保管サービスが始まります。  相続紛争の防止が目的です。法務省令で定める様式に従った
     もののみが対象です。
     
     保管された遺言書については、検認が不要になります。
    
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地積規模の大きな宅地の評価

2018-08-24 15:02:34 | 日記
平成30年から「広大地」にかわり「地積規模の大きな宅地」の評価が導入されました。 広大地の評価とは違い、取り扱いが明確になりました。 角地、間口が広い、旗竿地開発の場所が近くにある等の理由で「広大地」に該当しないとされていた宅地が、「地積規模の大きな宅地」に該当することで減額ができるようになりました。  減額割合は広大地ほどではありませんが、曖昧な基準がなくなり明確な扱いになりました。  面積、地区区分、都市計画、容積率の4基準にすべて当てはまれば適用できるようになりました。

   評価額=路線価 ✖ 奥行価格補正率 ✖ 不整形地補正率などの補正率 ✖ 規模格差補正率 ✖ 面積

 面積     三大都市圏は500㎡以上、三大都市圏以外は1000㎡以上

 地区区分   普通商業併用住宅地区又は、普通住宅地区

 都市計画   市街化調整区域以外、都市計画の工業専用地域以外

 容積率    東京都の特別区 300%未満
        上記以外    400%未満


広大地の判定で頭を痛めていましたが、これからは簡単に判断できそうです。
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期間限定の事業承継税制

2018-04-17 09:27:53 | 日記
 従来からある非上場株式の贈与税・相続税の納税猶予が、期間限定で大きく緩和されました。  従来からの制度は、要件が厳しく手続きが複雑で、ほとんど利用する人はいませんでしたが、利用しやすいように期間限定で緩和されます。 但し、従来の制度は廃止されるわけではありません。

   二つの大きな改正点
     1  猶予対象の株式は、従来は全株式の2/3までの上限がありましたがでしたが、これが撤廃されて全株式でもOKとなりま
        す。
        
     2  相続税の猶予割合は、従来は80%で残り20%については納税が必要でしたが、猶予割合は100%になります。

従来は、発行済株式の2/3までの部分の株式で、相続税の猶予割合は80%でしたから、猶予されるのは「2/3 ✖ 80% = 53%」 でした。  2/3の上限撤廃と猶予割合が100%になることで、猶予割合は100%になります。 現金負担ゼロとなります。  まだまだ緩和される点はあります野で、詳細は中小企業庁HPで、御確認ください。

これらの緩和策は10年間の特例措置です。 特例を受けるためには、H30.4.1からH35.3.31までに知事あてに「特例承認計画」提出する必要があります。 これを提出しないと、全く特例措置の適用される可能性はありません。  そして、H30.1.1からH39.12.31までに、贈与か相続で非上場株式を取得すれば、この特例措置が適用できます。   今後10年以内に相続が発生する可能性があるなら、「特例承認計画」は、提出しておくべきです。
     
     
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