プロ家庭教師 俵屋の日記

気になること あれこれ

線分図で解く倍数変化算2

2016年06月30日 | 算数
線分図で解く倍数変化算、
今回は「差が一定」の問題です。


例題2
2本のひもA、Bがあります。AとBの長さの比は2:3です。A、Bそれぞれから、同じ長さ12cmを切り取ると、残りの長さの比は2:5になりました。
A、Bの最初の長さは何cmですか。


倍数関係が2:3から2:5に変化していますね。
倍数変化算です。

前回と同じように、まず初めの倍数関係を線分図で表します。


こうですね。
次に「A、Bそれぞれから12cm切り取る」を書き込みます。



「同じ長さ」の場合は、線分図の頭、左の方に書き込むのがポイントです!
こうしないと、後で「差」が出せなくなってしまうのですね。

そして、変化した倍数関係を書き込みましょう。


どちらも切り取った残りの部分なので、分かりやすいですね。
変化したあとの倍数関係は、初めの倍数関係と区別するために□で囲っていますよ!

さて、設問内容が線分図で表せましたので、答えを出していきましょう。

○か□か、どちらかの比をそろえるのですが、
今回もどちらでもあまり変わらないので、後のことを考えて□の比をそろえましょう。

Aの線分図を5倍、Bの線分図を2倍にします。

きちんと線分図に×5、×2を書き込みましょう。

書いたら、その下に、×5、×2をした線分図を書いていきます。
まず、Aを×5した線分図を書きます。

元の線分図を良く見て、
全ての数字を5倍して書き込みましょう。

次にBを×2した線分図を書きますが、
前回と同じく、まず同じ数字にそろえた□の部分だけ書き込みます。


そろえた□の比の部分はここですね!
書けたら残りの部分も元の線分図を良く見て全ての数字を×2し、
線分図の長さを意識して書き込みましょう。

12×5よりも12×2の方が少ないですよ?
ちゃんとBの方が短い線分図になっていますか?

書けたら、差を書き込みましょう。


今回の差は見つけやすいですね。

それでは計算していきましょう。
 ⑩−⑥=④
 12×5−12×2=12×(5−2)
      =12×3
      =36
比の④が36cmとわかったので、比の①は
 36÷④=9
9cmですね。
一番初めの線分図より、Aの長さは②、Bの長さは③でしたので
 9×②=18
 9×③=27   A‥18cm、B‥27cm 

解けました!

前回も今回も、

どちらかの倍数関係をそろえた線分図を書く
ことをマスターすれば、見分けなくても解けますね。


★おまけ★
前回と今回の類題を置いておきます。
ぜひチャレンジしてみて下さい!


類題1
兄は弟の5倍お金を持っていましたが、兄が弟に500円あげたので、兄は弟の2倍になりました。いま弟はいくら持っていますか。

類題2
兄は弟の5倍のお金を持っていました。2人がそれぞれ150円のノートを買って、残ったお金を比べると、兄は弟の10倍になりました。兄ははじめいくら持っていたでしょう。





線分図で解く倍数変化算1

2016年06月28日 | 算数
中学受験の算数に、「倍数変化算」というものがあります。
私のお気に入りのテキストには
「ある数量が増えたり減ったりすることで、はじめの倍数関係(比または割合)とあとの倍数関係(比または割合)が変わる問題」
と定義されています。

ややこしいですね。

倍数変化算は「和が一定」「差が一定」「和や差が変わる」の3種類に分けられるので、
この3種類のどれなのかを見極めて表などを使って解くことが多いのですが、
私がよく担当する短期決戦の受験生にはそんな時間はないので、
種類の見極めはせず、全て1種類の線分図で解く方法を教えています。

今回は「和が一定」の問題を見てみましょう。



例題1 
いくつかのおはじきを姉と妹の2人で分けたところ、姉と妹のおはじきの個数の比は7:5でした。もし、姉が妹におはじきを38個わたすと、姉と妹のおはじきの個数は11:9になります。姉はおはじきをいくつ持っていますか。


はじめは7:5だった倍数関係が、11:9に変化していますね。

まず、はじめの倍数関係を線分図で表しましょう。

こんな感じですね。
比は数字を○で囲んで分かりやすくしておきます。
数量の大小をよりはっきりさせるために、線の長い短いはおおげさにしておくとよいでしょう。

さらに、「姉が妹におはじきを38個わたす」を書き込みます。

姉は38個減って、妹は38個増えていますね。
ここのところをよく読まないと、2人とも数が増えていたりするので要注意です。

次に、変化した倍数関係を書き込みます。

ポイントは、変化した倍数関係、11と9を、先ほどの7:5とはべつの比だと区別するために
○ではなく□で囲っているところです。

姉は38個減って残った部分が「11」、
妹は38個増えてそれを足した全体が「9」
です。
ここも注意して書き込む必要がありますね。

これで設問の内容は線分図で表せました。
ここからは、この線分図を利用して、答えを出していきます。


線分図が2本の場合は、上下の線分図の差を利用して、比の①を出して解くのが一般的です。


さて、今回は比が2種類ありますね。
こういった場合には、どちらかの比の数をそろえて、差の計算ができるようにします。
そろえるときは2つの数字の最小公倍数にします。
そろえる比は、そろえやすい方でいいのですが、どっちもあまり変わらない場合は、
最終的に出す答えで判断すると後の計算が少なくてすみますが、
そこまで考えられない、というときは、どちらでも好きな方で構いません。

今回の7と5、9と11は、最小公倍数にするには7×5、9×11とどちらも変わらないので、□の方の比をそろえることにします。

姉の線分図を9倍、妹の線分図を11倍します。

線分図の後ろに、何倍するのかをきちんと書き込みましょう。

書いたら、その下に9倍、11倍した線分図を書きます。
まず、姉の線分図を9倍して書いてみましょう。

先に書いた線分図を良く見て、全ての数字を9倍して書き込みましょう。
比の部分だけ何倍かしている生徒がいますよ!

次に妹の線分図を書き込みますが、
まず、そろえて同じ数字になった比の□の部分だけ書きます。


ここ、ポイントです!
ここから書いていくと、間違わずにすみますよ。

書けたら、先ほどと同じように、最初に書いた線分図を良く見て、
全ての数字を11倍して、間違わないように書き込みましょう。

ここで書き間違えてしまう生徒が結構多いので
しっかり元の線分図を見て書くようにしましょう。

これで□の比がそろったので、差を出していきましょう。

でき上がった線分図をよく見ると、□の比は同じ長さなので差がありませんが、
○の比は長さが違うので、差がありますね。
線分図に書き込みましょう。


○の比の差が63−55、
その部分の個数は38×11+38×9(個)
だと分かりますね。

計算しましょう。
 63−55=8
 38×11+38×9=38×(11+9)
       =38×20
       =760
⑧が760個だと分かりましたので、①の個数は
 760÷8=95
ですね。
姉の個数は⑦ですので
 95×7=665         665個 

解けました!

「比をそろえる」「差を使って①を出して解く」
をうまく使えるようにしましょう!

次回は「差が一定」の問題を解きます。









文字式の表し方 速さと平均

2016年06月24日 | 数学
中1の数学は、文字式に入っていますね。
文字式も計算がメインなのですが、「数量を文字式で表す」という内容があり、
これでつまづいてしまう生徒が多いようです。

例えば、次の数量を式で表せ、という問いがあるのですが、表す数量の内容が

・身長が太郎xcm、次郎ycm、三郎zcmのとき3人の身長の平均。
・毎時pkmで800mの道のりを進むのにかかった時間(単位:分)。
・bの1割増


などの、「平均」「割合」「速さ」といった、苦手な生徒が多い内容を含んでいるのですね。

中学受験でもこの辺りがよく分からなくて、算数の点が取れない、ということがあります。

小学生でしたら、「速さ」「割合」などの定義を踏まえ、いわゆる公式などは使わない計算の仕方を教えるのですが
小学校でここをマスターしてこなかった生徒には、「公式」でやるやり方を教えることが多いです。
数が多くて間に合わないんですね‥


という訳で、今日は「平均」と「速さ」の公式を。

この2つの公式はパターンが同じなので、一緒に覚えると楽なような気がします。


【速さ】
1. 使う「内容」は3種類!まずこれを暗記!
   「速さ」「道のり」「時間」
 この3つは結構なじみがありそうな感じですが、文章中で「これが速さだ!」「これは道のり!」と
 区別できるようにしておく必要があります。
 例えば、「時速○kmで進むと」→速さ
     「距離はどれだけですか」→道のり
     「○分かかりました」→時間 
 といった具合に、別の言葉で出てきても3つのうちのどれなのかを分かるようにしましょう。
 
2. 公式は、出すもの以外の2つを使う!
 「速さ」を出すときは残りの2つ「道のり」と「時間」、
 「道のり」のときは「速さ」と「時間」、
 「時間」のときは「速さ」と「道のり」
 ということです。

3. かけ算は「道のり」!
 公式はかけ算か割り算のどちらかなのですが、かけ算は「道のり」の1つだけです。
 しっかり暗記しましょう。

4. 残りの2つは分数!分子は「道のり」!
 文字式のときは、割り算は分数で表すので、初めから分数として暗記します。
 そして、分数の公式のときは、2つとも分子は「道のり」になります。
 さっき覚えた3の内容と同じなので、そこを意識すると覚えやすいです。

5. 1〜4をしっかり暗記して、問題をたくさんこなす! 


【平均】:上の【速さ】と同じパターンなので、【速さ】をマスターしてから覚えましょう。
1. 使う「内容」は3種類!まずこれを暗記!
   「平均」「合計」「個数(人数)」

2. 公式は、出すもの以外の2つを使う!

3. かけ算は「合計」!

4. 残りの2つは分数!分子は「合計」!

5. 1〜4をしっかり暗記して、問題をたくさんこなす!


とりあえず期末はこれで凌ぐとして、この辺りがしっかりしていない生徒は
夏休みに速さ、割合、関数の基礎を復習することとしましょう。







梅仕事2016

2016年06月17日 | 日記
今年も梅を漬けました。

去年、調子に乗ってたくさん漬けたので、今年は1.5kgのみ。



やれやれ、と思っていたら、今年は申年だったことを思い出しました。

村上天皇の御代に遡る、12年に1度の縁起の良い申梅の年でした!

とは言ってもこれ以上漬けると置き場がなあ‥などとうだうだしていたら
近所のスーパーの広告に「南高梅 1kg 380円」との文字が!

1kg380円ならば話は別だ!と
早速件のスーパーへ赴き、南高梅Mサイズ1kgを購入。



ちなみにこのスーパーは、自分で箱の中の梅を1kg選んで計りとります。

洗ってタオルで水分をとって


500g計って


ジップロックに入れて


塩を入れて


消毒用のホワイトリカーも加えて


本で重しをします。

以前、袋が破れて梅酢が漏れた!ことがあるのでタオルを敷いています‥

1kgの梅を2つの袋に分けて漬けています。



そういえば12年前に、申梅ということを知って梅干し作りをしたことがあるのですが
天日で干し過ぎたのか、塩を噴きまくった、かちかちの梅干しができてしまいました。
どこかに保存してあるはずですが‥

その後、『梅ぢから』という本に出会って、びん干し梅干しを作っています。

さて、今年の梅はどこに置きましょうか‥







塾なしの中学受験

2016年06月14日 | お勉強
中学受験をしようか、と考えたとき、大抵は中学受験対応の塾に行くことと思いますが
塾に行かずに受験をしたい、という依頼をよく受けます。

4年生、または5年生になるちょうどきりのよいときに入塾できればいいんですが
その時期を逃すと、ほとんど授業についていけないんですね。
6年から、となると、中学入試の場合、ほとんどの塾は6年の1学期で受験範囲を終わらせてしまっていますし‥

私が受ける依頼は、5年の秋〜6年の今頃とかが多いです。
さすがに6年の冬、となるとそれなりの学校しか受けられませんが
6年の夏休み前くらいからなら、難関校でなければ結構合格できます。

とはいっても、今までに塾なしで短期間で合格できた生徒達は、生徒の努力もありますが
ご家庭の協力が大きかったように思います。

生徒は小学生ですから、自分から進んで課題をこなす、なんてことはほぼないのですね。
私が授業をするのは週3日くらいですから、残りの半分は生徒1人で課題をするわけです。
そのときに言い方は悪いですが、きちんと”監視”をして頂けるかどうか、が大きいです。

見ていないと、さぼるんですね。
小学生ですからね‥

1人でも言われたことをきっちりとこなせる、という奇跡のような生徒を見たことがありますが
とんでもない短期間で結果を出すことができ、無事お母様の母校に受かりました。

しかしこんな生徒はほんとうにひとつまみなので
子供の質問に答えたりということは全く必要ないのですが
「ちゃんとやってるか、見てるよ」
という"監視"は、やはり小学生には必要かなあ、と思います。






名古屋の男子中学

2016年06月07日 | お勉強
現在名古屋の私立中学は男子校が3つしかありません。
共学がいい!という男子はいいのですが、この子は男子校の方がうまくいくだろうな‥という生徒の場合、選択肢が3つしかなく、
しかもこのうち2校は試験日が同じなので、実質2択となります。
愛知県内ということでしたらもう1校あるのですが、
全寮制ということで、ここを選択肢に入れているご家庭を受け持ったことがないので、とりあえず3校ということで‥


しかし女子校は結構多い気がしますが、なぜ男子校はこんなに少ないのか‥
受験生達に人気がないのか‥

受け持った男子生徒達に希望を聞くと、共学志望と男子校志望とでは明らかに男子校が多かったのですが
やはり狭き門なので、第一志望の男子校に落ちてしまう生徒もいます。
第二志望の共学校に受かっていても、行かずに公立中学に進む生徒もいます。

もう2・3校男子中学があるといいのになあ‥、と男子を受け持つ度に思います。


ところでこの日記を書くためにネットで名古屋と愛知の私立中学校について確認をしていたのですが、
愛知の私立中学情報を載せているあるサイトでは、全寮制の男子校が載っていませんでした。
一瞬廃校になったのか?!とびっくりしてしまいました‥