いつもボロ雑巾の様にヨレヨレになって(外見的には何も変わってない様に見えるが私には内なる様が透けて見えてしまう)帰って来ては、倒れ込む様に私の足元で眠りに就く。
私は動けない。
どれくらいの時が流れたろう。
私はいつしかこの場に根付いてしまったようだ。
あぐらかいて座った姿勢のまま、足や尻から生えた根は、床を突き破り大地に降り立ちやがて繋がった。
私自身が今ではもう樹木なのだろう。
犬とも猫とも分からないリズの、安らぐ場所でありさえすれば、もうそれだけで良いのだ。
寝息をたてるリズ。
明日の朝にはまた、輝く程の魅力と憂いを纏い、また何処かへと駆けてゆく。
私は風の報告を楽しみに待つのだ。