『夜の果てに』
独り占めまでして
見守り
見送る
この夜の果てに
いったい何が
あると言うのか
無関心に
リズムを刻む
電波時計の
デジタル表示
遠くからまた
雨の匂い
北へ向かう新幹線と
南へ向かう長い貨物列車
明日が来ることの意味の
ほんとのところを
語れる者など
きっと居ない
※某アプリ内に投稿した文章にタイトルを付けたもの。
『壊れた人の声』
きっと
何かが壊れて
しまった人
それでもその声に
耳を傾けるのは
多分よく分からないエゴだ
拾える声もあれば
どうしても
意味を成せないものもある
結局その人達との
役にはたたないままに
中途半端に
打ちひしがれる
だから今はもう
関わらずに逃げるだけ
見かけたなら
無言で距離を取るだけ
現実はきっと
なにより淡白で
温度を持たないもの
そうなのかもしれないね
※某アプリ内に書き下ろしたもの。
『空〈ウエ〉しか見えない』
今はもう
ある意味気楽
最底辺な暮らし
病がくれたプレゼント
下を向く必要は皆無
だってここが一番下
見上げれば
遥か遠くに青い空
以前はもう少しだけ
近くにあったけど
今はもう果ての果て
だけどここからはそう
空しか見えない
それでいい
何もかもを受け入れて
※某アプリ内に書き下ろしたもの。
『朧気に溶け行く』
朧気に溶け行く
夜と朝の色
生まれ来るもの
枯れ果て逝くもの
抗うこと敵わぬ
理という仕組み
ただここに居て
静かに眺めている
朧気に溶け行く
私もあなたも
やがて溢れる
色で賑わう
※某アプリ内に書き下ろしたもの。
『淡く揺れる明日』
いつでも
いつまでも
淡く揺れる
明日
はっきりと
視認出来ないから
不安になって
苛立って
価値の無い
言葉綴って粋がって
なあ
もうやめようぜ
お互いにさ
今の俺達
最高にカッコ悪いから
淡く揺れる明日
それで良いじゃないか
きっと元々そんなもん
きっとそれが明日なんだ
※某アプリ内に書き下ろしたもの。