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今村夏子 「あひる」
河合隼雄物語賞受賞作と聞いて、河合隼雄ファンなので読んでみた。
何とも形容し難い読後感。
起承転結があって全ての伏線が回収されて大団円を迎えスッキリ終わる…という話ではない。
未解決の結末。
この後どうなったか気になる、宙ぶらりんの終わり。
「あひる」は、自分の子どもでは出来なかった暖かい時間を、他人の子ども達でやり直そうとしている両親が切なかった。
両親は子ども達に都合良く利用されても「それでもそばにいて欲しい」と思ってしまう。
こういう心理は何と呼ばれるんだろうな。
善意でお世話をしているように見えて、実はものすごく依存しているのだ。
ほんわかとした世界の中に底知れぬ病を感じた。
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