Seriously?

ひとりごとです

映画 ■■君の名前で僕を呼んで■■

2018年05月16日 | 映画
アーミー・ハマー素敵



映画 ■■君の名前で僕を呼んで■■

☆☆



あらすじを読んでいたから
あの2人が出会った瞬間から
ほおほお、と、わかった

あとはいかに進んでいくのか
という目で見るから
驚きがなくて残念な気もする

でもまあ
映画って「どういう映画」かは
知らせているから
仕方ないか

逆に全く教えてなかったら
観たいと思ったかどうか…



映画全編、非常に美しかった
80年代の北イタリア
豊かな自然に囲まれて

ランチは庭の木陰で
果樹をバックに
しぼりたての
アプリコットジュースを飲むし

川から取ってきたばかりの
魚を食べる

池で泳ぎ
草原に横わる



建物も家具も
古く優しい風合いで佇んで
煉瓦の角が朽ちて
このまま自然に飲み込まれて
一体となってしまいそう



ここはギラギラした
人工物で固められた都会ではなく
静かで、優しく、豊かな自然に包まれた
自然の中で起きたこと



どのシーンも
絵葉書のように
インスタに載ってる写真のように
美しかった

映画というエンターテイメントであるが
文学のように
美術のように
「美しさ」を追求した
芸術的作品を鑑賞するようでした



今回はネタバレ気味に
感想書いていきます



さてさて
この映画の中に
「水」が印象的に出てくる



私の勝手な解釈を展開してみたい



「水」が表すのは
オリバーとエリオの感情だと思った

映画スタートから80%は
流れのない水が主に登場した

煉瓦で囲われた水
深い緑色の淀んだ、停滞した水
動きのない、躍動感のない水
飲み込まれそうな水

お互いに好意を感じながら
相手に拒絶されることを恐れつつ
周りの人に気づかれるのを恐れつつ
用心深く、用心深く接する
波打ち、うねる本心は包み隠して
静かに、静かに



終盤で
オリバーとエリオは2人で旅に出て
大きな滝を見に行く
この滝の水は今までの淀んだ水とは
大違い

激しく水しぶきを撒き散らしながら
ものすごい量の水が
一気に
圧倒的な迫力とともに落ちて行く

ここでは2人は
互いの気持ちを確かめ合った後で
家族や友達もいないので
思い切り
「好きだ」という感情を爆発させる

今まで押し殺し、溜めてきた気持ちが
一気に解き放たれる

迫力ある滝の水の下
2人は開放感を満喫しているように見えた



そして最後の最後シーン
アメリカに帰ったオリバーが
結婚することを
エリオは知る

外は雪
滝から激しく解き放たれていた水は
今は凍り、静かに舞う
すべてのものを覆い隠す
静けさで包み込む

もう「水」とはみなせないくらい
別のものになっている

2人の激しく燃え上がった感情も
凍り、粉々になり、舞い落ちる
とても静かで、冷たい

そしてまた
とてもピュアで美しい



2人の間にある感情を
見抜いていたお父さんが
実は自分も同じような体験があると
エリオに告白する
でも、告白しないで隠し通したと



そして今は、この物語の時代から
更に30年経っている
まだまだ偏見は根強いが
今だったら
オリバーとエリオはもっと堂々として
結婚だってできたかも???



そう思うととても切なくなる



でも
結婚だなんて
夢のまた夢だった時代だからこその
美しさがあった
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