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塩田武史 「氷の仮面」
久しぶりに面白くて一気読みする本に出会った。
同性のクラスメイトに恋心を抱く。
でもその気持ちは相手にはもちろん、他の誰にも言えない。
悟られてもいけない。
自分の気持ちは周りの友達や家族をみんな暗い顔にさせ苦しめてしまう。
作者は当然、主人公とは全く違う境遇の人だから、主人公の苦悩は全て想像力の賜物なのであるが、翔太郎の苦悩がまるで我が事のように心が痛み、揺さぶられた。
想像上の人間がまるですぐそこにいるかのようにずっしりと重みを持って存在していた。
こんなに釘付けになる架空の世界や心理を言葉で紡ぎ出せるのはすごい。
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