④ 四谷コタン デビュー

2021-10-15 12:00:00 | 


もしもし、俺だけん


だ、か、ら。
電話の一言目から「俺っ」て誰だよ!アンタ昭和の亭主関白か!
と、声を聴けばすぐ誰か判る相手に
その日-1992年の、とある6月-も心の中でツッコミをいれていた。


四谷コタンで初ライブ、7月2日。よろしくううう❤️


いや、あのですね。先約があるんです。
前にも言ったけどその日は東京経済大のラテン音楽愛好会(ラテ音)の
サマーコンサート{サマコン)がありましてね。
こっちが観に行かないと、あっちも観に来ないものなんですよ。
僕もフォークソング研究会の一員でして
音楽連盟(音連)ってそういう繋がりがあって・・・


待ってるよ――――


いや、聞いてます?人の話。



そして7月2日当日、僕はラテ音のサマコン会場である、国立リバプールではなく
四谷コタンにいた。
彼の周りには一定の何かを惹きつける、特殊な磁場が発生していたのかもしれない。

対バン四組。デビューということで、彼の出番はトップバッターだった。
客席には座れないほど人がいっぱい。時の職場関係の方々もいたような
記憶がある。
滝のように 汗をかき
ノリノリで30分演奏した・・ように見えたが、
本人は緊張して不本意な出来映えだったらしい。


どうだった?俺


言いながら自身の拳を握り、エアーマイクを僕の口元に近づけインタビューをする彼であった。


初期の頃の衣装・・上はタンクトップ一枚で歌っていたよね。
ストラップには 「裸一貫ギターで勝負」
と描いていたよね。
ギターケースに貼られたガムテープには
Acoustic Rock 'n Roller と書いていたね。

彼の、東京での快進撃が始まった夜だったな。



続く


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