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ESD Education for Sustainable Development への思い

日本ESD学会が2017年4月29日に設立されます。この時期に合わせ、ESDへの思いをつれずれなるままに綴り始めます。。

ESDの大事な忘れ物―「地球憲章:The Earth Charter」―(その3)

2017-05-03 20:17:13 | 日記
 日本では、ESDの推進に当たって「地球憲章」が、なぜ議論の対象にならないのだろうか。私は10年ぐらい前からこの点が気になっていたのだけどれども、その大きな理由の一つが、国のESD推進の実施計画の中に、「地球憲章」のことがまったく触れられていないからではないかと考えるようになった。
 国の実施計画と言えば、ご存知のとおり、『我が国における「国連持続可能な開発のための教育の10年」実施計画』(2006年初版、2011年改訂)のことである。策定したのは、「国連持続可能な開発のための教育の10年」関係省庁連絡会議である。初版が2006年の公開で、「国連ESDの10年(2006~14)」が始まった翌年のことである。その後改訂版が2011年に公開されている。改訂が5年目に行われたのは、初版の中に社会の変化に対応するため、5年目に見直すという規定があるためであった。なお、「国連ESDの10年」が満了した翌2015年に、ユネスコがESDのさらなる継続のために策定したGlobal Action Programme on ESD を反映し、日本では、『我が国における「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するグローバル・アクション・プログラム」実施計画(ESD国内実施計画)』が2016年3月に、持続可能な開発のための教育に関する関係省庁連絡会議から公開されている。
 ではなぜ、国が推進するESD実施計画の中に、地球憲章のことが触れられていないのだろうか、その理由について、私には思い当る節がある。

ESDの大事な忘れ物―「地球憲章:The Earth Charter」―(その2)

2017-05-02 19:57:46 | 日記
 ユネスコは2003年の総会で、ESDの価値(倫理)規範として「地球憲章」を活用すると決議した。それは、2002年9月に日本政府が、持続可能な開発のための世界サミット(ヨハネスブルグ)で、「国連ESDの10年」を提案し、その後。国連総会によってユネスコがESDの主導機関に指名された翌年であった。
「地球憲章」の採択は、『第32回総会決議(32C/17号)』にはっきりと残されている。そこには、「地球憲章を持続可能な開発のための重要な倫理規範として採択し(“recognizing the Earth Charter as an important ethical framework for sustainable development”)、国連ESDの10年の枠組みの中での学習ツールとして活用することを、ユネスコ加盟国が確認した」とある。もちろん、日本もこの総会決議に賛成していたはずである。それにも関わらず日本では、なぜ、ESDにおける「地球憲章」の意義がもっと議論されないのだろうか。日本におけるESDの大事な忘れ物の一つだと思う。
(注)ユネスコ総会の過去の決議文書は、ユネスコ本部ホームページの中のアーカイブで閲覧できる。


ESDの大事な忘れ物―「地球憲章:The Earth Charter」―(その1)

2017-05-01 14:03:05 | 日記
日本におけるESDをめぐる公的なあるいは個人的な言説を眺めていると、ユネスコがESDの国際展開のために総会決議を踏まえて発信した多くの課題の内、大事な議論が忘れられているように思えてならない。まず第1に指摘したいのは、ESDに期待された持続可能な開発に関わる“価値と原則”を明示した「地球憲章」である。

日本ESD学会の設立、おめでとうございます。

2017-04-29 19:58:33 | 日記
 今日、2017年4月29日は、日本ESD学会の設立総会が東京:秋葉原コンベンションホールで開かれた記念すべき日です。2003年2月の日本ユネスコ国内委員会教育小委員会で、ESDをめぐる議論が初めて議題に上ってから、14年の歳月が流れました。日本ESD学会設立準備室を立ち上げ、設立に情熱を傾けて奔走されて来られた長友恒人先生には、心から敬意を表しています。これから会員も増えESDの研究がますます発展し、持続可能な社会の構築が、人類共通の目標となる時代の到来を夢みたいと思います。