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ESD Education for Sustainable Development への思い

日本ESD学会が2017年4月29日に設立されます。この時期に合わせ、ESDへの思いをつれずれなるままに綴り始めます。。

ユネスコスクール認定のホームページでの公表は、管理職の価値意識の差の現れか?

2017-12-26 20:01:00 | 日記
 広島県には、50校(2017年7月現在、県教委ホームページ)のユネスコスクールが認定されている。これら全ての認定校のホームページを閲覧し、特にトップページでの「ユネスコスクール」の表示に注目した。
 その結果、恐ろしく寒々しい表示結果であった。なんと、トップページに「ユネスコスクール」の表示がある学校は、全50校中10校、2割でしかなかった。なお、広大附属は、登録リストでは中学校と高校が別カウントであるが、ホームページは統合表示されている。また、これらの内、単に、「ユネスコスクール」のみの表示しかないのは、2校、ロゴマークのみが1校なので、ユネスコスクールについての内容の説明掲載されているのは、わずかに7校でしかない。
この結果から、ユネスコスクールに認定された学校は、その価値をどのように考えているのか大きな疑問が湧いてきた。まさに、管理職の「ユネスコスクール」の価値の認識が、あまりに貧しいと言わざるを得ない。
 ただ、拝見した次の2校は、その表示の仕方が、特に素晴らしかった。第1は、広島市立幟町小学校である。同校は、校長の署名入りで、申請に至った経緯、認定を受ける価値、これまでの教育方針との整合性などを簡潔かつ明瞭に説明していた。また、第2は、広島県立西条特別支援学校である。なんと、認定証のコピーと申請書も公開していた。広島県内のユネスコスクールで、申請書を公開しているのは、同校のみであった。

 以上より、今後の認定校のホームページの表示内容として、次の3点を提案したいと思う。第1は、認定時の校長の署名入りでの説明、第2に、申請書の公開。認定を受けた申請書の公開は、今後の申請を予定する学校にとって大きな助けになると同時に、認定校の今後の教育プログラムが、それによってどのように改善されていくのかを、だれもが客観的にモニタリングできるようになる。第3に、学校名の直近の位置、例えば、学校名の下に、「本校は、ユネスコスクールに認定されています。」、「本校は、ユネスコスクール認定校です。」と表示する。また、加盟を使用する場合は、「本校は、ユネスコスクールネットワークに加盟しています。」や「本校は、ユネスコスクールネットワーク加盟校です。」と表示する。また、英文ホームページを開設している学校は、「Member of UNESCO Associated Schools」と表示してもらいたいものである。なお、この表記は、ユネスコスクールのロゴマークに入っている。

参考:学校別「ユネスコスクール」の表示位置(●印トップページ、○印そのたのページ)

広島県立西条特別支援学校
●校名の左に校章、右にユネスコスクールロゴマーク
●左段・目次に「ユネスコスクール」
○同ページをクリックすると「認定証」と「申請書」を公開

広島市立幟町小学校
●校名の右側に、ユネスコスクールのロゴマーク
●画面中央に「ユネスコスクール」及び「UNESCO Associated Schools」英語表示
○同ページをクリックすると、「本校はユネスコスクールに認定されました」とあり、「ユネスコスクールは、ESDの推進拠点です」の明示もある。

広島市立戸坂小学校
●校名の下の帯状の動くお知らせに、「ユネスコスクール加盟校」表示。

福山市立内海小学校
●左段・目次欄に「ユネスコスクール」
○同ページをクリックすると、「内海小学校はユネスコスクールに加盟しています」との表示の下に、ACCUの公式サイトのコピーを掲載。

広島大学附属小学校
●左段・目次欄に「ユネスコスクール」
○同ページをクリックすると、「本校はユネスコスクールに加盟しています」との表示の後に、ユネスコスクール公式サイト(ACCU運営)のページを転載。

尾道市立山波小学校
●校名の下に「ユネスコスクール登録」の表示
○それをクリックすると、概要と登録することになったきっかけのページに入る。

三次市立安田小学校
●校名の下に「ユネスコスクール認定」の表示

広島大学附属中・高等学校
●左段・目次に「ユネスコ・スクール」
○同ページをクリックすると、「ユネスコスクール」の一般解説と「本校の実践」並びに「ユネスコ班の活動」が紹介されている。

広島県立賀茂高校(全日制)
●校名の右に、ユネスコスクールのロゴマーク

広陵高校
●特記囲みに「ユネスコスクール」とロゴマーク
○「ユネスコスクール」をクリックすると、ACCU運営の公式ホームページに飛ぶ。

ESDの推進拠点である「ユネスコスクール」の認定は、恥ずかしいことですか?

2017-12-03 08:37:09 | 日記
 私は、時おり国内のユネスコスクール認定校のホームページを見ることがある。ところが、多くの認定校のホームページのトップページの目立つ位置に「本校はユネスコスクール認定校です」とか、「本校はユネスコスクールネットワーク加盟校です」などの文言を記載したホームページを拝見したことがめったにない。ましてや、英語ページをもつユネスコスクール認定校のホームページのトップページに「A Member of UNESCO ASPnet」という表記などほとんど見たことがない。
なぜなのだろうか。思うにユネスコスクールの認定校に、その意味の大きさの認識が欠如しているのではないかと心配している。
 ユネスコスクールに認定されたということは、申請書に記載した教育プログラムが世界に通用する学校の教育モデルとして、国連教育科学機関のユネスコが認定したということである。それは国内だけでなく、世界に胸を張って自慢できる世界標準の教育プログラムを提供していることを意味しているはずである。ホームページを使って、もっと学校内外に自慢すべきだと思う。
 そこで、次回に、広島県教育委員会のホームページ(2017年11月30日閲覧)に掲載されている50校の認定校のホームページをチェックし、どう表示されているかを検証し、その結果を報告したいと思う。

日本初の「持続可能な社会」の法的定義は2003年でしょうか

2017-07-27 20:22:27 | 日記
 日本で「持続可能な社会」を法的に定義したのは、いわゆる環境教育推進法(2003)であったと思う。もし、まだ古い法律で定義したものがあれば教えていただきたい。
 いわゆる環境教育推進法とは、正確には、「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」(法律第130号)のことである。この法律は、「国連ESDの10年」が始まる1年前の2003年7月25日に成立した。この法律が第1条の目的で、「持続可能な社会」を定義した我が国で初めての法律である。その定義の特色をみると、持続可能な開発のための教育が目指す「持続可能な社会」の構築という場合の定義と、かなりかけ離れていることを問題にしたい。
 この法律の第1条(目的)で、「この法律は、健全で恵み豊かな環境を維持しつつ、環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会(以下「持続可能な社会」という。)を構築する上で・・・・もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。」
 この法律は、2002年9月に、日本政府が持続可能開発世界サミットで提案した「国連ESDの10年(2004~15)」の翌年に施行されている。日本でも2003年の始めからESDの議論が日本ユネスコ国内委員会の中で本格化にはじめるのだが、環境教育推進法の成立のタイミングが悪かった。
 私は、いわゆる環境教育推進法が成立した翌年に、ユネスコ国内委員であった国会議員に、次の質問をしたことがある。「国会でいわゆる環境教育推進法が議論される中で、2002年に日本政府が世界に提案したESDのことが話題になっていなかったのだろうか」と。その国会議員の答えは、「環境教育推進法の議論の中では、国連ESDの10年のことは議論された記憶はない」ということであった。


「持続可能な社会づくりゲーム」の提案

2017-05-21 14:46:14 | 日記

ユネスコは、2030年を目標とする「持続可能な開発のための教育の目標(Education for Sustainable Development Goals—Learning Objectives:UNESCO 2017 )において、これからのESDの推進に当たっては、国連持続可能な開発目標(UNSDGs)について具体的に学習することが重要であると提案している。
 このユネスコの提案を踏まえたとき、われわれは、17項目の目標に向けての取り組みの教材開発において、ある種のゲームを創ることが考えられるのではないだろうか。実は、その絶好のヒントが、日本経済新聞(2017年4月17日10面)の住友林業の全面広告に出ていた。この広告をヒントに「持続可能な社会づくりゲーム」を考えてみた。
 その広告は、住友林業代表取締役会長・矢野龍氏のメッセージとして、次の文章で表現されていた。「持続可能な森林経営によって資源循環型社会の構築に貢献します。」とあった。この文章は、持続可能な社会の具体像をイメージする上で、実に魅力的な文章ではないかと思う。
この文章をヒントにして、国連持続可能な開発目標から、いろんな目標を取り出して、次の文章のA,B,Cに入る言葉を見つけるゲームを、グループごとに回して行けば、どれだけ多くの持続可能な社会が構築できるか、実に興味深いゲームになるのではないだろうか。
ファシリテーターが提案するヒント文章は、「私たちは、持続可能な森林経営によって資源循環型社会の構築に貢献します。」であり、ゲームの文章は、「 A は、持続可能な
 B によって、 C 型社会の構築に貢献します。」となる。
 ちなみに、Aに入るのは、主体であり、私、われわれ、わが社など、Bは、国連持続可能な開発目標から選んだ行動・活動目標、そして、Cは、その結果として想定される持続可能な社会の多様な具体像となる。

ESDのもう一つの大事な忘れ物―「国連持続可能な開発目標:UNSDGs」―(その2)

2017-05-13 09:51:39 | 日記
 文科省によってESDの推進拠点と位置づけられた「ユネスコスクール」が全国で増加中である。ただ、認定された学校のESD活動の中に、「国連持続可能な開発目標」(UNSDGs)との関連を述べたものは、極めてまれである。UNSDGsへの関心の希薄さこそ、大問題であり、ESDの地球憲章と並ぶもう一つの大事な忘れ物ではないだろうか。
 ESDの中心的メッセージは、これまでの価値や行動パターンを吟味し、新しい価値観の下に持続可能な社会を構築しようというものであるはずだ。ユネスコは、国連ESDの10年の中で、持続可能な社会づくりのための目標として、ミレニアム開発目標(2000)を明示していた。このミレニアム開発目標の目標年は、2015年であった。そこで国連は、その後継の開発目標として「国連持続可能な開発目標(UNSDGs)」(2015)を採択した。
 ユネスコは今、ESDのさらなる推進に当たって、「持続可能な開発目標のための教育-学習目標-:Education for Sustainable Development Goals –Learning Objectives」を、2017年に策定し公刊した。この冊子でユネスコは、ESDの目指す持続可能な社会の具体的な目標は、2030年を目標年次とする「国連持続可能な開発目標:UNSDGs」であることへの取り組みを呼びかけている。なお、冊子は、ユネスコのホームページからダウンロードできる。
 全国に展開する1000校を越えるESDの推進拠点としてのユネスコスクールは、自校のESD活動が、持続可能な開発目標17項目のどれに該当するかぐらいは、はっきりとさせておくべきであろう。そうでなければ、今後、ユネスコスクールとして、国際的にアピールできなくなるであろう。