山屋敷山荘日記

23年落ちで購入した中古ログハウス(山屋敷山荘)
の四季、山行記録、蝶や花の観察記録を紹介していきます。

逆走台風をさけて北上したのですが

2018-07-31 09:59:30 | 山荘日記+虫日記
7月は初っ端から奥只見遠征で熱中症一歩手前の暑さに見舞われ、いやな予感はしていた。案の上、その後日本は猛暑列島になってしまった。東北地方も太平洋側はまだましだが、東北以外はスーパー猛暑日(37℃以上)が連発した上に、西日本では甚大な豪雨被害がでてしまった。台風でもないのにこれほどの豪雨被害が出たのは昨年の九州北部豪雨に続いてだが、やはり地球温暖化が誘因になっていることは確かだろう。被災地の少しでも早い復旧、復興を祈りたい。

 6月末にBGに移植したクガイソウの株は猛暑で雨もろくに降らない中、毎日水遣りを続けてきた甲斐あって何とか活着したようだが、7月になっても最初の週は水遣りを続けていた。


水遣りの際に気がつくとヒメジオンはいよいよ成長し、目の高さを遙かに超える程になってきた。そのため、ついにユンボが隠れつつある。(7/3)

次の週末は漸く雨が降ったので遠征はひかえてBGの作業を行うことにした。新しく種子まきをするため、トロ箱を空ける必要があった。そこで、昨年来育ててきた実生の苗をBGに移植することにした。やろうとは思っていたのだが、連日の猛暑、雨無しの天候が続いていたので実行できなかったのだ。そこで、この雨を利用して苗の移植を決行することにした。しかし、雨は降っているとはいえ、気温は相当高いので雨合羽を着てやる作業が過酷なものになることは最初からわかっていた。


まずは、昨年蒔いた実生のナンテンハギ、クララ、クガイソウのトロ箱などをバモスに積み込んだ。(7/7)


BGに着いてみると、水遣りと折からの降雨のお陰ですっかり元気になった先月移植したクガイソウの株に一安心。(7/7)


その南側にヒメジオンをなぎ倒してスペースをつくり、今回持ってきたクガイソウの実生株を植えてみた。(7/7)


一昨年植えたクララ畑の脇のヒメジオンと雑草をなぎ倒して新しいクララの株を植えていく。(7/7)


クララの株は極めて丈夫なのでこんな感じで横倒しに植えておけば充分活着する。(7/7)


この機会に雑草をなぎ倒して通路をつくってどんどんクララを植えていく。(7/7)


西洋カノコソウの花も盛期がすぎてすでに種子を付け始める時期に来ていた。(7/7)


このままにしておくと根本付近の葉の成長が妨げられるので花穂を全部カットした。もちろん次世代の種子もしっかり確保した。(7/7)

これらの作業を全て終えるには3時間近くもかかってしまった。山用のゴアテックス雨合羽を着ていたが、予想通り雨で濡れるよりは中からから汗で濡れる方が酷かった。本当はそのまま山荘で一風呂と言いたいところだったが、バモスのエアコンがまったく効かなくなっていたのでH氏から紹介されていたT電装に立ち寄った。

早速調べてくれたがガスが抜けているとのこと。車をおいて行く事はできないのでまずは応急処置をお願いした。ガスをチャージしてリークテストをおこなったところはっきりした漏れはなかったのでまずはこれで様子をみることになった。これで駄目なら次は入院してほしいとのこと。


バモスのエンジン(E07Z)はアンダーミッドシップなので手入れが面倒なことは確か。ガスチャージ中。車検で交換したリビルド品のダイナモが見える。(7/7)

涼しい車内になった後は自宅経由で山荘に向かった


草木が繁茂し、山荘へのアプローチがさらに分かりにくくなっていたので、翌朝は草刈りを行った。(7/7)


この頃までは、夕方の山荘内の気温もこの位で済んでいた。今年はまったく乾燥機を運転していないが、雨の日に湿度が64%であることがわかったので、このまま乾燥機は運転しないでおくことに決定した。(7/7)

本来は12時間ごとに乾燥機をオンオフさせる積もりだったが、購入したタイマーではそれができない事が分かったので、湿気に問題がなければ夏場も終日オフで行きたいと考えていた。というのも、夜間電力契約(21時〜9時までが安い)に変更してあるため終日運転すると昼間の電気代が高い分が効いてしまい電気代が1月6,000円を越えてしまうからだ。
夏場の山荘飯は何にするか?今シーズンは冷や奴と餃子で行くことにした。冷や奴は国産大豆を原料にした豆腐をコンビニで買えばいいのだが、餃子もコンビニで買ってきてチンでは少々残念。そこで、お気に入りの「宝永の餃子」を用意して、ちゃんとフライパンで焼くことにした。洗い物もフライパンと一皿だけなのでたいした手間でもない。


宝永の餃子はやっぱり旨い。焼き目もちゃんと付けるので、もちもち感の中にもぱりっとした歯ごたえがあって格別。ビールに合う。(7/7)

宝永の餃子は十勝音更町産だが、当地では販売店があって直接冷凍物を買うことができる。ただし、平日の17:00で営業が終了するので、何かのチャンスを捉えないと買うことができない。アマゾンでも購入できるのでお試しあれ。最近、東京の観光スポットとして外国人観光客にも大人気の戸越銀座に宝永の餃子が出店したらしい。早速、相当な人気になっているようだ。

翌日は暑さもそこそこの小雨模様。前日ダブルストーンで1,980円の雨合羽(本当の防水だが、その分びっしり汗をかく)を買っておいたので、それを着て残っていたタムラソウの鉢をBGに移植する。


タムラソウの鉢をバモスに積み込んだ。(7/8)


蒸し暑い中BGにつくと、前日は気づかなかったが前月移植したクガイソウにしっかり花穂ができていた。これで活着確実。(7/8)


今年産みつけられたコモドキの卵は無事孵化して摂食をはじめた様だ。(7/8)


これまでBGでは余りみたことがなかったキマダラセセリが飛んでいた。(7/8)

タムラソウをどこに植えようか場所を決めかねていたとき前月移植したクガイソウの株の中に間違ってもってきた株があったことに気がついた。確かに葉は輪生で形も似ているので無理もないが、花穂が出てきたら完全に別物であることに気がついた。


クガイソウと間違って持ってきた株。調べてみるとヨツバヒヨドリと判明。まー、これが増えてくれれば高原らしい感じもするので却っていいかもしれない。(7/8)


タムラソウの種子を蒔いたトロ箱から半分苗を採った所。(7/8)


これを鉢あげするとこの位になった。(7/8)


同様にセルポットに蒔いた西洋カノコソウの苗。(7/8)


これを鉢あげして、こういう感じの鉢を15個作った。(7/8)


ふっと見上げると、自宅のクララの大株は今年もほとんど実を付けず、花があった部分は芯がただの棒状に残っている。蛾の幼虫に今年もやられたようである。(7/8)


今年蒔いたクガイソウの種子からはたった2本苗が育っている.やっぱりクガイソウは大株を掘ってこないと効率が悪すぎる。クララやナンテンハギと違って成長が遅すぎるのだ。(7/8)


空いたトロ箱を使って今年採れたBG産西洋カノコソウの種子を蒔いた。しかし、今年は暑過ぎてちゃんと芽が出てくるか少々心配。

3連休は高山蝶を見に行こうということになった。蝶友のY氏と14日夜に矢板ICで落ち合い車を乗り換えて信州にむかう。猛暑で下界は35℃を越えている訳だから、車中泊の際に寝苦しいのはある程度覚悟はしていた。

日付が変わる頃にはいつもの道の駅に着いた。夏休み前にもかかわらず、8割方は駐車スペースが埋まっている。相変わらずの人気道の駅である。何とかスペースをみつけて一杯呑んでから就寝となったがさすがに暑かった。この道の駅の標高は680mだからザックリいうと下界よりは4℃くらい気温が低いはずなのだが、このよるは25℃あった。それは寝苦しい訳である。こういう日は最低標高1,000mmまで上がらないと車中泊は辛い。夜中にエアコンをかけている車が多かったのもうなずける。


翌朝出発前に道の駅に設置してあった気温表示板をみると24℃。やはり夜間の気温が22℃以下でないと車中泊は厳しい。(7/15)

翌日はミヤマシロチョウの観察会があって山は混雑することが予想されたので、人がいないところへ行こうということになった。それならばということで、これまで登ったことのない山に登ることにした。標高2,000mをこえてしかも朝早いわりにはかなり暑くてすぐに汗が噴き出してくる。

頂上付近に近づくと一面に生えているといって良いほど大量のクロマメノキが目に入ってくる。


これならミヤマモンキが沢山いるはずだが。(7/15)


クロマメノキが露に濡れているがじつはすでにかなり暑い。(7/15)


頂上付近からは北アルプスが一望に。この日登った人にとっては大バーゲンの眺望である。(7/15)


富士山もしっかり見えている。(7/15)

隣の山との鞍部まで下りてみると岩場があって、クロマメノキが一面に生えている。とにかくミヤマモンキには最高と言っても良いくらいの環境だ。


岩場とクロマメノキが見事に配置。(7/15)


ここも一面クロマメノキ。(7/15)

しかし、残念ながらミヤマモンキはまったく飛びださない。


シータテハが岩にとまって朝日を浴びている。時間が早いので影が大きい。(7/15)


エルタテハも現れたがもミヤマモンキは現れず。(7/15)

鞍部の登山道にロープが張ってあるので、何で?とおもったら数株だがコマクサが残っていた。ここから下山する登山ルートもあったようだがコマクサ保護のため廃道になったらしい。


数株残っていたコマクサ。個体群を維持するには余りに厳しい株数だ。(7/15)

この山塊は素晴らしい環境の割にミヤマモンキはいないと言う判断をして下山を開始したところ、頂上直下で♀を発見。残念ながらロープがあって近寄れず遠景からの撮影になってしまった。


とりあえず証拠写真として撮ったがモンキチョウでしょうといわれれば反論できない。が、本物である。(7/15)

他にもう1頭♀を確認できたので確かにこの山にも棲息していることは間違いない。環境は抜群なのだからもう少し観察できるとおもうのだが。


下山する途中、久しぶりにヒメキマダラヒカゲをみた。よく見ると品がある。(7/15)

駐車場に下りてから定番の観察場所に行ってみたが、ミヤマモンキの撮影ポイントが分からずビンビン飛び回る飛翔個体を観察するのみ。

広い範囲を歩き回って漸く撮影可能な♀をみつけたが地面に近いところから動かないので絵にならない。


岩陰のイブキジャコウソウに固執するミヤマモンキ♀。かなり新鮮にみえる。(7/15)


それでも翅表の黒帯部分が確認できるとそれほど新鮮では無いことが分かる。やはり、この蝶は羽化直後、逆光でボケを活かして撮るのが一番いいい。(7/15)

この撮影場所から尾根を歩いて駐車場に戻ったがこれがかなりの距離があり暑さもあって結構バテた。


途中、菖蒲の仲間で吸蜜するギンボシヒョウモンを発見。この手の花で吸蜜するのは初めてみた。(7/15)

その後は、ミヤマシロ観察のポイントにむかった。すでにミヤマシロの時期としては遅いのはわかっていたが、発生数などをみておきたいこともあった。

先月Yさん邸でお会いしたY氏がすでにおられて同行のY氏とは数年ぶりの再会となった。数年前乱れ飛んでいたことを思えば今年もかなり個体数が少ないようでなかなか飛んでこない。観察会は別の山なのでそちらはどうだったか分からない。


ポイントに行く途中、登山道で見掛けた♀。まだ何とか鱗粉が残っている。


ポイントで観察できた数頭のうちの1頭(♀)。すでにかなり鱗粉が落ちている(7/15)


ここではミヤマモンキの成虫は見なかったが、標高が低いせいかすでに産卵されていた。(7/15)

数は少ないながらミヤマシロの卵塊も確認できたので来年も見ることができるだろう。

帰路は以前も観察したことがあるクガイソウが比較的多い草原をチェックすることにした。コヒョウモンが沢山いたが、やはりコモドキはいないようだった。しかし、最後の最後に1頭コモドキを確認できた。残念ながら証拠写真は撮れなかったが間違いない。


ここではかなりまとまってクガイソウがみられるが吸蜜しているのはコヒョウモンがほとんど。(7/15)


ギンボシヒョウモンがアザミに来ていたが、やっぱり綺麗な蝶である。(7/15)

その後は高速で6時間かけて自宅に戻り、さらに山荘に向かった。20:00を過ぎて山荘に向かう途中、上り坂の延長線上に三日月が浮かんでいたんので、ちょっと撮ってみた。


例によって手持ち、コンデジはここまで。(7/15)

その晩も山荘到着時に室温が28℃あった。網戸をあけておいたら何とか25℃までおちたので寝苦しさはなかった。一時はエアコン導入も考えたが、今年の猛暑を乗り切れるのであれば不要だろう。そもそも夜しかいないのだし。

翌朝は草刈りをやって、例年のごとく倒れているヤマユリを起こして固定する作業を行った。


玄関前に倒れ込むヤマユリ。さすがに邪魔だし、触れると紅色の花粉が服にびったり付着してしまうので、起こすべし。(7/16)


薪だなに固定したヤマユリ。といっても花期はせいぜい2週間だ。(7/16)


春先に出てきたシオデはさらに成長して花を咲かせた。線香花火の様な花が可愛い。(7/16)


自宅ではまったく実がならないクララも山荘では今年も順調。(7/16)


100Vの充電用ケーブルを収納、固定するためS字フックを用意した。(7/16)

次の週末は所用があって動けず、遠征は中止。土曜日は山荘泊まりになったが、さすがに室温が30℃に近づいてきた。これまで30℃を越えたことは無かったので少々心配になったがなんとかこらえてくれた。


30℃直前までいったが越えずに済んだ。湿度もオーケー。(7/21)


すでにクリの実が大きくなって来た。この栗の樹も伐採すれば季節時計が無くなってしまう。(7/21)


翌日は夕方涼しくなってから(涼しくはないが)、コモドキの代用食であるオオバコを掘りに出掛けた。


BGでもオオバコを探したが良い物はなかった。ただ、ゴボウが3m近くまで伸びてたくさんの花を付けていたことに驚いた。まさにオオバコを探してオオバケゴボウに感動だ。このオオバケゴボウの根っこはどうなっているのだろう。(7/22)


この位のオオバコの鉢植えを作って自宅の累代用コモドキの餌が足りない場合にバックアップとして与えることにした。(7/22)


オオバコを補給したサンルームで飼育中のコモドキ。クガイソウの鉢植えはすでに食べ尽くされている。(7/28)


最終の週末は住宅建築でお疲れ気味のH氏と一緒に性懲りもなく今年も津軽方面に向かうことになった。カバイロの累代に向けて充分量の蛹を用意することがなかなかできないでいるためである。

18:30に当家に集合、東北道をひたすら北上した。世にも珍しいルートを辿る台風12号の動きに注意していたが、幸いこの逆走台風と反対方向に向かうことになるので天気はまずまず大丈夫との判断だ。途中、岩手県に入ろうとするころ自爆直後の交通事故車の脇をすり抜けることになった。H氏が携帯で110番に連絡したが通じない。では、ということで直近のPAに立ち寄って非常電話などを探すが、すでに先に着いていたワゴン車のお兄さんが警察に電話済みだった。その後さらに北上を続けているとH氏の携帯に電話が掛かってきた。出てみると何と警察。先ほどの電話は何を通報したかったのかということらしい。すでに要件は済んでいると答えたが、警察がこういう対応をすることが初めて分かった。

 丁度24時頃には竜飛岬に着いたが、昨年泊まった道の駅は真っ暗で猿も出てくるのでやめようと言うことになり、岬直前にあるトイレ付きの駐車場に泊まることになった。離れた所に軽自動車が一台だけ。相変わらず観光客がいない。
1時には就寝となったが、気温は22℃だったので心配した暑さも問題なく快眠できた。


夜中の3時にトイレに起きたら雲がかかった満月が目の前に。明日の天気は大丈夫だろう。それにしても車がぽつんと一台、愛車のみ。(7/29)

翌日はアウトランダーの電源をつかってポットでお湯を沸かし、カップヌードル、カップ麺を食べてから6:30から活動開始。ポイント1では幼虫を発見できず、卵を少々発見。ポイント2でも卵のみ数個。ポイント3では同様に卵のみ数個。相変わらず時期が読めない。

今年の特徴は花の咲いた株が少ないこと。やはり猛暑が影響しているのか、母蝶が産みたくなるような蕾、新芽が付いている株が例年より極端に少ない。


これはしっかり花がさいている株だが、もちろんボロボロ卵がついいる訳でもない。(7/29)


こういう株は卵を産みそうな部分は沢山あるので、その分探す部分も多くて大変だ。食草の生えている環境に応じて探す部分を少しずつ変えていく。(7/29)

何しろ、10分探して1個という感じなので忍耐力が必要になる。

ポイント3が終わったあとでポイント4まで約30分かけて移動。ポイント4でも幼虫は発見できず卵のみ数卵。さらにポイント5に移動したがここでは予想外に成虫(♂)を発見。これなら、と思ってそこの群落を探すが卵無し。

ポイント5で少し場所を移動して探すが、昨年に比べると圧倒的に花無し株が目立つ。まずいな、といいながら数個の卵を追加して終了にした。帰りに、念のためポイント6に立ち寄ってみると、ここはほとんど全ての株が花無しだ。やめましょう、言った途端、再度成虫が現れた。ということで、ここでも探す事にしたが、やはり数個のレベル。11:00で切り上げて帰路につく。何年経ってもカバイロは手強い。


斜面の花は昨年と同じなのだが。(7/29)


花無し株。産みたくなるところがない。(7/29)


日本海の景色は昨年同様絶景。(7/29)


第6ポイントの花無し株。ここは全株この状態。来年は大丈夫?(7/29)


これは珍しく一つの芽に2個ついていたもの。みんなこれなら効率が良いのだが。(7/29)


こういう感じなら屋外、老眼でもみつけやすい。(7/29)


しかし、こんな感じで横向きに押し込まれると発見はなかなか厳しい。ただし、この地区ではルリシジミの卵が産んであることはないので、そこは煩わしくはない。(7/29)

帰路は昨年シジミを購入した店によって再度購入。何と、大粒が3,000円とのこと。昨年より200円高い。聞けば、今年は不漁で採取量も制限されているので勘弁してほしいと。先客のプロ風のお兄さんは何と10kgを3万円で購入していた。ここまで来て小粒を買ってもしょうがないので大粒を1kg購入することにした。またまたシジミ御殿の増築資金を提供してしまった。アマゾンで大粒を調べると4,400円/kgなのでまー仕方ないか。

家に戻って砂出しをしながら、サイズを選別してみると明らかに中粒が混入している。これじゃ、薄めたカルピスを買ったようなものだが…。


これが大粒のシジミ。頑張って全体の1/3。比較対象としてペットボトルのキャップを入れてみた。確かにでかいので味噌汁以外の料理に使用することになった。(7/29)


これが中粒で約2/3。これは味噌汁用でいいだろう。(7/29)

夕方、クサフジが生えているH氏の住宅建築現場にでかけて少し食草をいただいてきた。久しぶりにみると建築工程も大分進んだ様だ。やはり平屋で一定の坪数があるとかなり大きく見える。


もうすぐ足場も外せるだろう。(7/29)


浄化槽の工事も終わった様である。(7/29)

日暮れ直前に久しぶりに虫小屋をみたら、クロツの2化が終わりに近づいていた。何とか累代できそうだ。


数頭残っていたクロツの2化。(7/29)


卵もしっかり産んでいる。(7/29)


逆走台風をさけて今年も北上してみたがヒロハクサフジの住人は今年もやっぱり手強かった。来年も頑張ろう。

岩場の別天地は何処に

2018-07-03 16:59:44 | 山荘日記+虫日記
 6月は梅雨に入ってから肌寒い日がすこし続いたと思ったら、月末には一気に暑くなった。なんと、関東甲信地方では史上最も早い6月中の梅雨明け宣言がだされてしまった。中期予測では、今年の夏も猛暑になるらしく、スーパー猛暑日(37℃以上)が連発する可能性がたかいという。この頃までに飼育を終わらせておかないと暑さによるトラブルが増えてしまうが、何とか間に合ったようだ。


BGはどんどんヒメジオンが大きくなり、人の身長ほどになってきた。もしかしてこの土地は地味がかなり肥えているのかもしれない。(6/22)

22日は山荘泊まりになった。夜になってもかなり室温が高いので窓を網戸にして夜間の冷気を室内に取り込まないと少々寝苦しい。

翌日は朝からよく晴れた。今の時期、一週間経つとあっという間に緑が濃くなっていく。特に、樹を伐採してからは庭が草原化しつつあるので、植物の成長速度が一気に加速している。


先日発見したシオデがドーンと成長してこんなに長くなってきた。(6/23)


先端をよく見るとすでに蕾が付いている。どこかで見たことがあるなと思って調べてみると、サルトリイバラの仲間だそうだ。いずれもサルトリイバラ科(またはユリ科)シオデ属だとのこと。(6/23)


庭が草原化してきた証しとして、前回はワラビが出てきたことを紹介したが、今回は何とワレモコウを発見。どこから種子がきたのか知らないが、自然が広がって行く力には恐れ入る。(6/23)


タラの樹も手がつけられない程の勢いで増えている。これは薪棚の脇から出てきた新株。(6/23)


道路脇にもどんどん出てくる。歩くと引っかかって痛いのでやっかいである。春先には芽を食べるのだからないと困るが、そのうち根元から切ってしまおう。(6/23)


実はカラスザンショウも山林の伐採後にドット生えてくる。裏の薪置き場に生えてきた幼木もここまで大きくなった。(6/23)


自分で植えたカラスザンショウも3m位まで大きくなってしまい、てっぺんにしか葉っぱがないので、その表面が見えず、アゲハの仲間の幼虫がついているかどうかも観察しづらくなってきた。今年の秋には芯を止めておこう。(6/23)


今年もシモツケが花を付けた。周囲の樹を切ればもっと増えてくるはずだからトネリコ以外はオール伐採の計画を立てる必要がありそうだ。(6/23)


栗の花も満開の時期になってきた。この辺の山でもゼフの観察にはいい時期になってきた筈。(6/23)

自宅に戻って、そろそろ終わりに近づいたオオルリの幼虫の世話をする前にH氏の住宅建設現場に立ち寄った。土曜日以外は大工のHさんと毎日作業を行っているのでちょっと見ない間にどんどん作業行程が進んでいる。


天井のボードも貼り始まっている。(6/23)


電気工事屋さんが入ってすでにコンセントが配置されている。コンセントは一部屋に3箇所とのこと。(6/23)


これは、子ども部屋の腰板に使うサワラの板材。部屋の壁面もオールクロスよりこれならかなり高級な感じが出るだろう。(6/23)


風呂は1.25坪の組み立てバスがすでに業者がきて設置済み。(6/23)


大工さんのための作業台。(6/23)


ただし、柱、梁系はプレカットでほとんど誤差がない。このように溝が切ってあり、きっちりと別の木材が嵌る様になっている。(6/23)


東側は外壁材の貼り付けも始まっていた。タイル風サイディングだがこれが相当重いらしく、やはり2人での作業になるとのこと。この暑さのなかでお疲れ様。(6/23)

翌日曜日、H氏は毎日の建設作業の疲れが残っているが、折角の週一の休みなので、虫関係でやるべき事をやりましょう、ということになり、昨年につづいて岩手まで食草(クガイソウ)を掘りに行くことになった。隣の県とはいえ、往復500kmはあるのでそれなりに時間を見ておく必要がある。ということで、H氏宅に7:00集合となった。昨年は5月にチャマダラの調査を兼ねて行き、熊の恐怖に晒されながら新芽の株を掘り起こしてきたのだが、今年はすでに6月下旬である。とすると、周りの薮が大きくなって、クガイソウの株も目立たなくなっているし、掘るときも薮をかき分けなくてはいけないので作業が大変になるのではないかと心配していた。とにかく、唐鍬とスコップをアウトランダーに積み込んで東北道を北に向かった。
 近道をするつもりで、2年前に台風でやられた林道に入ってみたら、まだ修復工事が済んでいないようだったので一旦戻って本来のルートで目的地に向かう。途中から気付いたのだが、林道脇の斜面にたくさん小さなサイズのクガイソウが生えている。薮もほとんど気にならない。寧ろ、春先よりは芽を吹いて大きくなったクガイソウはわかりやすい。紫色の花は咲いていなくても簡単に発見することができる。しかし、小さい株は効率が悪いので、いつもの大株の多いポイントに向かう。台風以降は林道が分断されることになったので、通り抜けができなくなり、この辺りの林道の交通量は極端に少なくなっている様だ。その証拠に林道の真ん中だけでなく轍部分にも雑草が生えている。熊はその辺から見ているかもしれないが、そのかわり他の通行者にはまったく遭遇することもないので、ゆったりした気持ちで掘ることができる。


なるべくこの位の株を掘る様にした。(6/24)

標高が1,200mもあるので時期の関係でまだ花が咲いていない事もあるかもしれないが、この辺りのクガイソウは先端の芽がなくなっている株が多い。獣道が縦横に見られることから推測すると、どうやらホンシュウシカに美味しいところを全て食べられている様である。昨年同様、堀り方、詰め方の共同作業を手際よくこなし、30分ほどで20株くらいを堀りおこした。唐鍬を振り回す堀り方としてはこれが結構なパワーが必要で、前腕の筋肉がパンパンに張ってくる。帰路はそのままBGに立ち寄って株を植えることになった。梅雨が明けていないというのに、雨が降る予定がないので水遣りが必要になりそうである。


予想通りその後数日は雨がなかったので20Lのポリタンクに水を汲み、職場の帰りにBGに立ち寄って連日水遣りをすることになってしまった。


昨年植えたクガイソウとは少し離れた場所に間隔をとって移植した。(6/24)


昨年の移植した株の隣にも植えた。2日後はまだ何とか枯れていない。(6/26)


毎日水遣りをやったせいか、4日後もこんな感じなので何とか活着できた様である。(6/28)

この週の終わりまでにはオオルリが全て蛹になった。


今回は全てシャーレの個飼いだが終令幼虫になったら2化が出ないように段ボール箱に入れて飼うことにした。具体的には、蓋をして暗くすることにより、日長時間が12時間/日以内になるように調節した。(6/20)


ピンク色になった終令幼虫は前蛹になるとこんな感じで透明になる。(6/23)


蛹化してすぐは白いが、こんな具合に徐々に黒く変色してくる。(6/23)


時間が経てばすっかり真っ黒になってしまう。今年は餌の補給が大変だったが何とか栄養の良い蛹ができた。(6/23)


おおよそすべてが黒い蛹になったところ。今年は前蛹になったものは全て蛹になったので、飼育方法がよければちゃんと蛹になることがわかった。累代障害はなさそうである。来年の飼育の数がどのくらいになるか想像するとちょっと…。(6/29)


それでも、こんな感じの綺麗な成虫が出てくることを思えば頑張る以外ないでしょう。(5/20)

この日はついでに累代のアサマが産んだ卵の一部を回収した。


何とか交尾してくれた個体があったようで有精卵らしい。これで累代がつながる。(6/23)


29日は山荘泊まりとなったが、矢っ張り夜は網戸にしないと蒸し暑い。


1週間で栗の花穂ほとんど落下して道路を汚している。やはり伐採するしかないか。(6/30)


道路からの玄関までの経路は草が繁茂してわかりにくくなってきたので、このあと草刈りを行った。(6/30)

実は前の晩からあらかじめ通販で購入しておいた100V用充電ケーブルでアウトランダーを充電してみた。その結果わかったのだが、電池残量が7割近くまで減っているせいもあるかもしれないが、7時間ほどで満充電できた。三菱自動車の取説によれば100Vの充電では満充電まで12時間ほど(自宅の200Vでは4時間以内)となっている。今回の結果であれば夜遅く山荘入りしても朝までには満充電可能ということになるので、充分実用になる。夜間電力は11円/kwhなので100円くらいで満充電になり、40km程の電気走行が可能になるのだから使わない手はない。


アマゾンで購入した100V用充電ケーブル。中国製なので若干心配したが、プラグ、ケーブルともに熱くもならず問題なく充電できた。(6/30)

その後自宅に戻って、今年の累代飼育分のクガイソウの鉢植えを飼育用の蚊帳から取り出すことにした。


すでに産み付けられた卵塊からの孵化が始まっている。(6/30)


役目を終えたコモドキをBGまで持って行き放してやると、すぐにヒメジオンで吸蜜をはじめた。(6/30)


昨年植えたエビラフジもあっという間に大きくなりたくさん花を付けている。今年は種子が沢山とれそうだ。(6/30)

その晩はフタスジのリベンジのために夕方からH氏とともに新潟に向かった。2人とも40数年前にそれぞれ異なるポイントで大量のフタスジを観察していたので、昨年はその記憶をたどって彼の大産地を目指したが、結局再発見することは叶わなかった。時期も遅かったせいもありほとんど下調べ程度に終わっていたのである。今年は、その反省をもとに違うルートを探してみようと言うことだった。
 下道をとことこ走って7時間弱かかったが23:00頃にはダム湖脇の駐車場についた。予想通り、一般駐車場に他の車はゼロである。その理由はこのダムサイトが登山の入り口になっていないからである。ただし、イワナを狙う釣り屋さんには人気があるらしく一軒だけある釣り宿はほぼ満杯だったようである。いつもよりは早く駐車場に着いたので、車中泊の睡眠時間は比較的多くとれた。だから翌朝は6時前には爽やかに目覚めた。車に標準装備されている1,500Wの電源でお湯を沸かしてカップヌードルをたべ、6:30から行動開始となった。
 下界は猛暑になるとわかっていたが、山の中も半端でないくらい朝から暑い。45分くらいで昨年目をつけておいた分岐点に到達。ここから昨年入らなかった道を進んで15分くらいで樹林が切れ、その先に岩場の別天地が出てくる筈だった。ところが、どこまでいっても樹林が切れない。H氏が40数年前に見た空間は幻だったのか。私が40数年前にみた水路沿いの桃源郷は昨年の段階でどうしても発見できず、消失したらしいことがわかっていたので、H氏の記憶に残っている岩場の別天地が頼みだった。樹が大きくなってしまったのか、あるいはもっと上なのか、などと悩みながら先へ進むが、そのうち道がわからなくなってしまった。薮こぎをしながらもう少し進んでみたが空間は得られそうもないと判断して戻ることにした。これでもう一つの40年前のポイントが消失してしまった(どこかにあるのかもしれないが)。


当地のブナは豪雪のためこのように根本が雪のために湾曲している。(7/1)


分岐点に行く道も整備されていない上に人も入っていないのか、ワラビがびっしり生えていて道がほとんど見えない。(7/1)


分岐点から昨年と違うルートを進み、この林を抜ければ岩場の別天地に出る筈だったが…。(7/1)


これでも以前はちゃんとした登山道だったようであるが、今は道としてはほとんどわからない。この先で、探索を断念した。(7/1)

やむなく、分岐点まで引き返し、昨年進んだ道をたどって昨年の到達点よりさらに先まで進んでみた。すると、マルバシモツケが相当数生えている絶好の岩場に遭遇した。この段階では、産卵用の♀ゲットも、撮影も楽勝と思ったのだが、環境からは理解できないくらいに成虫が飛んでいない。その上、とてつもない暑さで成虫が飛んでくるのをいつまでも待機している訳にもいかないのである。岩場の照り返しで暑さが一層酷く感じる。恐らくあまりの暑さで成虫も飛ばないのだろう。昨年水が流れていた筈の沢もほとんどが枯れていた。なんとかちょろちょろ水が流れていた沢を1本発見し、水をゲットして熱中症対策とした。何とか必要最低限の♀をゲットしたが、成虫の撮影は数も少ない上、ガレ場で危ないので今回は省略。それならばと、卵を探すとまずまずついていたのでこれは少しゲットし、さらにマルバシモツケを数株採取して猛暑の岩場から早々に撤退する事にした。


漸くたどり着いた環境抜群の沢。白い花は全てマルバシモツケである。これなら乱れ飛んでいてもいいのだが。(7/1)


この沢も登る気は絶対に起きないほどの急斜面だがポツポツとシモツケが咲いていて素晴らしい。(7/1)


マルバシモツケの花の状態からすれば確かに盛期であろう。


卵を探すと確かについているがりっぱなシモツケではなく、弱々しいシモツケに産んでいる。


これは複数産んであった貧弱なシモツケの株。(7/1)


近づいてみると卵が2つ観察できる。(7/1)


これは1つの葉に2つの卵が産んである。(7/1)


孵化したばかり幼虫が卵の殻の脇にいた。(7/1)


かんかん照りの岩場から樹林にはいって身体を冷やしながら下りてくると、最後に昨年もあまりの立派さに感心したこの山の守り神のようなブナが迎えてくれた。


守り神のブナ。今年は裏側から撮ってみた。(7/1)

守り神のブナに「山は40年以上も経てば変わるのだ」と諭されているような気がした。確かに、30年前に大きなスキー場が建設されたのだから山が変わるのも無理はない。まずはしっかり累代飼育を目指してみよう。帰りは往路同様下道で約7時間かけて自宅に戻った。それにしても、「遙かなり、O湖のフタスジ」を再認識する調査になった。来年はどうするかな?