医師という職業について思うことがあります。
近年、病院の医者は、マスコミ、患者さん等から責められる場面が増えました。よくよく考えると、社会から責められるような無茶をしてきたのは、現在、地域の基幹病院の現場にいる医師ではなく、今から10年から20年前に現場におられ、今は管理者側になられたり、もしくは、開業されている先生方だと思うわけです。
たしかに、私が医者になって働き始めた90年代後半頃には、病院のスタッフや患者さんにひどい仕打ちをしたり、製薬業者さんにたかったりする医者が時々いました。もちろん、そのような方々はだいぶ上の先生方です。しかし、今ではそのようなタイプの医者は、ほとんどの現場では相手にされず、うまくやっていけないはずです。
日本の高度成長経済を支えてこられた団塊の世代とその少し上の先生方こそが、悪しき医者の多くを構成してきたのはすべてではないにせよ、一定の事実ではないでしょうか。(笑)こんなことを日本でいうと抹殺されるそうです。
そして、さすが、この世代の先生はエネルギッシュでなかなか若い世代に仕事を譲ってくれないことも事実です(笑)。そして、残念なことに、日本が医療の分野で世界に立ち後れている一因でもあるように感じます。事実上、定年がない欧米でもこの世代の先生方も今も多数ご活躍されていますが、30代後半から40代前半の比較的若い世代も責任ある仕事を獲得し大活躍しております。
つい先日、先方の明らかな間違いを正して正論を申し上げようとしたところ、話を遮られ、「日本だとそんなことを言ったら一発でアウトだぞ。」と教育的指導を受けました。(苦笑)
はたして、日本の医学界はこの先どうなっていくのでしょうか。