―― お二人のお気に入りのシーンはどのあたりですか?
小島:マギーの奔放な恋愛関係のシーンが好きです(笑)。世界を飛び回る職業だったり、時代の自由さというのもあると思うんですけど、例えば一夜限りの恋みたいなのって、どちらかというと女の子の場合、遊ばれているっていう被害意識に転ぶことがあるじゃないですか。でもマギーには全然そういう意識がなくて、むしろ私がやってやったぞっていう感覚。それが凄く好きで。マギーの言動だったり、表情だったりとか「自分で全部を切り開くぜ」みたいな男っぽいところは見ていて気持ち良いですね。
白石:私はどうだろう...。お気に入りのシーンというのではないですけど、コレットって結構切ない想いをしているんですよ。自分のことよりも、いつも他人の事ばかりで、そういう立ち位置なのかなとは思うんですけど、背負っているものも大きくて...。実は一番ドラマを背負っているのが彼女だって気がします。恋愛的な部分で言えば、それぞれの恋愛模様が面白いのでぜひチェックして欲しいですね。
―― 『PAN AM』は女の子なら見ていて絶対盛り上がる要素が多いですよね。
小島:そうなんですよ。今日収録スタジオで盛り上がったのは、ケイトがボインということ(笑)。60年代風に言うとボインですね。ベッドに寝たときとか胸の形が崩れなくて凄いな、って。あ、これは別に書かなくてもいいんですけど(笑)
白石:でも結構そういうのに対してみんなで突っ込むことが多くて、誰がカッコいいとか誰が可愛いとか。意外とコレットは可愛いってみんな言ってくれていて人気なんですよ。一方、男性キャラにはダントツ不人気の人がいて...。
小島:最初はテッドがあんまり人気がなかったんですけど、ドラマが進むに連れて、今ちょっとテッド人気が上がっているんです(笑)
白石:そんな中、ディーンが...っていうみたいな話になりつつ。
小島:もうディーンはいいよ!って(笑)
白石:そうそう(笑)。もう散々ですよ。ひどい奴だって(笑)
―― そうやってエピソードごとにお気に入りが変わったり、いろいろ盛り上がれるのがいいですよね。恋愛テク的に参考になったりとか。
白石:どんな風にしたら色っぽく見えるのかとか。どんな風にしたら可愛いと思ってもらえるのかとか。恋愛に対する皆さんの仕草とか見て真似していこうかなと思うんですけど、私にはそんな色気がないです(笑)
小島:とにかく自由なのが羨ましかったり、今で言う"肉食系"というかね。
白石:結構4人ともそうですよね。
小島:あとセリフがすごく洗練されているのもいいんですよ。
―― 特にアメリカの方ってウィットを大事にするせいか、「なに小洒落たこと言ってんだ」みたいな部分もあると思うんですが。やっぱり照れ臭くなるものですか?
小島:照れ臭いですよ。マイクの距離が近いので、喋ってて「近!」みたないな(笑)。他の吹替えでも珍しいことではないんですけど、やっぱり恋愛のシーンとかだと、ちょっと恥ずかしかったりします(笑)
白石:収録スタジオって意外と端っこの方まで人が座っていたりして、マイク前に立ってる自分の顔を見られたりするんですよ。そうするとどんな顔して喋ってるんだろうって気になったり。デビューの頃からお世話になっている共演者の咲野俊介さんには「あの白石がなぁ~」みたいに言われました(笑)。恋愛シーンを吹き替える私を見るのが初めてだったみたいで、「そんな芝居するようになったか」みたいにしみじみ言われます(笑)
―― 女子的な目線になると、恋愛だったりになるんですけど、一方でスパイネタもあるのが『PAN AM』の魅力ですよね。
小島:そういうスパイネタだったり、歴史ネタだったりっていうのは男性諸君も楽しんで頂けるんじゃないのかな、と。それこそファッションとかに興味なくても、綺麗なスチュワーデスさんを見て楽しんで頂けるというのもアリです(笑)
白石:結構、セクシーシーンもありますもんね(笑)
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