万城目研究

「鴨川ホルモー」とか「プリンセス・トヨトミ」とか「鹿男あをによし」とか

「坂を抱いた」商店街のこと

2011年04月20日 | 『プリンセス・トヨトミ』

 

文庫本を買ったので、『プリンセス・トヨトミ』を読み返している。

舞台となった空堀商店街の風景が、何故か以前読んだ時よりもするすると頭に入って来る。

と言うより、風景を思い浮かべる事が出来る。

なぜだろうと考えて、思いいたった。

先日、空堀商店街を松屋町筋側からアプローチしたばかりだからだ。

それまで、何度か空堀商店街をうろついた事はあったけれど、いずれも谷町筋側から歩き始めたのだった。

 

万城目学が描写しているように、空堀商店街は「坂を抱いた」商店街だ。

大阪市街は大阪城を東に戴いて、碁盤の目に広がる。

碁盤の目都市と言えば京都が代表だけど、大阪も碁盤だ。

南北を走る大通りを「筋」と言い、空堀商店街は松屋町筋から谷町筋までの横の線を結ぶ。

この間にちょうど坂がある。

 

空堀商店街は、松屋町筋から見れば「上り坂を抱いた」商店街であり、谷町筋から見れば「下り坂を抱いた」商店街である。

『プリンセス・トヨトミ』の登場シーンでは「上り坂を抱いた」商店街として描写されている。

私は空堀商店街を「下り坂を抱いた商店街」として認識していた。

この差異は、結構、小説を読む上で曲者だった。

 

特に、茶子が蜂須賀に飛び蹴りを入れるシーン。

茶子が坂の上から、蜂須賀に飛びかかるのだ。

ドラマチックなシーンである筈なのに、うまく絵が浮かんで来なかった。

逆に、谷町筋側から商店街に入って財団法人OJOを訪ねる、鳥居と旭の行動はすんなりと絵になって理解できた。

 

今は、茶子が坂道を蹴って飛ぶシーンが、はっきりと絵になって思い浮かべる事が出来る。

 

 

うーん、『プリンセス・トヨトミ』読んでると空堀を探検に行きたくなる。

 

 

ジミヘンのぶらり下町食べ歩き1 (空堀商店街)


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2 コメント

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Unknown (nanashi)
2011-05-16 16:26:09
余談ですが、太閤のモデルは冨紗家ではありません。匠というお好み焼き屋さんです。
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空堀商店街のお好み焼き屋 (しう)
2011-05-16 21:08:13
匠は『プリンセス・トヨトミ』の挿絵で太閤のモデルになったお店で、冨紗家は万城目さんが小説を書く際にモデルにしたみたいですね。
(文庫版で万城目さんが書いてました。)

どっちも行きたいですよー。
いつも食いっぱぐれるんです・・・
扇町の太閤さんも美味しいですしね、お好み焼き、食べたくなった来た・・・
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