平成２４年度臨時総会・新年懇親会ごあいさつ

　あらためまして、新年あけましておめでとうございます。

　昨年は卯年で、ものごとが穏やかに収束に向かう年と申し上げましたが。どうもそうではなかったようです。

　あらためて、考えますと世界経済の危機、アジアの安全保障の危機といった状況の中で、日本はさらに震災からの復興、そして原発問題の収束という重い荷物を抱えてしまいました。

　そんな情勢につい目を奪われがちですが、私たちの足下にでは、情報流通革命が急速に起っています。スマートフォンなどそしてつい先日北米の家電ショーで話題になったスマートTVなどの情報端末は音楽分野ではCDショップ、そして文字の分野では出版社や書店のビジネスを大きく浸食しようとしています。

　写植やフィルムをデジタル化することで、私たちは生き延びてきましたが、これはいわばレコードがCDになったくらいの変化です。情報流通革命はCDプレスの工程を飛ばし、店舗も介さずに音楽を消費者に届けます。そしてこの進歩は確実に猛スピードで加速します。

　情報流通という役割の一端を担ってきた印刷会社がそれを求められなくなっていきます。世界や日本の情勢が激動に目を奪われ、ある意味で危機的状況に慣れてしまった私たちですが、この情報流通革命こそが印刷産業にとっては本当の危機である思います。

　とはいえ、暗い話題ばかりではありません。大阪市には橋下市長が誕生し、これもまたもの凄い勢いで改革が進んでいます。まだまだ実績もなく、評価も定まっていません。しかし大阪からの情報発信がこれほど話題になること、そして国のありかたを変える動きが大阪から出ていることは多いに評価したいところです。

　絆ということばがさかんに言われています。わが西和会には伝統の和があります。困難な状況を乗り切るために、絆や和が大切であることがあらためて震災によって確認されました。

　今後とも私たちのよりどころは変わりません、これからも西和会に変わらぬご支援、ご協力をお願いし、皆様のご健勝、ご多幸をお祈りし新年のごあいさつとさせていただきます。

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ご拝読ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。