僕も誕生日が来てしまって
十代になった。最後にピアノを弾いて、母さん達に聞かせた。
母さんもすっかり歳を取ってしまって、自慢の金髪が、白髪になってしまった。
僕は奨学金を申請し、その日の夜、大学へと出発した。
「母さん、元気でね。
スティーブンさんと、けんかしちゃだめだよ」
「解ってるよ、もう借金払ってもらったから、けんかはしないよ。
お互いもういい年なんだから。」
「それ聞いて、安心したよ。」
「父さん、サヨウナラ。大学でしっかり勉強するからね」
「心配はしてないよ、もうすぐジェラードも卒業して、
帰ってくると思うから」
「兄さんが帰ったら、少しは楽になるといいね」
「勉強するのも大切だけど、学生生活を楽しむのも大切だからね。
1度しかないチャンスだから。」
「解ったよ」