
前の記事の「福生」のイメージを数年後にひきずって書いた連作「水銀」です。昨年の三月に制作した、荻窪の短歌教室の生徒さんの為の冊子「NOBIRU」に発表したものです。
水銀
オレンジの転がる先に君のいて恋に落ちたり五月の風に
猫は昼寝貴方は短歌われは恋雲雀は空に五月の薔薇よ
顔を寄せ触れんばかりにみつめいる雨の紫陽花 瑠璃色の地球
声をあげ通り過ぎたるハーレーの車体光れり葉月国道
青年の腰の鎖のジーンズのポケットに続くさびしさの行方
四十度越えしひと日のゆうぐれて兆すかなしみコーラン聞こゆ
芸術は爆発だ!東京五輪を太郎が走るルドンのまなこ
チェ・ゲバラはTシャツを抜け新宿を彷徨えるらし明日にも会わん
ガード下落書き消されまた描かれ消され描かれてついに曼陀羅
銃を置き仔猫を拾い抱きしむ兵士の背中を狙う銃口
歌舞伎町ホストクラブ「臭花(ラフレシア)」NO1ホスト立川真仁(マヒト)
アロワナとアロワナのすれ違うときしろがねの泡匕首の閃き
夜明け前ほのかに香る蓮の花水呑む夢の続きに水のみ
一生は儚し君といた日々のさらにはかなし夏のゆうぐれ
髪洗う水の音する幸ありき牛乳沸かす夜のしじまに
水銀にならん 髪と髪むすび窓辺の雪の溶けゆく朝(あした)
あなあわれ一途なる性(さが)真鍮の鍵を凍れる湖(うみ)に沈める
かなしみつ別れしひとは神となり山桜散る夕べの光
二億年のちに芽吹きし恋の花今宵の空にひらくを眺む
冷夏なり 切れ長の目の循環器科医間瀬が前髪垂るるまま
オレンジの転がる先に君のいて恋に落ちたり五月の風に
猫は昼寝貴方は短歌われは恋雲雀は空に五月の薔薇よ
顔を寄せ触れんばかりにみつめいる雨の紫陽花 瑠璃色の地球
声をあげ通り過ぎたるハーレーの車体光れり葉月国道
青年の腰の鎖のジーンズのポケットに続くさびしさの行方
四十度越えしひと日のゆうぐれて兆すかなしみコーラン聞こゆ
芸術は爆発だ!東京五輪を太郎が走るルドンのまなこ
チェ・ゲバラはTシャツを抜け新宿を彷徨えるらし明日にも会わん
ガード下落書き消されまた描かれ消され描かれてついに曼陀羅
銃を置き仔猫を拾い抱きしむ兵士の背中を狙う銃口
歌舞伎町ホストクラブ「臭花(ラフレシア)」NO1ホスト立川真仁(マヒト)
アロワナとアロワナのすれ違うときしろがねの泡匕首の閃き
夜明け前ほのかに香る蓮の花水呑む夢の続きに水のみ
一生は儚し君といた日々のさらにはかなし夏のゆうぐれ
髪洗う水の音する幸ありき牛乳沸かす夜のしじまに
水銀にならん 髪と髪むすび窓辺の雪の溶けゆく朝(あした)
あなあわれ一途なる性(さが)真鍮の鍵を凍れる湖(うみ)に沈める
かなしみつ別れしひとは神となり山桜散る夕べの光
二億年のちに芽吹きし恋の花今宵の空にひらくを眺む
冷夏なり 切れ長の目の循環器科医間瀬が前髪垂るるまま
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